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あの時出会った銀髪のFPさんへ
15年前
15年前に家を買った時、住宅展示場の一角の小さなテントに
その人はいた。
お金をかき集めて家を買った私たちはこれからカツカツの生活になるんじゃないかと心細かった。
「お金の無料相談」と大きく書かれたテントの「無料」の言葉にいざなわれて足をふみいれた。
テントに座るその人は重厚なスーツを着て、銀髪で、重そうで高そうな鞄を傍らに置いて、私たちの話をよく聞いてくれた。そして、
「一度、おうちを見てみてからの相談になりますな。
一回のコンサルタント料金は3万円になります。」と言った。
その時の私たちは、家を買う時特有の金銭感覚がおバカさんになっていたと今から考えると思うのだが、そんなあの頃の私に言いたい。
「よくやった!」と。
どう考えても胡散くさい話ではあるが、本当にこのFPに私たちは3万円払い、家に呼び、家のお金に事情をあらいざらい話したのだった。
血のつながりもなんにもない人である。
貧乏そうな恰好をした田舎者の夫婦がどんな家を買ったのか?まあ見てやろうじゃないか、3万円もくれるんだし。
と、思っていただろうなぁーと今ならわかるのだが、無垢の巨人よりもっと無垢な田舎者の私たちには、自分がどんな風に映っていたのか考えることもできなかった。
だが、うちの玄関に立った時、この人がひどく驚き、「こんな立派な家を建てたんですか。。。」と言ったのを今でも覚えている。
その時、やっとわかったのだ。こんな家を建てる夫婦だと思っていなかったと
この人が思っていたことに。
「失敗した」
その時はそう思ったが、呼んじゃってるからしょうがない。
とりあえず上がってもらって、節約の話や保険の話などをした。
彼の提案は各保険の良い所だけをピックアップするという
投資信託の保険バージョンだった。
私たちは素直にその人の事を信じてその通りにした。
あとからわかったのはこの提案はク〇であり、めんどくさいし、ダンナさんの会社の提携している保険会社の保険と大差なかった。
大切なのはそこじゃない。
ひとしきり保険の話をした後、お茶を飲みながらその人が言った2つの事がとても重要だった。
1つめは「奥さんが家計のほかに300万円ほど持っていたら老後は断然余裕を持てるんですよ」
2つめは「今、私の金持ちな友達は皆、銀を買って仕込み終わっている。これから上がるんですよ」
当時の私はふーーーーん。である。
が!
この後、ストーリーがある。
300万まではいかなかったが、100万をなんとか貯め、銀行預金の金利があまりに少なかったため、ネット銀行に預けるため、窓口に行ったら
銀行「お客様、このお金はどうされるんですか?」
私「ネット銀行に預けようかと思って。金利が。。。」
銀行「お客様。良い商品があります」
私「?」
ネットではこれだけは買わないでと言われているドル建ての保険であった。
が!
この商品を買ったのが70円くらいの円高だったため、現在倍くらいの円安になり、金額を確認したら倍くらいになっていた。
家中のお金をかき集めてその保険を買っていたのでとても良い買い物になった。
お金を貯めること、
金融商品というものが世の中にあり、
それを買って利益を得ている人がいるという情報は
私にとってものすごくありがたいものだった。
また、その時にプラチナは買わなかったが、金を少しばかり買ったため、
こちらも良い買い物となった。
完全に3万円は回収した。
銀髪のFPの人、ありがとう。
あのあと、ほかの商品で溶かしたり、増やしたりを繰り返しながら、
まあまあありがたいことになっています。
そして、あの時無垢な気持ちであやしいテントに入って行った若かった私たちの一歩が投資をするきっかけとなったわけです。