「藤田嗣治と現代の作家たち」展～未来のアーティストが育ち羽ばたくサロン文化を夢見て（予告）

2024年4月20日 18:41

「人は一人で生きているわけではない」ということは、私にとって、常日頃から感じさせられる事実ですが、孤独な戦いをしているように見えるアーティストの世界でもそれは同じ。素晴らしい力量を持つ作家も、見出す人、応援する人、買ってくれる人などがあってこそ世に出ることができます。また、切磋琢磨する仲間がいることで、作品に化学変化が起きたり、新しい取り組みへのきっかけにもつながります。つまり「人との出会い」って本当に大きいです。
そんな枕詞を付けたくなるような展覧会が、4月のゴールデンウィークの前半27日から29日まで開催されます。パリのサロンでの出会い・活躍を通じて世界的な画家となった巨匠・藤田嗣治氏の小さなデッサン画を囲む形で、12人の現代作家が作品を持ち寄る「藤田嗣治と現代の作家たち」展です。企画は、本展が開催されるGallery Aoyama Iyasakaを舞台に、2月から毎月連続して現代作家による展覧会を企画してきたMIKAZUKI ARTです。

約100年前、パリのサロン文化に育てられた藤田嗣治

藤田嗣治氏といえば、フランスで高く評価され、世界的にも活躍した日本が誇る巨匠のひとり。乳白色の柔らかい女性や、触りたくなるような優しい毛並みの猫の絵、見たことがある方も多いと思います。藤田氏は20世紀初頭のフランス・パリに単身で渡り、当時のアーティスト達が集う家賃の安い地域モンパルナスに住まい、ピカソをはじめとする、同世代の若手アーティストらとカフェなどのサロン的な場を通じて交流する中で頭角を現しました。
MIKAZUKI ART主宰、切り絵作家のタンタンさんは、中東の古美術ギャラリーを経営されていたご自身のおじいさまの残されたコレクションから藤田氏の小さな作品を発見し、今回の企画展を思い立ちました。

主役は藤田氏ではなくて12人の現代作家たち

しかし、今回の展覧会の本当の主役は、12人の現代作家かもしれません。タンタンさんの言葉によれば、今回、藤田嗣治の作品を囲んで、そこに集まってくれた作家たちが、将来、多くの人たちの心に何かを残すようなインパクトの強い存在となれるようにとの願いを込めたと言います。
原石だった藤田嗣治が当時のパリの濃ゆいサロン文化の中で磨かれ見出されたように、技術も視点も違う者同士が集まり、切磋琢磨をして、成熟の積み重ねをしていく、そんな場がほしいという一作家としての切実な思いもあるようです。たとえば、他の手法の作家さんと話すことで新しい技法や画材を試してみるきっかけになったり、新たな展示の機会を紹介しあうなど、交流からたくさんの刺激や情報を得ながら、作家も自分の道を深めていきます。

多様な表現と味わい、交流を楽しもう

今回もえりすぐりの作家たちが出展します。表現方法もアクリル、油絵、切り絵、色鉛筆画、水彩、彫刻など多彩です。

○樫内あずみ/アクリル insta　@kashiuchi_azumi
○荻原久代/油彩　insta　@ hisayo_ogiwara
○ひら子/切り絵　insta　@naka_hirako2
○タンタン/切り絵　insta　@kirierium
○WATAMAKO/色鉛筆　insta　@watamako3　
○みこ/色鉛筆 insta　@miko_artdesign
○しんじえりこ/切り絵 insta　@erikoshinji
○真野明日人/彫刻　insta　@manoworks
○やまゆりの/アクリル　insta　@yama_yurino
○新城梨乃/アクリル insta　@artistrino
○幸温望/アクリルガッシュ insta　@yukiatsu_nozomi　
○yui/透明水彩 insta　@yyyyyui.k

Gallery Aoyama Iyasakaは南青山にあるカフェギャラリー。美術館とは違い、お茶やお酒を楽しみながら、作家本人やほかのお客様と作品に対しての感想を言い合うなど、交流ができます。ここは”現代”のサロン、未来の嗣治が生まれる場かもしれません。アートを味わって一緒に歴史を作って行きましょう（笑）。桜展でも好評だった「マダムのお手製キーマカレー」等がお楽しみいただける予定です。ぜひ、お気軽に足をお運びください。

「藤田嗣治と現代の作家たち」展覧会概要

会期：4月27日（土）〜29日（月・祝）11時〜20時
出展作家：
樫内あずみ/アクリル　荻原久代/油彩　ひら子/切り絵　タンタン/切り絵　WATAMAKO/色鉛筆　みこ/色鉛筆　しんじえりこ/切り絵　真野明日人/彫刻　やまゆりの/アクリル　新城梨乃/アクリル　幸温望/アクリルガッシュ　yui/透明水彩
会場：Gallery Aoyama Iyasaka
東京都渋谷区渋谷2丁目7-14 VORT AOYAMA101　　　　　　　　　
表参道、渋谷駅から徒歩約10分
企画運営・・・MIKAZUKI Art

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