Sunday’s Book 37「今日と同じ明日は来ない」
★Sunday’s Book★
明日が憂鬱な日曜日に、読んだらほんの少しココロが前向きになれるような
「心の体温が上がる」本をテーマにご紹介します。
<37冊目>
タイトル「ツナグ」
作者:辻村深月
いつも通りの今日が、明日来るとは限らない
そう、改めて思い知らされる日々
令和という新しい時代が始まったあの日
こんな1年後が来ることを誰が予想しただろうか。
未来なんて、誰も分からない。ましてや、死の予定など。
残された者は
突如訪れた死に、なすすべもなく呆然としてしまう。
突然の死。
大切なひとに、もし、もう一度出会えたら。
聞きたいこと、一緒に叶えたかったこと
もう2度と知ることのできないことを
たった1度だけ、確かめられるとしたら。
生きているものと、死者を会わせる男「使者(ツナグ)」。
ただし、会えるのは人生でただ1人だけ。
自分だったら、誰に会いたいだろうか。
何を聞きたいのだろうか。
つい、考えながら読んでしまう。
作中の、ツナグに頼んだ人々は
もう一度会うことで、思い残しが解消されることもあれば、
逆に一生背負っていくような後悔を負う再会もある。
未来がわからないのは、死者と会った時も同じ。
会えば良いってものでもないのが苦しくて
だけど、やっぱりそれでも「会いたい」と思える人と過ごし
死んでもなお「会いたい」と思われる人でいたいな、とも思う。
私たちはすぐ、日常にごまかされてしまうけれど、
決して今日と同じ明日はやってこない。
今、当たり前にある幸せを、こぼれ落とさないように。
今、できるはずのことを先延ばしにして、2度とできなくなる前に。
コロナが世界中に広がり、世界が一変した今だからこそ
何だか色々と考えさせられる本でした。
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