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「こんなもの」の思いがけない美しさに息を呑む:『コーネリア・パーカー』展@Tate Britain
美しさとは面白いものです。「計算し尽くされた、均整の取れた美」というのはたしかに存在すると思うのですよね。完全な直線や円だったり、左右対称のヨーロッパ式庭園だったり。
しかし、人が美しさを感じるのは、そういうわかりやすいものだけではありません。枯れかけた花や、バランスのわるいものにも、ときにハッと心を奪われてしまうもの。
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それを究極に突き詰めたアーティストが、イギリス人アーティストのコーネリア・パーカー(1956年~)なのかもしれません。わけのわからない美というか(笑)、無意味なものや残酷なもの、あるいは置き去りにされているもの…。そこに鮮烈な美を天啓のように見出して、鑑賞者を納得させてしまう稀有なパワーを持った人です。
テート・ブリテンで開催中の彼女の展覧会は、今年のロンドンでも指折りの高い評価を受けることに。その世界を少しだけご紹介しますね😉
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