ゲームって意外と大事かも
かつてソニーのプレーステーション2が世界を席巻していたころ、「これからはゲーム機をにぎる企業が世界をにぎる時代になるんじゃないか」と思われていた。
細かなことは忘れたけど、そういう時期があったような気がする。ゲーム機が家庭のメディアセンターみたいになっていくのではないかと考えられていた。
それまで家庭の中心はテレビだったわけだが、ゲーム機がそれに置き換わっていくのではないかと。
そうなると、ソニーがマイクロソフトを大逆転することになるわけだから、まことにけっこうな話である。
それを阻止するために、マイクロソフトはXboxというゲーム機の開発を始めたんじゃなかったかな?詳しいことは忘れたけど、大まかな流れとしてはそうだったと思う。
しかし、実際に世界をにぎったのは据え置き型ゲーム機ではなくてスマートフォンだった。
いまや、ゲームはスマートフォンでやるものになってしまい、据え置き型ゲーム機は世界を牛耳るどころかマニア向けの商品になりつつある。
マイクロソフトは、うかうかと据え置き型ゲーム機など作っているうちに、iPhoneとAndroidの時代の乗り遅れてしまった。
そして、モバイル優位のながれが見え始めたころ、「マイクロソフトはゲーム機から撤退するのではないか」というウワサがながれた。
ぼくも「撤退するんだろうなあ」と思って見ていたんだけど、その後もぜんぜんゲーム機の開発の手を緩めないのである。
やめるどころかますます力を入れており、最近ではベセスダやアクティビジョンといった大手ゲーム会社を買収している。そしてクラウドゲーム配信サービスではソニーをしのぎはじめた。
これを読んでいる人の多くは、ゲームなんかどうでもいいと思っているだろう。アニメみたいなマニア向けの世界だと。
とか
といった反応だと思う。Xboxなんかさわったこともないはずだ。
しかし、マイクロソフトはどうもそう思っていないらしいのである。最近ではウインドウズとXboxの融合を始めている。
ちなみにウインドウズには「コルタナ」というチャットボットが付いているが、コルタナとはXboxの代表的なゲーム「ヘイロー」に出てくるAIの名前である。
ぼくは過去10年以上にわたってXboxで遊んできたので、じゅうぶんに理解しているつもりだが、それでもややイタイ感じはする。
ただし、成功か失敗かはともかくとして、かれらが何を考えているのかはなんとなく伝わってくるのである。
WindowsやExcelを打ち出したのではこれからは苦しいと思っているのだろう。たぶん「マリオ」みたいなキャラが欲しいのだろうが、マイクロソフトのコンテンツといえば「ヘイロー」しかないので大事に育ててているわけだ。
そう考えてみると、マイクロソフトがXbox事業からそんなに簡単に撤退するわけがないのである。むしろ、そこから世界的なヒットが生まれるかどうかが社運にかかわってくると思っているのではないか。