遠くて近い介護問題

今日も忌憚なく、書きます。

親はまだ若いのですが、ちょっとした病気やけがで、時々入院したり、手術したりします。
家族として、できるだけ支えたいなと思います。

が、今回はちょっと考えさせられました。

母がちょっとした手術で入院しました。
入院中は、基本的には付き添いは要らないのですが、看護師さん的には来て欲しいようで、何やら見張られてる感もあり、私は毎日、数時間、お見舞いに行きました。

そして、退院後、母ははやりの「術後うつ」というものになりました。
いわゆるプロ主婦だった母は、入院で何もしない生活を経験し、退院後は体調が戻るまで思うように動けず、そのうち、何をどうしたらいいのかもわからなくなったそうで、何もできなくなり、そのことを気に病み、また何もできなくなり、罪悪感に苛まれる…完全に負のスパイラルです。

本人的にもお出かけとお稽古が大好きだったので、いろいろチャレンジしていました。
でも、身支度をして、玄関のドアの前まで行くと、行けなくなります。
父は、ふだん全く家事をしないのですが、甲斐甲斐しく、掃除や洗濯や料理をこなし、母を支えます。

私が仕事を休んだり、休日を母のために使うことに申し訳ないと言いながらも、近くにいてくれてよかったと言います。
みんながお互いを思いやるのですが、それがお互いの首を締め合う…
放っておけばいい、と思われるかもしれませんが、近くにいて、見て見ぬ振りはできません。

私には兄弟もいて、跡を取るのは私ではないはずだけど、お金はサポートすると言って、全く手伝ってはくれません。
男の子だと、生活のために働かなきゃで、今どき、奥さんは義理の親の介護なんてしないし、子育てもあるし、実際、介護なんて無理。

私よりもずいぶん年上で、ご両親の遠距離介護をされてる友だちは、へろっへろです。
施設を利用しても、昭和世代の親は遠慮して、逆にけがをしたりしてしまったり、遠くにいようが、仕事をしていようが、自分の家庭があろうが、わがままを言う…
特に娘には…
結果、介護って女の人の仕事になってしまう…

あぁ、これが介護か…

擬似介護体験で学んだこと。

1. 育児は職場でも認められつつあるけれど、介護は認められない
2. 子どもは成長とともに自分でできることが増えていくけれど、親は徐々に自分でできないことが増えていく
3. 家族はいても、あてにはならない
4. 昭和世代は、他人様にお世話になることを極端に嫌がるので、見えないところでかなり家族が犠牲になる

政府は介護は家族で解決、と言ってるみたいだけど、子育てと同じくらい、介護問題にも注力してほしいです。
ま、政治家さんはいい施設に入れるから、そんなの問題じゃないのかもしれませんが、庶民には切実な問題です。

あくまで個人の見解です。




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蘭
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