フリーハグ
また人と会えない日々。
誰のせいでもないけれど。皆んなが同じ状況だけど。どうして、なんでと辛い思いが溢れる。
私は地元から離れて一人暮らしだから、今感染するわけにもいかず、とにかく人と会わないという生活を選択している。
上京したときは、きっとこっちにはたくさんの人がいるから、たくさん出会って、お話しして、自分は成長できるんだと信じて疑わなかった。
まさかこんな日々になるなんて。
でも。誰のせいでもないから。
誰も何も責められない。
初めての土地で、初めての1人で。いくらインターネットが発達しても、家族やお友達とリモートで顔を合わせても、通信が切れたらまた1人。
これ以上辛いものはない。
私の居場所はここにはないんだと。
この間、友達の結婚式にお呼ばれして2年ぶりに学生時代のクラスメイトに会った。みんな働いて、後輩もたくさんできて、仕事にプライベートに充実しているように見える。
地元のコミュニティに入ると、もう私の居場所はここにはないんだと疎外感を感じる。
私の居場所はここでもない。
外にも出られない。雨も降っている。
小さな部屋で1人。テレビをつけてコーヒーを飲みながらYouTubeを観る。毎日観ているから、もうどんなジャンルも見飽きてしまった。
ふとある動画が目に止まる。
『フリーハグ』
日本で外国人が。外国でで日本人が。
Weの意見ではなく、Iのメッセージで。
「私はこの国が好き。私は信じている」と、時にはデモの中で、目隠しをして。
街の一角、いつもの日常の中に、なかなかなパンチの非日常。道ゆく人は全くその違和感に気付かない人もいる。違和感に気付いても、気付いたから、目を背ける人もいる。
そんな中で、勇気を持ってハグに向かう人、違和感を違和感と感じずにハグする人。何か変えようと動く人。
ここにもIのメッセージ、アクションがある。
ハグする人の笑顔が皆とっても素敵。清々しく、愛情に溢れる。透き通った涙。
この動画は高校生の時にも観たことがある。
その時私はこれまでの人生で1番辛い時で、人のことを信じることができなかった。今よりも孤独感を感じていたかも知れない。そんな時に観た動画。半信半疑で。こんな世界があったら良いなと思った。
今日たまたま観たその動画。あの時とは全く違う感情。こんな社会の状況だからか、自分が変わったからか。涙が溢れた。
外に出れば、きっとこんなに素敵な人であふれている。
今は家の中で過ごすのみ。悲観することはない。皆が家の中で心の中で素敵な思いを溢れさせている。
早くまたハグできる日を。