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「デジゲー博2024」へのサークル参加記録

デジゲー博2024会場(の一部)

■概要

 2024年11月3日(日)に秋葉原UDXで開催された「デジゲー博2024」に、開発中の「ズ・ギュバーーン!」をサークル名「Yogurt Neko」として試遊展示を行いサークル参加してきましたっ!

「ズ・ギュバーーン!」タイトル画面

 とても有意義で良い経験ができましたので、参加までの経緯や準備、参加を終えての所感などを、記憶力のヤバイ自分や、これから参加するかもしれない方にも少しは何か意味があるかもと、初出展なりの視点で記しておきます。
 自分も実際にこういった出展レポート記事をいくつか読んで、出展の参考にさせてもらいましたので。


■サークル参加の経緯と応募

 「デジゲー博」には一般参加として2023年に初めて行きました。他の同人・インディ系ゲームイベントには、「東京ゲームショウ」のインディコーナー以外では行ったことがないのですが、出展されていたゲームの雰囲気が自分の嗜好に合っていて、また開催場所が秋葉原というおなじみの場所で印象も良く、リアルな知り合いもこの時点で出展していましたので、次回は自分も出展してみたいなーと思ったのでした。
 以前体験版を配信してから、プレイ動画を上げてくれている方もいて嬉しかったのですが、やはり目の前で遊んでもらうというリアル体験に憧れます!
 ということで、2024年に入ってからは「デジゲー博」のサークル募集の案内を待ち望み、どのような出展をするべきか考えていました。そして2024年7月にサークル参加受付が始まったので、開発中のゲームを出展しようと応募したのでした。

 ちなみにサークル名はこれまで「Y/N」とだけ表記していましたが、この時点ではちゃんと決めておらず、いよいよ確定する必要があるなーということで、毎日ヨーグルトを食べていてネコが好きなので、Yogurt Neko(ヨーグルトネコ)にしました。なんのこっちゃですが。正直まだYogurtのスペルを間違いそうになります。

 サークルカットは、過去のデジゲー博の参加サークル一覧を見て…
 ・パッと見で目を引く
 ・タイトルやゲームジャンルがわかりやすい
 ・ゲームのビジュアルの方向性(2D/ドット絵/3D)が想像できる
以上のような条件を満たしていて、一般参加したら自分が試遊しに行きたくなるようなサークルカットを参考に作成しました。絵素材自体は前からずっと使いまわしですが……

提出したサークルカット

■出展内容

 募集数を超えるサークル申込みがあったようですが、抽選の結果当選できたので、出展内容を具体的に考えだしました。

 2022年5月に配信した体験版のあと、最新バージョンまでに入っている新しいシステムや改良されている点を反映させ、体験版とは異なるステージ構成のアーケードモードを構築しました。パネル破壊率100%を目指すとプレイ時間は延びるのですが、概ね10分ちょい超えのプレイ時間を想定していました。

出展内容ダイジェストスクショ

 また、当選直後には同じく「デジゲー博2024」出展サークルのエンドレスシラフさんから、「同人シューティングゲームキャラバン in デジゲー博2024」への参加のお誘いをいただきましたので、是非にとお返事をして、体験版にもあったキャラバンモードの内容を調整して、出展バージョンとしました。
 元々3分間のキャラバンモードが実装してあって本当に良かったです…! ただ、体験版では、キャラバンモード内の進行ステージの順番はランダムになっていたので、3分間内の条件はほぼ揃えるべきと思い、決まった順番に進行するように変えました。その他細かい調整も行っています。

 出展版は、ネット上で配信する体験版とは異なり不要データの除外とかは行わなくても良いビルドなので、8~9割ほどできているラスボスのデータとかも実は入っていました。

キャラバン参加サークルの証(大事に取っておきます)

■設営の記録

設営完了の写真

設営開始

 開催前日もスペースの設営可能な時間があるとのことでしたが、自分は前日には行かず、当日の9:15分よりサークル入場して設営を開始しました。
 スペースに到着すると、ヤマト運輸を使って送っておいた27インチディスプレイの入った箱が届けられていていました。11月1日到着指定で、会場への到着通知のメールも来ていたものの、ちゃんと届いているのか不安はあったので、破損などもなく届いていて安心しました。
 前日設営の様子を他のサークルの方がX(Twitter)で上げていたのを見た時は、行かなかった自分としては少し焦りましたが……実際は当日でもテキパキやればなんとかなりましたね。

ディスプレイ配置

 上図のように27インチディスプレイを前面に置いていますが、自動でプレイデモが流れたりはしないので、念のため横にiPadを置いてトレーラー動画(古いですが)をループで流していました。
 これは「東京ゲームショウ」のインディコーナーにおいて、タイトル画面のまま放置しているゲームが多く、プレイ中のゲーム画面も内容もわからずで遊ぶ気持ちになれなかったという、試遊する側の経験に基づき意識的に行ったことです。
 実際はありがたいことに閉会まで途切れずに遊んでいただけたので、メインディスプレイを見ればゲーム画面や内容はわかっていただけたのかもしれませんが、トレーラー動画はゲーム内容のまとめの役割も担っているので、やっておいて損はなしと思ってます!

 自分側からは下図のように、ノートPCの画面にプレイ中の画面が映っていたので、みなさんのプレイをじっくり見ていました。
 当初はスタンドにノートPCを置いてその画面でプレイしてもらうつもりでしたが、やはり席側からゲーム画面が見える必要があるというのをネットやX(Twitter)上の書き込みを見て思い、このような形にしました。これが正解だと思いますが、ディスプレイはもう少し位置を高くした方が良かったんですかね~?

椅子側からの眺め

 あとX(Twitter)で何度もつぶやいてしまいましたが、机に敷いた布の柄がうるさい。とてもうるさい…! 19年前に最後にコミケで同人誌を売るためにサークル参加した時の布がまだあったので、これでいいやと使っちゃったのですが……これぐらいは買い直したり、他のサークルさんのようにイラストやロゴを入れたものを作ればよかったです。あぁ心残りだ…!

インストカードなど

 スペースには、遊び方や操作方法を記したインストカードを作成したり、キャラバン用のハイスコアを取るための秘訣を記したカード、試遊内容について記載したものを作成して、こちらも置いたり貼ったりしていました。

 インストカードはデザインを褒めてくれる方もいて嬉しかったです! 楽しんでほしいと思うあまり、どうしても突っ込んだ仕様や説明を細かく書きたくなるものですが、なるべく最低限の説明に留めるようにレイアウトや文言を工夫したつもりです。
 例えば、RTのワイプアウトで敵を5体以上倒すとボーナスとしてスコアがアップしたり、ランダムにアイテムが出現しますが、インストカードではその説明は省きました。
 また、アイテムのショットのパワーアップは、それぞれ3段階ありますがくどくなるので書きませんでした。
 本業でゲームのUIアーティストも過去にやっていまして、チュートリアル画像もよく作っていたので、そういう経験が活きているような、そうでもないようなです。
 コントローラーそのものの画像は必須のような気がしますね。

インストカード
キャラバンモード用のハイスコアの極意!

 キャラバン向けの「ハイスコアの極意!」と称したものを用意したものの、インストカードと同じクリアケース(下図参照)の裏面に入れたのですが、あまり裏面をめくって見てくれてる人がいなかったような気がしていて、別のクリアケースに入れるなど分けておくべきだったのかな、と思ってます。インストカード側はよく見られていたので、有用ですね。

インストカードとトレーラーを流し続けたiPad

その他の配置物など

 他には卓上のポスタースタンドでA3程度のポスター掲示と、小型のスピーカーを置いていました。概ね以下の物を机上に置いていたわけですが、スペースとしてはギリギリでしたね。
 ・27インチディスプレイ
 ・15.6インチノートPC
 ・iPad
 ・小型スピーカー
 ・Xbox Oneコントローラー
 ・卓上ポスタースタンド
 ・B5サイズインストカード
 スペースのサイズを想定して仮配置しているというようなツイートを見かけたので、自分も軽くサイズ計測をしながらイメージしていましたが、結構なギリでした。


■試遊の記録

総プレイ数

 みなさんに遊んでいただいた総プレイ数は、手動でカウントしていましたが36回でした。内訳は以下です。
アーケードモード:15プレイ(ボスまで到達13名:クリア2名)
キャラバンモード:21プレイ
 プレイ回数は、プログラムでカウントするようにしておくのが良いと思いますが、準備中はそこまで気がまわっていませんでした!

アーケードモードについて

 アーケードモードは、チュートリアルステージ+3ステージ(最後はボスステージ)の構成で、ボスステージまで到達したらキラシールをプレゼントしていました。

出展版アーケードモードのステージ1

 キラシールは、最近ビックリマン風の自作シール界隈もアツいと知り、自分でも作ってみたいなーと思っていたので作ってみました(ドット絵+ビックリマン風シールって、調べた限りではあまりないように思えました。ロッテは、昔のビックリマンをドット絵にして「ドット絵マン」を発売するべき)。「キラシールが気になったので」とプレイしてくださった方もいて嬉しくなっちゃいました。

 キラシールは、試遊してくださる方全員にお渡しする選択肢ももちろんありましたが、せっかく出展しているので、なんとなくプレイしてもらうのではなく「クリアするぞー!」という思いを持ってプレイしてもらいたいな、と思ってこうしました。とはいえ開発者感覚でもクリアは難しいのでボスステージ到達を条件としました。
 多くの方にボスまで到達してもらえましたが、更にクリアする方が2名いたのは実は驚きです。初見でクリアできるの、スゴイですね…! お二人は多分私より上手いです! そのプレイには思わず見入ってしまいました。
 この日初めての全クリであるとその方にお伝えした際には、周りの方が拍手してくださって、その一瞬は小さなコミュニティが形成されたような感覚になって、開発者的にもすごく嬉しくてその場面が脳裏に焼き付いています!

 そしてこの難度調整は、自分の目指したものが間違っていなかったと確信を持てたのでそういった面でも大収穫でした。

キラシールプレゼント告知POPも作成しました

キャラバンモードについて

 キャラバンモードは、どなたでもプレイ可能でしたが、実際は前述の「同人シューティングゲームキャラバン」に参加している方のみがプレイする状態となり、キャラバンイベント終了後はアーケードモードのみのプレイが続きました(キャラバン参加者でなければ、自分の方からアーケードモードをおすすめしていました)。
 「同人シューティングゲームキャラバン」への参加は、このゲーム自体に興味がなくても、遊んでもらえる機会を得られてすごく良かったです! チュートリアル+キャラバンモード3分間は、アーケードモードよりも短いため、程よくプレイが回っていたような感覚もあります。
 キャラバン参加の方に配る参加賞として、当サークルからは下図のシールを提供していました。

キラじゃない方のシール(300枚も発注したら、あまりまくった)

 この日のキャラバンモードでのハイスコアは、118300点! キャラバンイベント運営のエンドレスシラフさんにお伝えしていた理論値は12万点程度としていたので、かなりお上手ですね!

デジゲー博でのハイスコア!

■出展の感想

スペースに掲げたポスター(相変わらず絵素材使いまわし)

 今回初めて自作ゲームでイベント出展してみたわけですが、最初の方がプレイされてからは、途切れることがなく遊んでもらえて嬉しかったです! ホントにそういう想像はしていなかったので。当然「同人シューティングゲームキャラバン」や、配置スペースの「Y」ブロックがシューティングジャンルで固まっていたことによる効果も大きいと思います。

 遊んでいただけただけでも嬉しいですが、やはり遊んでくださった方とコミュニケーションを取れるとまた嬉しいですね!
 ゲーム内容の感想や、女の子のイラストがかわいいと伝えてくれた方、キャラバン参加にあたって配信中の体験版で練習してきてくれた方、プチコン(DSi~Switchで発売したBASIC言語アプリ)での私の過去の作品も見ていてくれた方、楽しそうな声を出して盛り上がりながらプレイしてくれた方などがいらして、かけがえのない経験になりました!

 また、みなさんのプレイを通して、ゲーム内で効果を伝えられていないところや、表現の不足している部分も少しわかりました。なぜか無敵アイテムのスイカを取らないで避ける方が多かった…!

 反面、キャラバン対応としてスコアの記載やスタンプの押印、モードの説明を一人で対応したのはちょっと大変でしたね。
 プレイ待ちの待機列が少しできて、通路を塞いでしまったこともあったようで申し訳なかったです。準備会の方からの助言もいただき2列で並んでもらって、なんとか乗り切りました…多分。正直そこまで気を配ることができていなかったです。

 トイレに行きたくならないように水分補給はほどほどに、他のサークルさんを見に行くこともできなかったのはツラいところですが、それ以上の良い経験ができているので、これはやむを得ないですね(なので2Fには一度も行けていないです)。 

 あとは~…当初キャラバンモード試遊の際は、ステージセレクトからチュートリアルステージを選んでいただき、終わり次第キャラバンモードをプレイしてもらうつもりだったのですが、最初にプレイした方にそのようにお願いしたら、キャラバンモードで残り時間のカウントが全く減らないバグがあることが発覚し、急遽アーケードモードからチュートリアルを進めていただくことにして、やってしまった感がハンパなかったです…! とりあえず代替プレイ方法があって良かった~…。

キャラバン参加賞をもらいました

■出展のメリット・デメリット

 出展することによるメリット・デメリットについても改めて考えてみました。

メリット

・開催日が決まっているため、ひとつのマイルストーンが設定され、後回しにしていた作業などに手を付ける機会が得られて、部分的にゲームの完成度が上がる
・遊んでくれた方とのコミュニケーション機会が得られ、感想をもらったり楽しむ様子を見ることができる
・他の開発者の方との交流ができたり、個人開発という括りやジャンルなどによる一体感が生まれる
・楽しい!

デメリット

・ゲーム開発そのもの以外の作業、準備にも追われる
・出展のための費用がかかる

結論と今後について

 総合的にはメリットが大きく、参加して本当に良かったです! 色々な意味で非常にエキサイティングでした。

 デメリットで記載した開発以外の作業は、これを行うことで別の視点からの気付きなども出てメリットにもなり得ると思います。
 準備時間と費用は、自身の余裕に合わせる必要がありますね。

 同人・インディゲームイベントも今は多いので、様々な地域でたくさん出展される方もいて、精力的な活動には憧れたりもしますが、自分の身の丈に合っているのは年に1回とか、それより頻度が低くて丁度良いかなと思っています。メリットとして記載しましたが、マイルストーンに追われすぎるとツラくなってきそうなんですよね。
 なので出展自体は今後もしたいとは思うのですが、次の機会は製品版として完成する直前とか、そういうタイミングに合えば…という感じですかね。急にまた出たくなるかもしれないので、ガチ決めはしないでおきますが。


■準備・費用について

 最後に、自分的メモ用と今後の出展の参考になれば幸いということで、出展にあたって必要となった費用などを記載しておこうと思います。
 物品は出展用に新たに買ったものです。Amazonやヨドバシで購入しています。リンクは一応入れてありますがアフィリエイトじゃないです。

・サークル参加費:8,400円(PayPal払い)

■設営まわり
ポスタースタンド:749円
電源タップ:1,000円 4個口で間に合った。コードは2mでも届いたけど、もう少し長い方が余裕ができて良いと感じます。
ウェットティッシュ:328円 コントローラーなどを拭きました。
・27インチディスプレイ発送
 梱包材(パソコン宅急便BOX C):1,500円
 発送(往復分):4,896円
XboxOneコントローラー用 交換用スティック:666円 劣化していたので交換。非公式のものだけどセルフで交換できて特に問題なかったです。

■印刷物
キラキラシール印刷代(30枚):4,690円 検索で出てきた「シール印刷プロ」さんという印刷所に頼みました。
通常シール印刷代(300枚):4,180円 キラじゃなければこちらのGRAVITYさんがお手頃だったような気がします。
・コンビニマルチコピー代:480円 プリント失敗分も含む…。ネットで画像を上げておいてコンビニでプリントできますが、PNGで高解像度で上げたのに圧縮されていて悲しくなりました……でもお手軽なので許容。ファミマとローソンを使用しましたが、現在どちらのコンビニも同じマルチコピー機なのだとか。

■STGキャラバン用準備物
スタンプ:594円 他のサークルの方で専用のスタンプを作成されている方も多く、自分もそのようにしておけば良かったなー…とは思います。
スタンプ台:569円

 以上、トータルは…考えない!



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