WBC日本優勝で沸く中で、サッカーW杯の盛り上がりを思い出す
史上初の「冬開催」となったサッカー・ワールドカップ(W杯)。
開催国のカタールは、緯度こそ沖縄と同じくらいですが、気候は大きく異なります。いわゆる砂漠気候で、夏季は最高気温が40度を超えることも多い。柔軟に冬開催に変更したことは素晴らしいです。
しかしながら、3つ、気になる点がありました。1つ目は、過剰にも思える空調です。今大会は空調設備を備えていたことがアピールされましたが、観客からは「寒い」という声が出たのです。もちろん服装や出身地によって体感の差はあるものの、空調の設定は22~23度だったとのことで、本当にその温度になっているなら、座っている観客にとっても快適だったろ
うと思います。私は「設定温度」と「実際の気温」の間に差があり、冷房が効き過ぎていたのではないかと思いました。
2つ目は、そういった空調にも用いられている電力についてです。FIFAやカタールは、砂漠に新設した太陽光発電でスタジアムの電力を賄いつつ、排出された温室効果ガスについては、別の吸収活動で埋め合わせるなどして、カーボンニュートラルで運営されていると主張しています。しかし計算が過小であると指摘する研究者もいて、厳しい目線が向けられています。
3つ目は、スタジアムの建設に関わった外国人労働者の待遇です。給与支払いの遅延、雇用契約の途中解約が報じられており、問題視されています。
今大会の人権問題は氷山の一角で、不当な扱いを受けている外国人労働者は世界中にいます。日本に輸入されている安価な商品の影には、そういった犠牲があるかもしれない。そういった目線を向けることも大切だと思います。