何歳になっても学べるで
尊敬する祖母の妹さんから貰った言葉だ。
祖母の妹さんの名前は以下おみつさん(仮)とします。
私は大学へは行けなかった。我が家の経済状況が逼迫してた為、親から行ってくれるなと頼まれたからである。なので私は高校入学時に大学進学を諦めた。
これは私にとって大きな挫折の一つだ。
高校卒業後、私はすぐに働いた。
大学生活を謳歌している友人達を妬むことはなかったけれど、ただただ羨ましかった。
そして次第に学歴に対するコンプレックスを持つようになった。
私はおみつさんの本家の近くに住んでいたので、彼女はついでにと我が家まで遊びに来てくれる。
おみつさんとは年の差50以上あるけども、どれだけ話しても楽しい。
ある日おみつさんが一冊の本をくれた。
「ユリエちゃん、学ぶのはいくつからでも出来るんやで。それに人間頭使わなすぐボケる。この本から初めてみな」
それは100ページ以上ある数独の本だった。
ふとした会話で、密かに抱えていた私の学歴コンプレックスに気づいたそう。
「これ、やり終えたら遊びに来てな。その時には私は英語ぺらぺらかもよ」
お歳83のおみつさんは、英会話を習い始めたらしい。
教師がなかなかにイケメンなのだそうだ。
その日以降私は大好きな彼女に会いたくて、初めてのナンプレに苦戦しながら、必死に問題を解いた。
全問解いて会いに行ったら、彼女は爆笑して、また新しい一冊を渡してきた。
彼女は私がやり遂げられると信じて、既に次の本を用意していたのだった。
「やろうと思えば出来るもんやろ?でもな、無理したらあかん。自分のペースでやりなはれ」
夜中まで夢中で解いて、寝不足になっていた私。
おみつさんにはお見通しだったようだ。
彼女のバイタリティーと受けた言葉は、一生忘れない。
諦めた大学入学。50になってもいつか叶えたいと思っている。
おみつさんが、「やってみたらええ」と言ってくれている気がする。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?