
砂漠監視隊を読んでいた
宮沢章夫さんの名作戯曲シリーズ
「砂漠監視隊」の中の
「砂に沈む月」を読んでいた
1999年の年末から2000年の頭にかけて上演された作品
僕が小学校低学年くらいの歳に上演されていた戯曲だ
だからか
独特の90年代感が漂っていて
心地いい
砂漠監視隊は
物語という物語がない
砂漠の真ん中にある施設を舞台として
隊員達の駄弁が繰り広げられる
ただそれだけ
そして
エピソードのような
なにか確信めいた話が始まるかと思いきや
それもはぐらかされるようにうやむやに消える
その消し方
描かなさのセンスが抜群にいい
岩松了さんならもっと描かない
平田オリザさんならもっとがっつり描く
僕は宮沢さんの
その煙に巻く感じが
とても好きなのかもしれない
それは読む者の想像力を喚起させるが
答えは誰にもわからない
その閉ざされた美のようなものを
とても上手く描く作家さんです
宮沢さんは
あと
ふと笑えるズレた会話のセンスもえぐい
ふわっと
気づいたら変なことになっている
それを嫌味なくやれてしまう
その辺もすごいんだよなー
この世の中には
物語の面白さを求める人と
物語に興味がない人の
二つに分けられるけど
僕は完全に後者の方
で
物語の面白さに興味を抱かない人って
少数派なんだろうなーと思う
演劇をやってたら
肌感覚で徐々にそれが分かってきた
やっぱり
ジェットコースターのように
見ていてワクワクさせる物語って
それだけで楽しいですもんね
僕も
作品によっては
がっつり物語描かれてる作品が好きな時もありますけど
基本的に物語に興味がない
だって物語って
机の上でパズルみたいに作り上げるもので
なんかどうにでもできるものだから
なんか別に「だから?」ってなるんですよね
「あー上手いこと作りましたねー」
で終わってしまう
なんか今日は口が悪いですね
あんまりこういう話は他の人にしないので
ここだけの話にしといてください
口外禁止でお願いします笑
どちらかというと
僕の価値観で言うと
物語より
セリフの方がヒエラルキーが上なんですよねー
だってセリフは
その場の混沌とした
ありとあらゆる条件やルールの中から
それしかあらへんってラインを
綱渡りみたいに紡ぎあげるものだから
血が通うんですよねー
あ
でも別の意味で
セリフには血は通わせない方がいいんですが
セリフはそっけないくらいの方がいい
セリフに血を通わせるのは俳優の仕事だから
まあそれはまた別の話
とにかくそういう良いセリフを書く
稀有な劇作家の方々の筆頭が
宮沢章夫さんだったんですよねー
お若くしてお亡くなりになられて
作品はたくさん残されましたが
もう宮沢さんの演劇が見れないとなると
とても寂しい気持ちでいっぱいです
はい
まあそれはそれとして
今週の木曜日から日曜日の間に
東京の王子にある王子小劇場という会場で
僕の書いた戯曲を上演する舞台が開催されます
僕も宮沢さんに追いつけ追い越せで
ちくちくセリフを紡いでみました
まだまだ宮沢さんの足元にも及びませんが
公演詳細は以下のツイートです
\吉田有希 作・演出作品/
— 吉田有希 (@yoshipuchi12) March 20, 2023
CoRich舞台芸術まつり!2023春
最終選考作品
ダダ・センプチータ
「半魚人たちの戯れ」
会場
王子小劇場
2023年
4月13日(木)19:00
4月14日(金)19:00
4月15日(土)14:00/19:00
4月16日(日)13:00/17:00
吉田有希扱いご予約フォームhttps://t.co/sUJMfs6tKU pic.twitter.com/MK3tcWCXNG
もしよろしければ観に来て頂けますと幸いです
今日はこの辺りで
お読み頂き
ありがとうございました!