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急成長するIVRyでエンジニアチームが体験した3つの拡大

IVRy(アイブリー)のエンジニアの yuri ( @yuri_ivry ) です。

この記事は 株式会社IVRy 白組 Advent Calendar 2023 の3日目の記事として記載しています。
白組の昨日はフロントエンドエンジニア タカイ さんの「FigmaのプロトタイプからGIFアニメを作る方法を3つ考えた。」でした。
白組の明日は PdM 高柳 くんのプロダクトマネジメントに関する記事の予定です。

紅組もやってます。


はじめに

IVRy は2023年も大きな成長を遂げました。
本記事では、プロダクト開発チーム、とりわけエンジニアを中心に、3つの角度から拡大の様子を振り返ります

特に、下記のようなフェーズのエンジニア組織をマネジメントしている方を想定読者としてイメージしながら書いています。

  • シリーズB期の BtoB SaaS 企業

  • 1つ目のプロダクトが PMF を迎えた

  • エンジニア数が10名を超える


本記事のヘッダ画像は、IVRy で今年とある大きな機能をリリースした日の、本番環境での動作確認風景です。
窓からスカイツリーを望む元浅草のオフィスで、エンジニアやプロダクトマネージャ(PdM)のみんなが楽しそうに検証している様子がとても印象深く、今年の IVRy のプロダクトチームを象徴する1枚として使ってみました。



拡大その1: エンジニアチームの拡大

IVRy の正社員エンジニアの人数は、2022年末の6人から2023年末には15人まで増えました。
たくさんの優秀なエンジニアが、新しいキャリアとして IVRy での活動を選んでくれています。
会社全体の正社員数も18名→58名という拡大をしており、事業もチームも「T2D3」するんだということを身をもって実感する1年でした。

エンジニアチームを構成するメンバのバックグラウンドや積んできた経験も多様化し、 IVRy の既存のカルチャーとアウフヘーベンしていく感じが最高だなあと思う毎日です。

昨年のシリーズ A 期までは、Founder であり PdM でもある奥西が考えたものをエンジニアが作るという空気も残っていました。
今年は、PdM やエンジニアがそれぞれの専門性を発揮しながら、奥西を含めた社内外の想像を超えたものづくりをするステージに移った1年だったとも感じています。

一方、この先エンジニアについてはヘッドカウント増加を単純に志向することは考えていません
こと BtoB SaaS の開発では、顧客からの多岐にわたる要望を叶えるべく、エンジニアの人数拡大を志向してフルリモートやオフショアを含めた体制づくりを行っている企業も多くあります。

IVRy は事業規模に対して線形でエンジニアの人数を増やすことは考えておらず、そうしないための組織やシステムづくりを継続して進めていきます。
具体的な話題が来年のアドカレ等で話せたら面白そうだなと思います。

※ そうは言いながらも、足元では未だもう少しエンジニアを増やしたいと思っているので、よろしくお願いしますw



拡大その2: プロダクトラインナップや機能群の拡大

プロダクトとしての IVRy は、電話自動応答 SaaS として知られてきていると思います。
今年は、それ以外のプロダクトラインナップや、電話の自動応答を取り巻く様々な機能群が拡大した1年でもありました。

記事執筆時点で公にできているものを取り上げながら、それらを作る上でのエンジニアチームの変化をご紹介します。

電話自動応答のIVRy

1つ目のプロダクトであり現在の柱である IVRy は、2023年8月末で累計の着電件数が1,000万件を突破しました。

IVRy 導入による有人での電話対応に関する想定総削減時間は83.3万時間超(詳細は記事参照)となり、これまでに日本社会を良くしてきた価値の大きさを実感をする機会となりました。
電話というチャネルの社会インフラとしての責任の大きさも感じ、利用拡大が進んでいっても引き続き安定したプロダクトを提供し続けるぞ、と身の引き締まる思いを持ちました。


電話番号検索サイト

実はメディア系のプロダクトも複数持っています。

実生活において、電話関連でインターネット検索を使う代表シーンの1つが、「着信履歴にあったこの電話番号、なんだろ?」だと思います。
IVRy では、電話番号、業界、地域、企業名から検索ができる電話番号検索サイトも運営しています。

マーケメンバとエンジニアで日々 Google Search Console の数字を見ながら改善を重ねていくプロセスは、SaaS の機能開発とはまた違う種類の面白さがあります。
技術的にも面白いチャレンジを複数しているので、またどこかの機会で紹介できたらなと思っています!


CRM

フロントオフィスの DX を推進するためには、電話の DX だけでは到底不十分です。
IVRy では問い合わせフォームなどの機能も展開しており、顧客管理(CRM)ができるようになっています。

マルチプロダクト・コンパウンドな展開を行う上で、データやアプリケーション境界、インフラ構成などをどうしていくべきかを考え、変えていくきっかけになりました。


技術検証系

2023年はなんといっても ChatGPT を始めとする LLM の存在感が高まった1年でした。
IVRy でも持っているアセットに LLM を組み合わせた価値検証をいくつも繰り返しました。

電話と組み合わせることで ChatGPT に対して文字を入力しなくても利用できるようにしたり、CoeFontさんと共同で有名人のAI音声と電話ができるようにしたりしました。

IVRy のプロダクトとは一見すると関係ないですが、普段から使っている技術的なアセットを活かしつつライトに開発・提供できたこと、技術検証のプロセスや基盤が日に日に洗練されていったこと、そしてそれなりにバズって使ってもらえたことから、やってよかったなーと思っています。


AI電話システム

電話自動応答にももちろん LLM を活用し始めました。

ChatGPT を活用し、幅広い問い合わせと予約への自動対応を可能にするAI電話システムを開発し、試験提供を始めたのが今年の6月。
11月には、リクルート社の予約台帳アプリ「レストランボード」と IVRy のAI 電話システムを活用した、AI による電話予約自動化の実証実験も開始しました。

これらを開発・運用する過程で、AI を活用した IVRy なりのプロダクト開発のやり方も少しずつ見えてきています。
PoC や自社利用ではなく、あくまで BtoB SaaS として実務利用していただける機能として提供することを目指しているため、世の中にまだまだ知見が多いとは言えず、自分たちにとっては挑戦しがいがあると感じています。

IVRyのAI開発は大きく3つのフェーズに分かれます。まず、予約など固定化された機能をドメインごとにリリースし、使えるようにしていくこと。次のフェーズでは、町田が言うようにAIを用いたシナリオ設定をお客様自身が設定できるようになること。その次のフェーズでは、UI/UXの工夫であったり様々なアルゴリズムを駆使して、お客様がシナリオを設定する労力を最小化したいと考えています。

LLMの技術をすべての人に届けるために。IVRyでAIシステム開発に挑むエンジニアチーム|IVRy(アイブリー)公式

※ 余談ですが、古巣のリクルート、それも退職時に担当していた飲食事業領域とのコラボは個人的に大変嬉しい機会でした!

自動応答の多言語対応

インバウンド観光需要の復活もあり、多言語応答ができるような機能強化も進めています。

IVRy のコア機能である自動応答について、言語や音声生成モデルといったいくつかの要素を固定していた作りを見直し、改めて「自動応答とはなんなのか?」を理解・分解・再構築するいい機会になっています。

「IVRy、実はプロダクト結構あるんだな」「その人数でどうやってんの!?」と思っていただいた方は、下記の記事もご覧いただければと思います。



拡大その3: 対外活動の拡大

CTO コミュニティへの参加

CTO コミュニティのイベントに参加させてもらう機会も多くありました。

9月に福岡で行われた CTO Night & Day では、前夜イベントを含めた3日間、スタートアップを中心とした様々な企業の CTO、VPoE 等の方々と密度の濃い時間を過ごすことができました。

参加者の方々が素敵な記事を公開されているので、いくつか紹介させていただきます!

先日大バズリしていた堀井さんのセッションも現地で興奮しながら聞かせてもらっていました。

なお最終日は朝4時まで居残って飲んでました。本当に楽しいイベントなのでおすすめです。

日本CTO協会にも関わり始めることになりました。
先日の #ThanksGivingDay2023 のワークショップでは今年の Fail & Learn についてシェアしディスカッションを深めるなど、コミュニティ内での知見共有に携わることができ、良い機会となっています。


共催イベント・ウェビナー

会社としては外部共催イベントをたくさん実施させてもらう1年でした。

エルボーズさんとのイベントでは IVRy のプロダクト開発について深掘って紹介しました。

YOUTRUSTさんとのイベントでは、それぞれの会社の Rails のコードを公開することで同じところや差分を共有しあうことができました。

Sansanさん, Ubieさん, LAPRASさんとのイベントでは、LLM をプロダクトに組み込む際の各社の実践的な知見を共有しました。

本記事公開の2日後には、LayerXさん, PKSHA Technologyさんともイベントを開催しますので、よろしくお願いします。
AI 関連の取り組みも目立つ各社ですが、そんな会社でのソフトウェアエンジニアのお仕事について紹介するというイベントで、かなり面白い角度だと思います。

来年以降も対外イベントの開催や参加を通じて、IVRy の取り組みを発信したり、コミュニティと知見交換を行ったりしていければと思います。



2024年に向けて

来年は間違いなく IVRy が「見つかっちゃう」1年になります。
プロダクトもチームも人も、非連続な進化を遂げるのがもうみえており、とてもワクワクしています。

急成長する事業・会社に身を置くことでしか得られない経験がきっと来年もたくさん待っていると思うと、楽しみでなりません。

来年も IVRy をよろしくお願いします。


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