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女性アスリートと婦人科健診・スポンサー

(共同通信社から地方紙向けに配信されている「千種ゆり子の空てんき」の2023年3月分記事です。共同通信社からは許可を得て、そのままの文章で掲載します。)



 2023年1月、大坂なおみ選手が第一子妊娠を発表しました。第一子出産時の母の年齢を日本と米国で比べると、日本では平均30歳なのに対し、米国では平均26歳。米国内としては平均的な年齢での出産予定となるようです。

 元なでしこジャパンの澤穂希さんは、米国でプレーしていた時、十代の頃から婦人科で定期的な検診を受けているチームメイトが多かったのを見て、日本との違いに驚いたそうです。技術はトレーニングや試合を重ねることで向上するが、月経困難症の不安や苦しみは努力や根性では解決できず、産婦人科医と気軽に話せる環境があれば救われる女性は多いと語っています。日本では、妊娠中・産後のトレーニング方法や、出産後も競技を続けている人、いわゆる「ロールモデル」についての情報も不足しています。まずは、女性アスリートが気軽に専門家に相談できるような環境整備が必要だと思います。

 身体的なサポートだけでなく、金銭的なサポートも重要です。2014~15年に女性アスリート約六百人を対象に実施された調査では、「スポンサー活動も女子だといつ結婚して出産するかわからないから、サポートできないと断られたことがある」という声がありました。文科省やスポーツ庁による調査で、対象はJOC強化指定選手、及び JOC 加盟競技団体の強化対象の選手。どれだけ男性の育休取得率が高まり、男女一緒に育児をすることが一般になっても、妊娠・出産に伴う身体、ホルモンの変化は女性特有のものであり、避けられません。だからこそ、それを踏まえてのサポートが求められま


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