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【厳粛】カール・ベーム&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団ほか/モーツァルト:レクイエム【慟哭】

モーツァルトの「レクイエム」の愛聴盤その2:ベーム&ウィーン・フィルのモーツァルト「レクイエム」。

曲目と演奏者

モーツァルト:レクイエム ニ短調 K626(ジュスマイヤー版)全曲

指揮:カール・ベーム
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱連盟
ソプラノ:エディト・マティス アルト:ユリア・ハマリ
テノール:ヴィエスワフ・オフマン バス:カール・リーダーブッシュ
1971年4月 ウィーン・ムジークフェラインザールにて

モーツァルト「レクイエム」についての詳しい解説は、【好企画】クリストフ・シュペリング&ダス・ノイエ・オルケスターほか/モーツァルト:レクイエム【モーツァルトの遺稿も収録】|Yuniko note をご覧ください。

クリストフ・シュペリングのモーツァルト「レクイエム」の感想で、「モダン楽器オケのレクイエムは荘厳な大聖堂での死者ミサ」と書きましたが、カール・ベームのモーツァルト「レクイエム」はまさにそれ!厳かな大聖堂で奏でられる慟哭の追悼ミサの趣です。

ジャケット表

指揮者カール・ベームについて

1894年8月28日 グラーツにて生 1981年8月14日 ザルツブルクにて死去
1927年、弱冠31歳の時からドイツ国内の歌劇場の音楽監督を務める。その間、ブルーノ・ワルターから薫陶を受け、モーツァルトの名解釈者として知られるようになった。また、リヒャルト・シュトラウスとも交遊し、作品の解釈、演奏について教えを受けている。モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームス、リヒャルト・シュトラウスなど、ドイツ・オーストリア本流の音楽を得意とする。
1943年からと1954年からの2度、ウィーン国立歌劇場の総監督を務めている。世界一扱いにくいとされるウィーン・フィルに厳しく練習をつけることの出来た最後の指揮者と言われる。
日本には、1963年(昭和38)以来4回来日しているが、1975年(昭和50)のウィーン・フィルとの来日で人気が爆発。1977、81年の来日では、終演後に多くの、しかも若い聴衆がステージ下に押し寄せる風景が見られた。
1981年8月に逝去した際は、NHKが夏の高校野球の試合中であったにもかかわらず、画面上のテロップでベーム逝去を伝え、その後のイニングの合間の短い時間に臨時ニュースを流したほどだった。

カール・ベーム リハーサル中

演奏について

ベームが本領を発揮したのは、「歌劇」においてだったとされています。モーツァルトの「レクイエム」も管弦楽に声楽を伴う作品であり、歌劇に通じる要素があります。このCDでも、そうしたベームの本領が十二分に発揮されています。
ベームの演奏するモーツァルトの「レクイエム」はとにかく荘厳。たびたび記しているように「パイプオルガンがそびえ、ステンドグラスに描かれた神が見下ろす。ゴシック建築の大聖堂での追悼ミサ」そのものです。
劇的な表現の「レクイエム」ですが、ベームの音楽作りは構成がしっかりとしているのでそれが下品にならず、死者を悼む音楽の厳しさと威厳に満ちています。
ベームが指揮するモーツァルトの「レクイエム」は、ウィーン交響楽団との演奏もDVD化されており、そちらも立派な演奏です。

ジャケット裏

モーツァルトの「レクイエム」の3人の指揮者による演奏を紹介してきました。もう1枚、「レクイエム」ではないのですが、キリスト教の文化・・・・というか精神を垣間見ることの出来るCDを紹介したいと思います。

<次回予告・・・・教皇ヨハネ・パウロ2世により挙行された荘厳ミサ/カラヤン&ウィーン・フィルのモーツァルト「戴冠式ミサ」>


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