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いつのまにか通貨が変わっていた

 ラトビアを旅先に選んだ理由の一つに硬貨が可愛いというのがあった。ラトビアに関する本を見ていると、どんぐりやこうのとりのモチーフなど、ほのぼのする柄の硬貨ばかり。私の好きなハリネズミ柄まである。是非持ち帰らねば、と思い訪れた。

 金曜の夜まで働いて、その足で空港へ直行し飛行機に飛び乗ったのに、雪のせいで出発が2時間遅れて離陸前に映画ダージリン急行を見終えてしまったが、イスタンブールでの乗り継ぎには間に合った。ようやく着いたRiga空港は首都とは思えない小ささ。工事中の所もあり、年季の入った印象。飛行機から降りた人々の中にアジア系は私以外にいない。久しぶりにマイナー国に来た、と実感する。

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 入国審査では私のパスポートをものすごく疑わしい目で見られた。一度奥に持って行かれて、審査官が二人に増えて、透かしなどを確認されて…。日本のパスポートでこんな扱いを受けたのは初めてだったのでドキドキする。(オーストリアやフィンランドなどは日本のパスポートというだけで、ほぼ素通り状態だったのに。)

 お決まりの「入国の目的は?」という質問に対し、「sightseeing. (観光)」と答えると、sightseeingが通じない。私の英語の発音で(少なくとも入国審査官には)過去通じなかったことは無かったから、観光目的がダメなのか?と一瞬不安が脳裏をよぎる。「sightseeingとは何か?」と重ねて訊かれ、「街を見て回ったり~美味しいものを食べたり~」と説明していると、「tourist! (旅行者)」と言われる。入国審査官がtouristという単語は知っているのにsightseeingという単語は知らないとは。よっぽどこの国は観光客が居ないんだ、と驚く。

 無事入国し、トランク受け取りの前にトイレに入り、生まれて初めてダイソンのジェットタオルにお目にかかった。やはりヨーロッパのメーカーを採用するのね、と思いつつ使ってみると、期待を裏切らない爆風で全ての髪が舞い上がる。

 トランクを受け取り、外へ出る直前に小さな両替所があった。日本の空港ではラトビアの通貨latsは扱いが無かったので、現地でも日本円から直接替えられるか分からないし、と思い日本でユーロに替えてきていた。2段階の両替で手数料が2倍になるのは痛いが、仕方ない。それにしてもラトビアで”ラッツ”という通貨なんて、日本だから”にっぷ”みたいで何だか単純。両替所で両替をお願いすると、窓口のお姉さんが戸惑っている。
 お姉さん:「何の通貨から交換ですか?」
 私:「ユーロからです。日本円からできるならその方が良いですが。」
 お姉さん:「何の通貨へ交換ですか?」
 私:「ラトビアのラッツへ」
そこで説明された。ラトビアの通貨は、つい1か月前にユーロに変わったのだと。知らなかった…!ユーロそのまま使えるじゃない!

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 早速街へ。空港からのair bulticのシャトルバスの乗客が私一人だったので土曜のみのストリートマーケットがまだ終わっていないことを祈りつつ、マーケットのある通りまで直行してもらう。何とかまだ開いていた!天気予報ではつい1,2週間前までマイナス20℃なんてことになっていて、最強の防寒具で来たけれど、そこまで寒くない。小さな終わりかけのマーケットを急いでみて回る。

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 ソーセージやよく分からない豆を売っている店やハチミツの店などに混じってロシア人がかぶってそうな帽子のお店を発見。かなり前から、トップの写真のような毛皮の円筒形の帽子が欲しかったけれど、他の国では軍用のようなワッペンが付いていたり耳当てが付いていたり、シンプルなものがなく諦めていたが、ここでやっと出会えた。フェイクファーなので手頃な値段で手に入りとても満足。

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 この帽子は日本では少し恥ずかしくてかぶれないけれど、極寒の国へ行くときに重宝している。


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ゆん
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