診察料も入院費も無料😲75周年を迎えたイギリスの国民保健サービス「NHS」が今、直面している大きな課題とは?
今日はイギリスにとってなかなか感慨深い日。NHS(国民保健サービス)がちょうど75周年を迎えたのです。
日本では診療費が1~3割負担。それに加えてお薬代を支払うという形が普通かと思います。一方、イギリスのNHSでは、診察料どころか検査費用や手術費用、入院費、入院中の食費まですべて無料🎉
唯一支払わなくてはいけないのがお薬代ですが、これも16歳以下(全日制の学校に通っている場合は18歳以下)と60歳以下、あとは失業手当などを受けている方、低所得の方は無料になります。つまり、お財布を持たずに病院に行ってOK!
お薬代を支払う場合でも、抗がん剤など、どれほど高額なお薬でも1枚の処方箋で9.65ポンド(約1,800円…と、今は円安なので高く感じますが、イギリス現地では1,000円ほどの感覚です)。さらに、持病などで何度も処方を受ける予定の方は、事前に手続きしておけば年間の上限が111.60ポンド(約2万円。現地の感覚では1万円超の感覚)で済みます。
それでいて、日本に比べてめちゃくちゃ保険料が高いわけでもなく、まるで夢のような医療システム。「どのような貧しい人でも等しく素晴らしいケアが受けられる」という崇高な理念に基づくNHSをイギリス人の90%が支持しています。昨日はその支持の証として、NHSの創設者、アナイリン・ベヴァン元保険大臣の名を冠した列車のお披露目があり、ニュースとなったほど。
しかし、そのNHSが今、存続の危機に瀕しています。今回は、なぜNHSを現状のまま維持することが難しくなってきたのか、その理由をいくつかに絞ってお伝えします。日本の現状と重なるところも多く、きっと共感し、何か感じたり考えたりしていただける部分があるのではないかと思います😌
2018年には世界一の満足度を誇っていたイギリスの医療ケア
まず、わずか5年間でどの程度状況が変わったのかというお話を。上の記事で触れられているとおり、「自国で自分や家族が受けられる医療のクオリティに満足している人」の割合は、2018年にはイギリスが世界トップでした。それが2023年には6位まで急落。ちなみに日本は同じ期間、12~14位で安定しています。
イギリスで医療費が増加し続けている主原因とは
これは日本でも、あまり議論されないだけで同じかと思うんですけど…。
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