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夏期講座の終わりと映画『ラストマイル』2024/8/29
8/29(木)
夏期講座終わった。「作文講座」。
正直でいることしか自分には手段がないような気がして、夏期講座の2日目に、「この講座を選んだひとー?」と聞いた。案の定、手を上げたのは1人しかいなくて、あとの20人はみんな抽選か何かに外れて、割りふられてここに来たのだった。つまり、やりたくもない「作文」をやらされる、という構図。
つらい!
生徒が?
私が、だよ!
いや、みんなか!!
名ばかりの「選択授業」だということへの同情を寄せて、私は望まない人に何も強制するつもりがないってことを話した。
だけど、せっかくだから何か少しでもつかめるものがあればいいなとは思ってやっているよ。とも言った。
そこから、ちょっとだけ潮目が変わった気がする。
いや、変わったのは自分の気分か。
思ってることを素直に口に出すってことをしないと相手は全然わかんないよな。言えてよかった。
講座の最後には、ほとんどの生徒が何かについての文章を書いて提出した。書かれた内容は、私にはだいたい本音に見えて、私は自分の役目を果たしたように思えた。
その後、1人で映画『ラストマイル』を観に行った。
実は『アンナチュラル』がいちばん好きなドラマで、そのいわゆる続編の映画化に「たまらん!」と思っていた。
でも、友達とそれを共有しておらず、だから1人で観に行った。
自分1人でも熱烈に好き! というものも大事にすればいいなと思った。
【ここからちょっとだけ映画のネタバレです↓】
Amazonを思わせるネットショッピングの配送センターが舞台なのだが、映画の中盤で、そこで働く男性(中村倫也)が3階からベルトコンベアの上に自ら飛び降りてしまう。血を首からどくどく流して倒れていても、彼の身体をレーンの上からどかして床に横たえて置き、作業は再開した。
つまり、何も変わらなかった。ただ救急車が呼ばれただけだった。
ベルトコンベアの上に常に表示されている稼働率は、「80パーセント」を保たなければいけないと本国(アメリカ)にいわれている。
その男性は、せめて、そうでもしたら止まるかと思って飛び降りたのに。
「何も変わらない」というのはとても異常な光景だったけど、果たして自分がもしそこにいたとしたら、何か「変えようとした」だろうかと考えた。映画の中の人々と同じように、何も変わらず作業を再開していたのではないか、と思えて、映画の間中そのことに意識がとらわれ続けた。
映画の最後で、女の子と母親を助けるために、配達員(低賃金、過酷労働)のおじさんたちが爆弾の犠牲にな……らなくてよかった!!!!
そんな展開は絶対嫌だった。
「きれいごと」を成立させるために「弱者」が犠牲になった結果、社会は滞りなく運営されていく……なんていう展開になんかなるはずない! この脚本家がそんなふうに書くわけない! と祈るような気持ちで見守った。そして、その信頼は正しかった。親子も助かったし、おじさん達も助かったし(むしろ、おじさん達が助けたし!)、私も一緒に助かった気分だ。
【↑ネタバレ終わり。】
映画が終わっても、Amazonが届いて、箱を開けたらドカン!と爆発するイメージが頭に焼き付いた。それがこの映画の効能??
『がらくた』という米津玄師の曲がよかった。「たとえばあなたがずっと壊れていて二度と戻りはしなくても、かまわないから僕のそばにいてよ」という歌詞がよかった。
時々近所にやってくる、不要品回収の車が呼び掛ける、「壊れていてもかまいません」という言葉が心に残ったのが創作のきっかけ、ってこの前米津玄師がテレビで言ってた!
CDがほしくなり、Amazonはやめて、じゃあどこに売ってる? と考えたら難しかった。Amazonに頼るのは、CDショップも本屋も街からどんどんなくなっているからだともいえるよ!
紀伊国屋書店のなかに小さいCDショップがあることを思い出して行き、アルバムを買って帰った。
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