
植物の生存戦略 ~ハオルチア~
多肉植物の中でもその美しさから人気の「ハオルチア」。
透明な葉が魅力の柔葉系ですが、その透明さにはわけがあります。その透明な葉は、光を効率的に取り込みつつ、身を守る戦略なのです。
野生株は園芸状態とちょっと違う
野生状態のハオルチア類は、一般に鑑賞されているものより深く埋まっているものが観察されています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%82%A2%E5%B1%9E より
これは、体の大半を地中に隠すことで捕食から身を守っていると考えられています。上から見るとこんな感じ。透明な部分は「窓」と呼ばれます。
そして、完全に埋もれてしまうと光合成のための光を得られないので、透明な窓から光を取り込み、地中で光合成をするわけです。
このように、地中の本体まで光を引き込むことができるので、窓だけ出しておけば光合成はできるわけです。
栽培されているものは、本来地中にある部分も鑑賞するために少し浅植えになっており、光に当たりすぎると日焼けします。気をつけてあげましょう。
根は強力、乾燥には強いが過湿は苦手
肉厚な本体に負けないくらい、ハオルチアの根は強いです。乾燥地の地中生活に特化しているので、多少の水切れはへっちゃら。
土が乾燥しても、しばらくはダメージもほとんどなく、太い根をどんどん伸ばします。ハオルチアを乾燥で枯らす人はあまりいません。むしろ、生息地と真逆の環境、過湿に弱いです。特に、夏の本来乾燥するべき時期に頻繁に水やりすると一気に腐ってしまいます。
日本で栽培するときは、生息地の環境と同じように育ててあげましょう。強みを発揮するとハオルチアは本当に強いです。
最近は育てやすい品種が100円ショップで売られていることもあります。ハオルチアは暑さが苦手なので、狙い目は早春と初秋。興味がある人は、この時期を狙って100円ショップや園芸店をのぞいてみては?