旅慣れると、写真を撮らなくなる
海外旅行にまだ慣れていなかった頃は、空港にもホテルにも一々感動して写真を撮っていたが、いつからかどこの空港にもホテルにもそれほど強い印象を受けず、写真を撮らなくなっていた。
そんな今でも強く印象に残っているホテルがある。スロヴァキアの首都ブラチスラバにのホテルだ。とても女性向きなそのホテルはwelcomeチョコレートがバラの形で、部屋に置かれた綺麗な曲線を描く布張りの椅子はシックなピンク色。ベッドカバーも落ち着いた色合いの花柄。廊下には小さなシャンデリアが揺れ、絨毯の模様もレトロで可愛らしかった。中でも朝食をとるホールの電灯が素敵で写真に残した。そのホテルだけでもまた訪れたいと思うほど印象に残る場所だった。
ブラチスラバは首都とは思えないほど小さくて静かな街で、徒歩で見て回れるサイズ。土産物屋も大して無い街のスーパーで安く売られていたお茶碗とプレート。今はひきこもり生活でも、これらの食器を使うとちょっと特別な気分にさせてくれる。お土産用ではなく日常でこんな素敵な食器を使っているなんて羨ましい。
小さな首都には見どころもお城くらいしかない。お城エリア内では工事中の場所があり、見上げるとかなり高い所に作業員の方がいる。表情までは見えないが、こちらが見上げているのが見えたようで手を振ってくれた。こちらも手を振り返した。なぜだか自分自身が小さく感じられ、子供に戻ったように感じた。
写真に撮らない何でもないことが、いつまでも記憶に残ったりする。
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