世界情勢が緊迫するにつれ、イギリス長期ビザもさらに厳格化【全文無料】
イギリスは英語圏ということもあってもともと移民に人気のある国。しかも現在、世界のあちこちで紛争や政治的な弾圧が起こっているため、アメリカやイギリスへは「安心感や安定感」を求めてさらに人が殺到しています。
実際、ウクライナや香港などからの難民・移民が急増し、中東やアフリカから危険な手段で国境を超えてくる難民も引きも切りません。世界各国の富裕層はロンドンにセカンドハウスを持ち、「もしも」(世界大戦レベルの紛争)に備えています。今後も世界情勢が不安定になればなるほど、イギリスへの移住希望者はおそらく増えるでしょう。
しかし、イギリスも無制限に住民を増やすことはできず、結局、ビザ取得のハードルを上げていくしかないわけで、まあ、それでもぜんぜん食い止められていないんですよね…。むしろうなぎのぼりです😅
そんな中、上の記事でご紹介したビザに関する変更が発効されました。ただし、上の記事に書いた内容からその後に多少変更があったので、まずは重要な点を簡単にアップデートしておきます。
就労ビザ申請者の最低給与:26,200ポンド(約500万円)→38,700ポンド(約740万円)
昨年12月の発表から変更はありません。38,700ポンドはかなり厳しい数字です。「イギリス大学・大学院留学→卒業後にイギリス就労ビザ」というルートを狙っていた方は、相当な資格やコネがない限り実現がむずかしくなりました。
なお、上記はSkilled Worker Visaの基準で、フルーツピッキングなどの季節労働者(Seasonal Worker Visa)は最低時給以上の契約があればイギリスに最長6カ月間滞在できます。
人手不足の職種では就労ビザが取りやすい
イギリスで人手不足が深刻な職種に関しては給与の基準などが緩和されています。以下は職種の例で、こちらから詳細が見られます。
家族ビザ申請者の最低給与:18,600ポンド(約360万円)→29,000ポンド(約560万円)
こちらは当初、38,700ポンド(約740万円)に引き上げと発表されていたのが、それではあまりにも厳しすぎるということで29,000ポンドに減額されました。とは言え、今後、段階的に34,500ポンド、38,700ポンドと引き上げられる予定。次回の引き上げは2025年初めとなる見込みであるため、イギリスに家族を呼び寄せたい方は早めのアクションがおすすめです。
現在、どの国からの移民が多いのか?
2023年6月までの1年間に、1年以上の滞在を目的として来英した人の数は118万人。イギリスはEUを離脱したため、EUからの移住は格段にむずかしくなりました。実際、そのうち96万8000人はEU域外の人で、国籍別ではインド、ナイジェリア、中国、パキスタン、ウクライナの人たちがトップ5を占めます。イギリスはますますアジア・アフリカ系の移民が増えそうですね。
日本からイギリスへの移住者は増えている?
先月発表された統計によると、在英日本人は2022年には65,023人だったのが、2023年には64,970人とほぼ横ばいでした。ロンドン(グレーターロンドン)に限ると、2022年は32,947人、2023年は32,487人と微減。
2024年に入ってからさらに円安が進んでいるため、今年は日本人の留学生や駐在員の数は減るのか、それとも…?
まとめ:年内or年明けの総選挙にも注目
最初に述べたとおり、世界情勢が落ち着かない限り移民希望者は増えるばかりで、イギリスはビザ要件を厳格化して移民数をコントロールしていくしか術がない状況です。
また、イギリスでは今年の年末もしくは来年頭に保守党から労働党への政権交代が予想されています。移民の急増を望まない国民は多いため、ラディカルな抑止策が各政党の公約として出てくる可能性もあります。
まあ、公約に掲げても実行されるかどうかはわからないんですけど(笑)、いずれにしてもイギリスの移民政策はそう簡単に緩和されることはなさそう。また重要な変化があればこちらで記事にしますね。お読みいただき、ありがとうございました😊
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