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地域の悲史 鳥取県

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鳥取県内の地域の悲しい歴史を物語る遺跡を紹介しています。
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#慰霊碑

ビルマ方面戦没者慰霊塔と未引揚海外死没者慰霊碑

久松山の北麓、円護寺(えんごうじ)集落に、2基の戦争関連の慰霊碑と慰霊塔があります。 未引揚海外死没者慰霊碑 天徳寺の坂を上がって円護寺隧道を抜けるとすぐ右手のちょっとした土の崖の上に、未引揚海外死没者慰霊碑が建っています。 太平洋戦争の最末期、1945年(承和20)8月8日。ソ連は日本に対して宣戦布告し、翌9日に南樺太、千島列島、満州国、朝鮮半島北部に一斉に侵攻しました。 ※太平洋戦争中、日本とソ連は日ソ不可侵条約を締結していたが、1945年4月5日にソ連によって破棄

大山口駅列車空襲慰霊碑

子どもの頃、「太平洋戦争中に鳥取県では空襲はなかった」と教わりました。たしかに数百数千の人が犠牲になる空襲はなかったのですが、多くの方が犠牲になった空襲は鳥取県でもあったのです。 JR大山口駅 JR大山口駅は、西伯郡大山町国信にあります。1926年(大正15)9月17日に開設されました。現在の駅舎が完成したのは2020年(令和2)3月8日です。一日の平均乗降者数は400人前後です。 鳥取県内の山陰本線の駅は、その多くが海側(北側)に駅舎がありますが、大山口駅は大山側(南東

荒金鉱山朝鮮人犠牲者供養塔

1943年(昭和18)の鳥取大震災で犠牲となった、荒金鉱山で働いていた朝鮮人労働者の供養塔です。 荒金鉱山について 荒金鉱山は、鳥取県岩美郡岩美町にかつて存在した銅鉱山で、岩美鉱山とも呼ばれていました。 旧日本鉱業株式会社によって採掘が行われており、銅の他に金・銀・銅・亜鉛なども産出していました。 698年にここで採掘された銅鉱が朝廷(文武天皇)に献上されたとの記録があり、記録上では日本最古の鉱山です。 1889年(明治22)に銅の露頭が発見されて以来、大きく発展しました