桃始笑(ももはじめてさく)季節を前にして
春が少しずつ近づいてきていますね。
三寒四温とはよく言ったもので、まだまだ寒い日も来ますが、日中の暖かさに、春の花たちも少しずつ綻び始めています。
先日はひとりカメラ部活動として、梅を撮りに行きました。
相変わらずいい香りがして、美しかったなあ。
(カバー画像はその時撮った写真の一部です)
ここからは桃の季節。そして桜へ。
1)桃始笑(ももはじめてさく)とは
タイトルの『桃始笑』は七十二候の1つ。
3月10日から14日頃をあらわす季節の名前です。(ちなみに今は蟄虫啓戸)
他にも、七十二候には桜や牡丹、紅花、蓮、菖蒲などいろんな花が登場するのですが、「花が開く」という意味の表現は実に多様です。
桜始開(さくらはじめてひらく)、牡丹華(ぼたんはなさく)、紅花栄(べにばなさこう)、など。
その中でも『笑う』が個人的には秀逸だなと感じて、好きなのです。
長くモノクロな冬を超えて、世界にいろどりが戻ってくる春をあらわすとってもいい表現ですよね。
(同様の表現で「山が笑う」もとっても好きです。)
(もちろん冬はモノクロなだけではなく、いろんな色もあるし、冬だから見れる景色も大好きです)
この花が開くという1つの動作でも、さまざまな言葉を充てることで、「花」という抽象化されたものではなく、桜・桃・梅という1つ1つの種に表情を持たせる表現方法は日本語の大好きなところです。
そもそも、季節を72にも分けようと思うのも、すごくないですか?
ここ↓にあるように、元々、暦は中国から来たものですが、七十二候は日本で独自の進化を遂げているようです。
中国の七十二候と比べてみると、圧倒的に花の表現が多いのが日本の特徴のようです。(花に関する季節は中国は3、日本は9。逆に鳥が出てくる季節は中国が22、日本が10と違いが見られます。)
世界が驚くように、1200年前から桜の開花を記録し続けている日本なだけあって、季節の移り変わりを自然とともに味わい、表現してきたんですね。
この季節を迎え、梅の花を愛でに行ったり、桜の開花にソワソワしたりするのは、私も歴史を受け継いでる日本人だなあと思ったりします。
2)愛知に伝わる桃の節句の郷土菓子『おしもん』の思い出から
この季節になるともう1つ思い出すのが、祖母との記憶です。
母方の祖母は名古屋に住んでいたのですが、毎年この季節になると『おしもん』を一緒に作っていました。おこしものともいうらしいです。
レシピは至ってシンプル。材料は米粉と熱湯。
米粉に熱湯を入れて耳たぶくらいの硬さに練る → 型に入れる → 蒸す
以上。
色粉を使ってアレンジすることが楽しくて、小さい頃は粘土細工のようにいろんなデザインを作っていた気がします。
自分がどんなものを作ったかの記憶は全然ないけど、その時の空気や雰囲気はすごく覚えていて、曽祖母、祖母、母、姉と過ごした何気ない時間だったけど、今となっては思い出すだけで、胸がぎゅーっとなって、泣きそうになる宝物のような思い出です。
思い返せば、曽祖母も、祖母も亡くなり、名古屋の家がなくなるときに母に唯一お願いしたのが、「おこしものの型をもらってきて欲しい」ということでした。
あの時間も確かに私の一部だし、他にもたくさんの、何気ないけど、かけがえない時間の積み重ねによって、今の私ができている。
そんなことに気づいた2022年の桃の節句でした。
3)3月5日で35歳になりました🐰トランジションな歳になる予感です。
そして、3月末に引越します!
6年半暮らした島根を離れて、旦那さんのいる愛媛県西条市へ。
入籍3年目にして初めて同居。別居婚の終了。
不安も楽しみも、たくさん。
島根に来たときは、職場にしか知り合いがいない状況で、
今度は、旦那さんしか知り合いがいない環境。どうなることやら。
四国・瀬戸内の皆さん、ぜひとも遊んでください^^
島根の皆さん、3月中にぜひ会いましょー!!
さらに、引越に伴い、仕事も変わります。
今の仕事を遠隔で続けるという選択肢もないわけではなかったですが、ここ数年でいろんな環境が変わってきたことや、家庭のポートフォリオを考えると、この選択かなあと思って、決めました。
何をすることになるかは、まだ曖昧なところもありますので、形が見えてくるであろう、4月以降にでも。
4)何はともあれ、日々を楽しみ、味わっていきたい。
35歳は『何気ないけど、かけがえない時間』を丁寧に積み重ねながら生きることを心がけて、暮らしていきたい。
けど、もうそろそろコロナ明けてもらって、いろんなところに出かけたい!
旦那さんともいろんなとこ行こうねーと話しているので、
ぜひお友達の皆さんのところへ。
35歳もどうぞよろしくお願いします!