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『幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない』心理療法ACT入門6⃣

<ACT よりよい人生を創造する知恵>

第2部 あなたの内面世界を変える

第6章 脱フュージョンがうまくいかない時は

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人生に変化を起こすもっとも効果的な方法は、人生を完全に受容することから始めることである

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魔女ラーニャ「ここでは、プレゼンを控えているジョンって方が、

『不安をなんとかするために脱フュージョンをしたけれど、不安は静まらないから、脱フュージョンはうまくいっていない』

と、相談に来たって内容から始まるの。」

猫マナ🐾「あれ?脱フュージョンは、ネガティブな感情は静めることが目的じゃないのよね?距離をとること、だよね?」

魔女ラーニャ「そういうことなのよ。ジョンさんは、脱フュージョンの目的をたがえていたのね。感情をコントロールすることになってた。

コントロール戦略の限界をラス・ハリスさんは著書で何度も書いているわね~。

コントロール戦略とは、望ましくない思考や感情を変化させるか、避けるか、あるいは追い払おうとすること。(p73)

うまくいくときはいいけれど、不適切に使用したり頻繁に使うようなことがあれば長い目で見ると、生活の質を損ねるような問題を引き起こしてしまうわ。

臭い物に蓋をしても中身はさらに腐敗をすすめるだけ。

病気でもなんでも根本的な治療を行うことが大切っていうけれど、ここでもそれが言えているのよね~。

ACTでは、不快な思考や感情の対処方法として、

逃げずに、闘うこともせずに、歩み寄ろうともせず、ただ認め受け入れる。

これが大切だってことを腑に落とすために、とてもいい例をあげてくれているわ~。

国境を挟んで隣国といがみあっているとする。隣国との関係は3つのうちいずれか。
1⃣1番まずいのが、戦争。資源、お金など、双方に大きなダメージ。
2⃣次に停戦。戦争よりまだダメージは少ないものの、水面下では憎しみが育っていたり、いずれは再び戦火を交える恐怖となるかもしれない。
3⃣完全なる平和。両国の違いを認め、あるがままの相手を許す。隣国が消えることはないけれど、好きになる必要もない。しかし、戦争の危険はないし、お金や資源のエネルギーの浪費もなく、インフラ整備など、自国の発展に費やせる。

猫マナ🐾「3⃣番目の平和なシナリオが、ACTのアクセプタンス、ね。」

魔女ラーニャ「そうなの~。この書籍では、何度も

”闘っちゃだめ。”って言ってるの。消耗するだけだから。

”耐えたり、あきらめるのも違う”。だって、これも消耗ね。

現実に対して自分の心を完全に開き、「今、ここ」の現実を認める。そして今この瞬間に起きている人生の逃走を解き放ってあげる。

だって、

『人生に変化を起こしたいのなら、まず始めに人生を完全に受容することが最も効果的な方法』

だからよ~。」

猫マナ🐾「うん。結構繰り返し言われてるってことは、人間はコントロール戦略にはまりやすいからなの?」

魔女ラーニャ「ってことよね~。力でねじふせようとしても反発があるだけなのにね、わたしたちはコントロールしようとする。うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあるけれど、

受容という姿勢を日常化すれば、

今まで感情や思考との戦いに費やしてきたエネルギーや時間を

もっと効果的な、人生をより望む方向へと進める行動へと注ぐことができるってことかしら。」

猫マナ🐾「ふうん。たまの猫ファイティングは楽しいよ。」

魔女ラーニャ「うふふ♡けが、しないでね。

ところで、

『平静の祈り』って聞いたことある?」

猫マナ🐾「ニーヴァーのでしょう?

『神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。
一日一日を生き、
この時をつねに喜びをもって受け入れ、
困難は平穏への道として受け入れさせてください。これまでの私の考え方を捨て、
イエス・キリストがされたように、
この罪深い世界をそのままに受け入れさせてください。
あなたのご計画にこの身を委ねれば、あなたが全てを正しくされることを信じています。
そして、この人生が小さくとも幸福なものとなり、天国のあなたのもとで永遠の幸福を得ると知っています。
アーメン』(wikiより)


魔女ラーニャ「あら、全文❣

『神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。
変えるべきものを変える勇気を、
そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。』

この前半部分は、いろいろな書籍に引用されたりしている名文ね。」

猫マナ🐾「そお?変えたいものがないからなぁ~。」

魔女ラーニャ「さすが、マナね❣

苦を経験中なら現実を変えたいと願ったり、より充実度と幸福感のある人生への願望を抱くのが人間なのよね~。それも受け入れることが大切ってことかしらw

ラス・ハリスさんは、ACT版として、

『解決可能な問題を解決する勇気をそだてなさい。
解決不可能な問題を受け入れる平穏な心を育てなさい。
そして、この二つの違いを理解できる知恵を育てなさい。』

って提案してくれてるわ。

祈りのお時間を作るのもいいわね~。

人生を変えたいのなら、唯一賢明な行為は、それを変えるべく行動することで、行動を効果的にするには、受容(アクセプタンス)から始めること。」

猫マナ🐾「ラーニャも繰り返すね~。」

魔女ラーニャ「この章のエッセンスですものね。

わたしたち人って、ネガティブな感情や思考にふたをしたり、見てみないふりをする、回避する、そんな行動をとりがちだと思うの。

ネガティブな感情を消したい、って思ったり、中立的かポジティブな感情や思考だけにしなくてはいけないって無意識のうちに考えていることもあると思うわ。

ネガティブな感情や思考はなくなることはないし、人がよりよい人生を創造していく上で、有用なことも多いわ。」

猫マナ🐾「ネガ思考や感情を消すのではなく、受け入れること、ね?

もう、わかったよ~。」

魔女ラーニャ「マナは、知識がもう知恵となってるからだよ。

わたしたち人は、血となり肉となり行動となるのに、時間差があるものなの~。これも受け入れるしかないのね~。

脱フュージョンがうまくいかない時は、

まず、脱フュージョンの目的がコントロール戦略になっていないか見直して、そうでなかったのなら、

すぐにはうまくいかないときもある、

それも受容、ってところかしら~😂」


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目を通して頂き、ありがとうございました❣

次回お会いできるのを楽しみにしております。

 第7回 思考する自己と観察する自己(p80~)


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