Yuri in Deutschland

2022年10月よりドイツの大学に正規入学。 ドイツでの学び、人との交流についてのエッセイをたまに書きます。

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日本に一時帰国した話(自宅編前編)

昨年の10月に祖父が亡くなり、私自身もストレスを溜め込みすぎて鬱傾向が悪化してしまったので、仏壇への挨拶とリフレッシュを兼ねて年末年始に日本に帰省しました。 フランクフルト国際空港から北京を経由して羽田へ 往復の便は中国国際航空を使いました。 父曰く、ロシア上空を通過できるから今一番速いよ、と。 実際、乗り換え時間を含めても移動時間は直行便と変わらないくらいだったと思います。 初めての中華便だったので不安もあったのですが、搭乗してからすぐ、甲斐甲斐しいCAさんたちの様子を

    • 【旅行記】ハンブルグとリウ

      8月頭の休日に北ドイツの港町、ハンブルグに行ってきました。 初めて行った場所なのにどこか懐かしく、学校生活を過ごした横浜の街を思い出しました。 今回ハンブルグに行った主な理由は、親友のリウに会いに行くこと。普段は田舎にこもってなかなか街に出てこない彼女と久々に二人きりで過ごした時間でした。 美術館でのあれこれハンブルグにはとても大きく、さまざまな絵画を所蔵しているくKunst Halleという美術館があります。どこかの街に行ったら必ずそこの一番大きい美術館を訪ねることにして

      • 食事と愛情の深い関係性について

        先日インスタグラムで、アジア系コメディアンのリールを見た。中国人の両親を持ち、(おそらく)アメリカで育った彼が自分のアイデンティティのために経験したことについて漫談するスタイルのようで、彼のよく使う主語は”Asian parents”である。Asianなんていう大きな形容詞を使っていることに抵抗はあったものの、投稿の一つに考えさせられるコメントがついていたので、今回は、それについて書き留めておこうと思う。 A Love Language=…その投稿は、そのコメディアンの友人

        • ホルモンに逆らえない

          数年前、心療内科にていろいろな検査を受けたところ、躁鬱傾向のある感情障害と診断された。 処方された薬はセロトニンを操作するというものらしく、幸運なことに私の体にも合っていたので、フルタイムで働いていた一年ほどはその薬にお世話になっていた。 少量のため、多少のプラシーボは否定できないが、その薬を摂取することで明らかに生活はしやすくなったし、何よりも当時の恋人と安定した関係を築けていたのは、明らかな変化だったと思う。 ドイツに来てからは、同じ薬の取り扱いがなかったため、泣く泣く

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          The Breakfast Club (1985・米)

          春休みの終わり、いつか見ようと思っていた映画『ブレックファストクラブ』がネットフリックスに上がっていた。その日はあまりいい気分じゃなくて、無意味に、これから始まる新学期のことを考えて悶々としていた。 むしゃくしゃしながら煙草を二本吸った後、ベッドに倒れこんで見たその映画に、心が洗われた気がした。ジョンたちと一緒に泣きながら、人生で遭遇する理不尽さとどうにもならない無力さ、それでも友と一緒だったら笑い飛ばせる、そんな描写に胸が震えた。 この映画を見て考えさせられたことをまと

          The Breakfast Club (1985・米)

          【ポストC1】一学期目を振り返って【ドイツ留学】

          私は今ドイツの大学に正規生として留学しているのですが、三月末に無事一学期目が終わりました。成績は鬼のように悪かったですが、単位は無事とれているのでひとまず安心して、四月半ばの夏学期の始まりに向けて英気を養っている今日この頃です。 1.前置き 今回はC1の資格を得て、大学に入学したその後の私自身の語学力について、備忘録がてら振り返ってみようと思います。 C1とは大学入学に必要とされる語学レベルではあるものの、ドイツ語についてはC1以降が本番だなどといわれることもあるようです

          【ポストC1】一学期目を振り返って【ドイツ留学】

          できないことの多さ/異国で好意を持ってくれる人とどう向き合うべきか

          いままで、私はできる側の人間だった。 本から、経験から、学んだことを多少の努力をしながら実践的に運用できるタイプだった。 でも、異国に来て同じことをしようとするとそうはいかない。 そりゃそうだ。文化も違う、言葉も違う。 日本文化ベースで学んだことはほとんどなんの意味も持たない。しかも、どうすればそんな経験を積めるのかなんの検討もつかない。 私は、特に、自分の外面磨きや、他人から見えている自分の印象をコントロールすることに執着していた時期があった。 よくハブに行ったり、なん

          できないことの多さ/異国で好意を持ってくれる人とどう向き合うべきか

          「女」という標識

          ドイツに来て、何よりも気楽なのは、男の子ともお互いに一人の人間と認識して交流できることです。 女だから、といって区別されることもなければ、女だから、といって容赦されることもありません。 逆に、男だからといって無意味に対抗心を燃やす必要もありません。 日本のことを男女不平等な社会だとは思いません。でも、性別の役割が未だ強く残っていて、性別を理由に選択肢が変わったり、人生設計が異なることが多い社会です。 その中で、性別は生きやすくなるための武器にもなり、逆に生きづらさを強め

          「女」という標識

          自己主張をすること/友人が教えてくれたこと

          ヨーロッパで一年以上を過ごしても、私にとって自己主張をすることはあまり簡単なことではありません。私の妹もそういう類の性格で、私と比べられて育ってきたせいか、もともとの気質なのかはわかりませんが、私よりも何かを伝えることが苦手で、自分とコンタクトを取ろうとする相手に対して、常に警戒心をむき出しにして怯えます。自分のやりたいこと、言いたいことを積極的に伝えようとしません。そしてうまく伝えられないことを後悔し、さらに消極的になってしまうのです。 今回は、そんな私の妹に向けて記事を

          自己主張をすること/友人が教えてくれたこと

          コンプレックスから目を逸らしがち

          3月に予定あったら会えるかもね、と話していた友人と会えないことが確定してしまいました。 寂しい反面、少しほっとしている私がいます。 友人は日本とハーフのスイス人で、同じ語学学校に通っていました。私より年下なのに、大人びていて、聡明で、早熟だなあと交流するたび感心していました。しかし、感心するだけでなく、私は彼に嫉妬もしていました。彼はなぜかひどく私のコンプレックスを刺激してきたのです。 伊独英の3カ国を操り、日本語もわかって、(彼は私の前で日本語を話すことを怖がっていた

          コンプレックスから目を逸らしがち

          ボーイミーツボーイ

          ※これは2023年1月6日に他アカウントにて投稿した記事の改稿版です。 久々にBL漫画を読んだ。 一定の人には嫌煙されがちなジャンルだけれど、私は名作も多いと思っている。今回またそう思えるものに出会えたので、紹介したいと思う。 Peyo著『ボーイミーツマリア』 なんのひねりもなさそうに見えるタイトルに、最初はなんの期待もしてなかった。帯には安っぽい掛け算の煽り文句。キンドルで無料じゃなかったら目を通すこともなかったと思う。 ある作品がBLというジャンルの中で発表されるこ

          ボーイミーツボーイ

          捨て去ったはずの過去と再び向き合うこと/記憶の放棄とその効用

          唐突ですが、私は一度記憶を放棄したことがあります。今までの全ての記憶を放棄して、これからの記憶だけで生きようと決意したのです。 辛いことがあまりにも重なって、毎日夜布団の中で昔の記憶を思い起こして、またさらに辛くなるというループが続いていたからです。 人は何かを思い出すたび、その記憶はフレッシュな記憶として常に脳に置かれるそうで、 それを繰り返す私は、過去の嫌な出来事を、毎日自分に再体験させていたんですね。 しかも思い出すたびその記憶は歪んでいきます。 これは一種の自

          捨て去ったはずの過去と再び向き合うこと/記憶の放棄とその効用

          私の大好きなアラブ人の話

          12月23日金曜日、私は語学学校で知り合ったシリア人の友人と、フランス・ストラスブールに出掛けた。ストラスブールの街はクリスマスマーケット真っ盛りで、節電が呼びかけられているドイツと違って、多様な電飾が私の目を楽しませてくれた。街の中心部にあるノートルダム大聖堂は、外から見ると荘厳なのに、中には繊細な芸術があって、何時間いても見飽きないと思った。 クリスマスマーケットに行った、とは言ってももうそれ自体には慣れっこのわたしたちであり、久々の再会ともあって、マーケットには目もく

          私の大好きなアラブ人の話

          人と関わる余裕もなくて辛いという話

          一日はどうして24時間で終わってしまうのかを嘆いたのは初めて。そんなことを言う人を理解できた試しはなかったし、いままで、一日の終わりを待つことは苦行とさえも思っていたのに。 今日はドイツでは祝日だった。なんの日かはよくわからないけど、宗教関係の祝日。講義やゼミの無いうちにと、週の予定に組み込めなかった発表の構想を練る予定だったのが、結局、ルーチーンでやらなければならない勉強に圧迫されて、参考図書の前書きしか読めなかった。そして貴重な一日が終わった。まだ明日提出の課題は終わっ

          人と関わる余裕もなくて辛いという話

          日本の英語教育が日本人に貶められる理由について

          0.前書き英語やドイツ語の動画を見るようになって、関連動画や関連投稿として日本の英語教育について物申す、といった内容のものが目に入るようになりました。日本での教育内容について批判的にまとめられているものが多く、門外漢ながらその内容について吟味してみたいと思い、この記事を書き始めた次第です。 1.日本人の英語力私がドイツに来て驚いたことの一つは、東京は国際的な大都市なのだから、そこに住む人々は英語を問題なく使えるはずだ、という方程式を成り立たせている人がいたことです。私は、残

          日本の英語教育が日本人に貶められる理由について

          ドイツで和食をつくるには

          0.前書きドイツで日本食を作るための覚書。 随時更新 1.一般的なスーパーで買えるもの・米(Milchreis) ジャスミンライスなども売っているが、日本米と同じ特徴のものはMilchreis。一番安いのは1€/500g(Ja!)。 ・醤油(Sojasosse) ヤマサ以外だと、hellとdunkelがプライベートブランドで売ってる。hellが日本でよく使うやつ。dunkelは小麦粉みが強くて、多分中華料理用。 ・米酢(Reisessig) これもプライベートブランドで

          ドイツで和食をつくるには