ぬか床の勧め(レシピ無し)
部屋の中で、突然、強風を感じる。
ベランダの窓を開けっぱなしだったようだ。
ふと、キッチンを覗くと、魚焼きグリルが燃えている。
「火事になる!!!!」
焦った瞬間、目が覚めた深夜3時過ぎ。
心が安定していない時間の流れに居るのかもしれない。
TVをつけたら、民放が総て放送中止。
こんな日は初めてだ。深夜のショップサイトすらやっていないなんて。
キッチンに行って、ぬか床の蓋をとる。
そろそろ、夏が終わる。足しぬかをしよう。
漬けてある野菜を全て出し、ボウルに移し替え、
床樽の周りを軽く拭く。
新しい糠、コップ一杯に、塩を小さじ1程度。
こんな動作一つで、ドキドキしていた心が治るから不思議だ。
決して混ぜすぎない。
時々、かまってあげればいい。
上部の色が変化したら取り除いてあげればいい。
日本は沈黙が金の文化。
イタリアは、言葉を発すべき文化。
相手を注視し、相手の事を汲み取るなんて、
それも誤解のないように、間違わないようになんて
長年、連れ添ったとしても、ただの感でしかないかもしれない。
イタリアでは不可能だ!?
いや、日本でも不可能ではないだろうか!?
この何も語らないように見えるぬか床ですら、
態度に表す。
漬かった野菜達も美味しくなったり、不機嫌になったりする。
語りかけなければ、傷んでダメになってしまう場合もある。
ぬか床も漬かる食材も。
足しぬかをするために、掘りだしした野菜は、
キュウリ、大根、人参と古漬けから新参者まで勢ぞろい。
酸っぱくなった古漬けは、古漬けチャーハンにすると旨い。
塩抜きして、ゴマや薬味と和えて、お酒のつまみにも最高だ。
新参者君達は、明日のお弁当に入れて行こう。
野菜の熟成保存庫になるぬか床の勧め。
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