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【『金ヶ崎の退き口』を俯瞰して見ると??】ゆるく楽しむ日曜地質学:2023年5月7日号
5月の連休はいかがお過ごしでしたか?
私は相変わらず身体・&頭ともいまいちスッキリしない毎日でした(;^_^A
各城の位置関係
NHK大河ドラマ「どうする家康」ではいよいよ三方ヶ原の戦いが放映されます。徳川家康が大敗を喫した戦いで有名ですよね。
その前にもあった大ピンチである「金ヶ崎の退き口」は、お市の侍女の命がけの伝令を中心に描かれ、感動的な回でした。
劇中では、挟み撃ちに遭ってしまうことに関して、登場人物の「言葉」で説明されていました。
でも位置関係が分からないと、果たしてどれだけの窮地だったのか?はいまいちピンと来なかったのは、私だけではないハズ。
そこで地形図とにらめっこしてみたら「確かにこりゃ大変だ!」と実感できましたので、今回、皆さんと共有したいと思います。
ではさっそく、地形図を見てみましょう。
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上図の北部に見える広い平野が福井平野(福井市)で、南部に琵琶湖の一部が見えます。
赤色が、信長たちが陥落させた金ヶ崎城。
黄色が朝倉義景の本拠地である一条谷(いちじょうだに)城。
青色が浅井長政の小谷(おだに)城。
こうして見ると、確かに金ヶ崎城は他2城の中間に位置していますが、京(南西)へ逃げるのは難しくなさそうです。
しかし問題なのは、「浅井長政の裏切りを知った場所」でした。
実は一条谷へ向かって既に進軍途中だったのです。
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浅井長政の裏切りを知った場所が上図の▲で、木ノ芽峠(きのめとうげ)だと言われているようです。
そしてこの木ノ芽峠を越えると、一条谷と小谷を結ぶ街道との合流点があります。
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当時の概ねの行軍ルートを描きました。
信長軍は赤点線矢印のように行軍する予定だったと思われます。
このまま進軍していれば完全に挟み撃ちに遭ってしまいますよね。
しかもこの地域は急峻な山に囲まれた細長い谷沿いに街道がありました。
つまり前後から挟まれても、横方向に逃げられないんですよね。
まさに全滅必至の状態!
そして金ヶ崎方面には信長に降伏したばかりの朝倉勢もいますから、3方向から挟まれかねない。
こうして見ると、かなりのピンチだったと想像できませんか?
詳しくは、今後の記事をお楽しみに♬
今週の予告
今週は金曜の投稿を目指して執筆予定です。
〇5/12 金曜日:日本の歴史と地形・地質
金ヶ崎城の地形&地質【お城と地形&地質 其の四】
※タイトル変更の可能性あり
では、今週もよろしくお願いいたします。