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舞台「Solliev0」感想
舞台「Solliev0」、感想を書こう……と思いながら、上演からもうずいぶんと経過してしまっているのですが……。
内容よりも何よりも、キャパが圧倒的に足りていないのでは?というのを感じました。
先日、座席の細分化に関しての話が記事にもなっていましたが、これはもう細分化とか言うレベルの話ではなく……純粋に「行きたい人の人数に対してあまりにも座席が少なすぎる」ことが原因でチケットが高騰しており、いいことではないな……と見ていて感じました。
転売は悪だ、本当に行きたい人が行けなくなる……というのがチケット転売を語る際によく出てくる意見ではありますが、チケットの高騰には3つのパターンがあると感じています。
ひとつ目はいわゆる「前方にどうしても入りたい人が前方を高額で売買する」ようなもの。
そしてもうひとつが今回のようなキャパがあまりにも足りないがゆえに、ファンの間で高額転売が横行してしまうものです。
多くの人が転売と聞いてイメージするような、ダフ屋のような業者が買い占めて一般の人が入れない……というような転売は今はほとんどないのではないかと思います。
1番目を解決するのが前方を高額にするというやり方で、2番目に関してはキャパを適正なところまで広げれば解決するのではと思われるので、これは制作側の努力である程度コントロールできるのではないかとは常々感じています。
配信やソフト化などはもちろん救済のひとつではあるのですが、昨今の興行チケットの売れ行きなどを見るに「特定の役者を生で見たい」と感じている層はそれでは満足しないのでしょうし、そのような売り方を是としている以上は対応していくしかないのではないでしょうか。
普段は舞台を見ていてそこまで考えることはほとんどないのですが、今回は舞台版のキャスティングも含め「大人の事情」を感じる部分も多く、ついそちらに意識を持っていかれてしまいました。
Solliev0をご覧になられた方なら分かるかと思うのですが、舞台版では突然新キャラが追加され、TV版では端役だった人物がメインどころに昇格するなどしています。
ただ、それでも内容的には主演の二人の物語であって、ドラマから続く完結編でもあるので、追加されたキャストのファンからすると「突然巻き込まれた」ような印象は否めないのだろうとも感じました。
今はどこの舞台も「どうやって集客しようか」と考えていますし、2.5次元出身の若手俳優がそれ以外のどこで活躍して行けるのかというところを模索されているのだろうとも思うので、そういうことをやりたかったのだろう……というのは感じるのですが、舞台が好きな人たちはやや置いてけぼりで、映像から入るようなライト層もチケットの倍率の高さで振り落とされ……で、今回の興行単体で見ればおそらく悪くはないのだろうと思うのですが……。
今後のスタンダードにするとして、何かメリットがあるのだろうか? というところは少し、気になります。
内容に関してはあまり語るとネタバレになってしまうので控えますが、イメージビジュアルと衣装が大幅に違う理由は見てみるとよくわかりました。凝った衣装で毎回あれは用意が大変だからですね……。
品川ホテルClub eXは円形のステージの周りに客席が配置されている構造なのですが、基本的にはフラットなので舞台上は見づらいです。5列目程度でも自分のいるところとは遠い側で通路演出があると何をしているのかまったくわかりません。よほど座高の高い方でない限り、見るのが目的ならソファ席や2階席が快適です。
ただ、通路演出がある場合には本当に真横や真後ろを俳優さんが通るので、それに魅力を感じる場合には通路も選択肢としては悪くはないかと思います。
今回は演出の中に、天井から伸びている鎖を使うようなものがあり、それはちょっと面白かったです。吊るような演出は通常の舞台でもありますが後ろや真横のほうから見られるのはそれはそれで新鮮でもありました。
そういう、円形であることを生かした演出には向いた会場なのだろうとは思いますが、やはりライブ等のほうが向いていそうです。せっかく設置してあるミラーボールなども通常の舞台ではあまり使われないでしょうし……。
作品そのものはおそらく昨今のBLドラマやブロマンスの流行などを受けての内容かと思うので、そういうものが好きな方には刺さる内容かなと思います。
イメージビジュアルが出るたびに平成初期の雰囲気などと言われていましたが、そういう頃の男子がたくさん出てくる系統の非BL系コミック(当時はブロマンスという言葉もなく、2000年代初期には女性向け少年マンガなどと呼称されることもあったようなジャンルや、恋愛もの一辺倒になる前の少女漫画にあったような男子キャラクター多めで恋愛要素のない作品)などが好きな方向けなのだろうと見ていて感じました。
一番上にも貼った通り、Blu-rayはTV版と舞台版が全部一緒になっているので、まとめて見たい方は手軽で良いかと思います。まずはちょっとだけ……という方はTV版は各種配信サービスで配信されているので、試し見もできます。
ここまで書いていて気づいたのですが、上演後にも映像を売ろうと思うと確かに試し見のできるのは強いなとは思うんですが……そうすると、やはり「息の長さ」で言うとスマホのゲームや連載中のマンガのほうが長いんですよね……。
昔はアニメやドラマが全体的に長期間放映されていたので、途中から入ってくる新規もいたりして、そもそもコンテンツ自体の寿命が長かったのですが今はアニメでもドラマでも複数クールものも分割されてしまって難しくなってしまったんですよね……。
ヒットしてから次を作るようになったと言いますか……、全体的に制作側の体力が落ちているところに日本の景気が悪くなったのを感じて、少し寂しい気持ちです。