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野口さんは携帯電話を二つ持っている。一つは電話ができて、もう一つはネットが使える。待ち合わせ場所で待っていたのだが、彼が思っていた場所と違ったようだった。それを野口さんはすごく謝っていて、不思議な感じがした。
マシュウさんがまだ仕事をしているとのことで、少し歩き出して上野公園の地図を見ていると、早速蚊に刺されてしまった。あまりに速かったので野口さんは苦笑いしていた。文化のエリアと、アメ横(の話はこの記事が野口さんが話していた内容に近い
https://news.livedoor.com/article/detail/22256550/)、労働者の山谷…
池の公園の前の木が伐採されていた。間違った記憶かもしれないけれど、2年前はブルーシートがあったような気がしていて、長い間工事されていたような気もする。野口さんは根津だったかに暮らしていて、何かを焼く煙を見ながら図書館で借りた本を読むのが好きだと言った。
そこから人のいない地下通路を通って行く。色味がレトロに感じる。明るくてパステルだけれど、照明が薄暗い。一人の男性がそこを横切っていく。その先に新しい通路。ホームレスが眠れないように、遮蔽物が設置されている。一番好きなのは、しけもく拾いですね…その当時の壁が見える隙間。京成線ライナーは中島健人が広告している。
縄文人が住んでいた遺跡の跡地がこの側にある。谷になった地形の名残を確認できる。写真があまりうまく撮れていない。「なんか、柵が見えますね・・・」
また上野駅を通ったので、そうそう、ここで待ってたんですよね・・・と言ったら、野口さんが缶チューハイを奢ってくれた。ただ思い出して何気なく言ってみただけだったので、気にさせないようにするべきだった・・・!
それを飲みながら、橋の上にアジールを見つける。町田のように、ちょっとした段差に人が座っている。テーブルに見立てて使ったりもしている。確か何かの意図があって何かと何かを繋ごうとしたけれど、結果的にアジールになったという話だった気がする。この日一番興味を持ったのはこの場所だった。
その辺りでマシュウさんと待ち合わせをした。マシュウさんは足を組んで石に腰掛けていてそれを野口さんが「溶け込んでいる」みたいな表現をしてツッコミを入れた。野口さんはまたIさんとの関係をマシュウさんに報告した。
どれくらい食べるかと聞かれ、つまめればいいと答えた。ケバブ屋で飲んだことのないお酒を頼んでみた。マシュウさんはみんなで食べるケバブやポテトを買ってくれた。目の前に食べ物があると手が止まらずに食べてしまうから、気をつけようと思いながらも、結局食べてしまった。マシュウさんが自身のイベントで使った移動式のテーブルを使わせてもらった。味のある風合いで、手触りを確かめた。店内は手書きの札だったり、可愛らしく光る電球だったり、マシュウさんの書いた詩が貼られていたり、マシュウさんが"アーティスト"と呼ぶ人(千葉県出身だった…?)のモノクロの映画の写真が展示されていた。(川島雄三)
夜のアメ横は思うよりも静かで、風が通り抜けていく。
二人の話の中で覚えているのは、ゲイのコミュニティやホームレスの人々のコミュニティについて聞いた時、私だけが彼らがどの辺りを指して話しているのかについて思い当たらないということだった。ここで過ごす時間の差、見えてくるものの解像度の差が大きくて想像ができていなかったということだった。
飲み歩きについて、"元は斜め前のお店のおっちゃんが、仕事が終わるとコンビニへ行って缶ビールを買い、その辺りにちょっと置いて飲むのがカッコいいなーと思った"という話は、マシュウさんのこの場所への思いを感じさせてくれた。
人が川の流れのようになる場所。
野口さんには不意に"コギャル"と表現された…そうか…コギャルか…
どういった企画をするのか、どの日取りでするのかといった具体的な話にもなったけれど、私が決めることが必要な話し合いだった中で決定することができなかった。
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