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モンテネグロのお酒「ラキア」とドイツのお酒「シュペヒト」を初めて飲んでから酒メタル。

 果物を発酵させて蒸留させてつくるセルビアの「ラキア」を飲んでみたくはじめて買ってみました。Amazonで売っていたのがモンテネグロ産、モモから作ったラキアのみだったので、とりあえずこれを購入。

 「モンテネグロ産(を買ったん)?!セルビア産のがおいしいわ(笑)」と言うセルビア人友達と「モンテネグロ産?一緒一緒どうせ一緒(笑)」と言うセルビア人友達の2人のほどよいテキトーさ加減とおおらかな反応見て、飲酒に寛大な文化を感じました。素敵。

○国家は違うけどお酒とことばは近い

 ラベルが全く読めなかったので代わりに読んでもらってふと、よくよく考えたらユーゴスラヴィアとかセルビア=モンテネグロ時代とか同じ国だったこともあったし、文化が地続きなのかと。モンテネグロ産のお酒のラベル、セルビア人も読めるんや、と。

 日本も韓国も、中国の漢語由来のことばもあって云々、ドイツもフランスもギリシャ語・ラテン語由来の文化もあって云々とか、ことばや文化の地域別の違いがわかりやすいからこそ近代以前と比べたりして繋がりと差異を見出すような地域にしかわたし自身が目を向けてこなかったし、あんまりにもアンダーソンの『想像の共同体』的な世界を生きていたから、脱アンダーソン的な可能性を感じたラキア体験でした。(脱アンダーソンが良いかは別問題。)

○アルコール度数40度の桃ラキアの味

 2人の友人いわく最も一般的なラキアはスモモ(Šljivovica)から蒸留されたものらしいですが、モモ(Breskva)のラキアはすごくあまぁーい香りがします。「この匂い好きー!」って思ったのもつかの間、ストレートで飲んでみたらやっぱり40度は強すぎる。アツい。

 桃の甘い香りするくせに40度にふさわしく喉の奥がやけるようにあつくなるし、蒸留酒らしいキレの辛さみたいなのがあるから、最初は頭が混乱しました。かわいい感じの香りやのに、味はかわいくない(笑)

 普段日本酒とかワインとか、高くてもアルコール度数15度16度くらいのお酒しか飲まないし、ウィスキーとかも基本ソーダ割であんまり度数の高いお酒にわたしの口が慣れていないのもありますが、冷凍レモンとお水で割って飲むのがおいしかったです。甘い香り楽しみながらもすっきりした味でちょっとアルコール感楽しめるくらいでちょうどよい。蒸留酒だから糖質も(きっと)考えなくていいのも◎

 いつも穏やかなセルビア人友人が「もしそのラキア飲んで残念に思ったりイメージと違っても、絶対にがっかりせんといて!おいしいラキアいっぱいあるから!たったその1本の経験であきらめんといて!」といつになく語気に勢いがあったので、いつか他のも試してみたいです。

 ちなみに各家庭での自家製ラキアを飲む文化があるらしく、「市販品よりアルコール度数たぶん高いよ」と。なんという国・・・梅酒漬けるくらいのノリで50度ちかいお酒つくってしまうだなんて。

○西洋梨のお酒・ドイツ産「シュペヒト」の味

 ラキアの話の延長で「Quinceでできたラキアもおいしいよ」と聞いて、Quinceを調べると「マルメロ」とか「セイヨウカリン」と。そもそもカリンになじみがないので、ボトルの絵を見て「きっとこれがQuince・・・?違う?あってる?」と思いながらたどり着いたのがドイツ産「シュペヒト;Specht」だったという経緯です。

 結局Birneの和訳は「梨」なのでまぁおそらくQuinceとは違うんでしょうけど、セルビア人が英訳したQuinceを東アジアの島国人が「セイヨウカリントハ…」となりながらドイツのBirneにたどり着いたからもう買うしかない。ちょっと誤配的な出会い感じました。

 香りは桃ラキアよりおとなしい。ストレートで飲むなら桃ラキアよりこっちの方が香りとアルコールのマッチ具合がよさそうな味がしたような気がします。これも40度のアルコールに喉とお腹が耐えられず結局レモン絞って水で割りました。果物由来の蒸留酒のせいか、レモン果汁との香りの相性がいいです。おいしい。レモン万能。

 度数の高いお酒は冷えている方がアルコール感が少しやわらいで、桃ラキアも梨シュペヒトもすっきり飲めた印象ですが、後味とかの香りの感じはこのシュペヒトの方が好みでした。

 まぁこれだけアルコール度数高いとあんまり一気にたくさん飲めないので、しばらくちびちびいろんな割剤とあわせて楽しもうとおもいます。この桃とか梨の甘い香りは果物とも相性よさそうで楽しみ。

○日本の法律上「製菓用」と書かれるブランデー

いずれも品目としては「ブランデー」なのですが、なぜかシュペヒトだけ「(製菓用)」と書かれていたのが気になり調べてみたところ、日本の税制上エタノール含有量によってこの表記があったりなかったりするとのこと。

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 果物を発酵・醸造させる性質上、わずかながらエタノールが含まれるらしい。日本ではヨーロッパ諸国よりエタノールのへの規制が厳しく、輸入酒にはこういった表記がされるらしい。こういう果物からお酒を醸造するよりも米・麦・芋からの醸造の方が文化的に多そうな雰囲気もあるしなぁ・・・。世界各地で各地のお酒の歴史と醸造方法があるうえに、各地でこういうニーズがあるからこそのこういった珍しい規制にあらわれるのかと、”酒外交”のポテンシャルの高さが見えたような気がします。

○余談(酒メタル)

 ”Vodka! Vodka!”と”Drinking is good for yooouu !!”の歌詞が耳に残る酒メタルことKorpiklaaniを聴きながら飲んでたのですが、酒メタルの可能性も無限大(笑)「Beer Beer」とか「Vodka」「Tequila」でも十分楽しんだけど、あの「Jaaaaaaegermeister, Jaaaegermeister」が許されるならぜひすぐに「Rakija」もつくれるんじゃないかと(笑)

 コルピファンのあいだで「つぎはSAKE」とか言われてたけど、Japanese Folk Metalというバンドがコルピのオマージュで作ってて愛を感じた。剣菱の一升瓶がギターになってた!なってないけど!笑

「酒だ!酒だ!」のリズムとミュージックビデオ最初の拡声器はVodka、途中の木から缶いっぱいぶらさがってるのはTequila、言わずと知れたWooden pintsのカオスな展開と、もうオマージュと愛があふれてた。ぜひともコルピとの対バン見に行きたい。

はじめて買ったお酒も楽しく飲めました。


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