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詩 想い人

わたしのことを剝がせない人は

自分をおいて他にはいないということが

私の中を駆け巡り、

去ってはくれない


でも踏切を渡るとき

湖の青さを知ったとき

あなたの慈しむ船を見たとき


この卑屈な私さえ手放してしまえば

手を取ることが

河岸まで泳ぐことが

抱きしめても壊れないことが


できるのではないか

そんないつかの私が

いるのではないか


と思う


あなたを招き入れれば、

2階の窓から見える紺星や

午後4時のバスルームが

秋色を纏う、かな


ふたりだけ、でいい


だから私は今日も顔を洗って、

靴を履く、

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