夢を売る仕事をクソだと思う理由

初めましての方は初めまして。
このアカウント、作ったまま6年経っててビビり散らかした上に
フタを開けてみたら運営さんに6年分のノウハウが詰まってて更にビビりました。
筆者の得意技はあたりまえ体操です。

ところで、筆者は保育園のお遊戯会で笠地蔵のおばあさん役をもらった時から現在にいたるまで、
ずーーーっとお芝居が好きです。
あんまりミーハーではないので、特に役者さんとか映画とかドラマとかに詳しいわけではなくて(刀関連は観てます。めっちゃ好きです!)
どっちかっていうと『自分が演じるという行為』にフェチを覚えるほど拗らせています。

若者が役者を志して業界に飛び込むと、学校や養成所で教わるか、はたまたどこかの飲みの席で先輩とか演出家からこんなこと(要約)を言われるんですね。

『どんな本を読んでも、どんな映画を観ても、どんな仕事をしても、どんな経験を積んでも芝居の糧にできる。
   無駄なことはないのだから、率先して苦労するべし』

『役者は自分の身体や声を使って、役を顕現する。
   役者に自我は必要ない。
   つまり、自分を殺せば殺すほど褒めてもらえる。
   なんでも出来て愛想のいい便利屋であればあるほど、いい役者だと認めてもらえる』

そう学んだので、筆者は本気で信じていました。
冷静に考えるとカルト宗教みすら感じる古臭いド根性論なんで、普通の人は『なるほどーHAHAHA(出来るわけねーだろ)』って流すところだと思うんですけど
家庭環境とか学校でのイジメとか色々あったのも手伝って、幼い時からとにかく褒められることと認められることに常に飢えている人間だったので、ものの見事に食いついてしまったわけです。

そりゃあもう文字通り夢を追ってがむしゃらにひたすら頑張ったんですけど、
先に心と経済状況と体と社会性がバランス取れなくなって人生が詰みかけたので、20代の真ん中あたりで一線を退きました。
でも、心身病んでる間も変わらず芝居は好きだったし、またやりたいと思って実際ニコニコ生放送で歌の合間に朗読放送やったりしてたし、
それなりに元気になった今も、時間的な余裕と金銭的な余裕と感染症の撲滅ができ次第板の上に立ちたいって思ってるくらいの熱意が胸に燻ってるわけなんですけど、
別に趣味や生きる道が芝居の道一本しかないわけでもないのに、
他の道を歩くのが、他のことをやってる自分を認めるのが、ひたすら恐いんですよ。
社会的な本業なんざアタシ的には副業なんだわよみたいな変なプライド抱えて、気付けば社会性がドブの中。
おまけに資格とか学歴とかも無いから、やたら偉そーな態度の割にワーキングプアまっしぐらです。

なんでこんなに人生拗らせたかって後から冷静になって考えたら、
『お芝居したら認めてもらえる』って頭から信じ込んで、全てを投げうってしまったからっていう理由に尽きるんですよね。

さて。
こんだけ頑張った筆者は、結局報われたのか?

芝居で食っていけていることを報われたとするなら、残念ながら現職は全く違うことをしているので、結果的にはノーです。
厳密には芝居の糧にするために得たスキルで食っているので、ひとまずオーライなのですが
役者一本勝負で行ってて人生すっ転んでいたらと思うと、正直怖くて考えたくないです。

夢を追う人、夢を売る仕事に憧れている人全てに
筆者は強く言いたいのです。

夢を追うのと同じ時間だけ、
現実を、社会をしっかり生きてほしい。
どんなに興味が無くても、生きるためのスキルを若いうちからありったけ、たくさん身につけて手に入れておいてほしい。
学歴もとりあえずあった方がいい。

夢から覚めることになっても、残ったスキルだけは絶対無駄にならない。
この汚い世界は、純粋で無知で夢見がちな人から貪り喰われて終わるように出来ている。

人生壊れたのは全部芝居のせいだみたいな言い方をしてしまったけど、もちろん半分以上は自分のせいです。
筆者はもう少し、実際に現実を歩いている自分自身を生かしておくべきでした。
長い間、自分を他人の評価に任せて、いたずらに首をガクンガクンされても踏み潰されても怒らない、ただのお人形さんを演っているだけでした。
芝居以外の技術と経験の積み重ねとか自己肯定とか自己評価とか諸々全全全殺しだったお陰様で、現在マジで5歳児くらいから人間やり直してます。
一日二回うんこしただけで褒められる人生。
なんだこれ。
めっちゃハッピー。

まるで酷いクズにDV受けて離婚したけど忘れられないでまたDVクズを引く癖がついてたことにやっと気がついた団地妻みたいな言い草でしたね!
ここまで読んでくださった方にはわかると思うんですが、誰に尋ねても『筆者ちゃんMだよね』って言われます。

この際だから白状しますが、自分がドMだって自覚したの、
5歳児やり始めてからなんですよね。

へへっ。


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