お笑いライブに行きたい2024/7/8
夏休み4日目。
吉本の祇園花月に行った。
チケットは夜中に取った。かなり迷った。急に決める4000円は高い。
でもお笑いライブにどうしても行きたい気がした。
夏休み恒例🌟クリニック巡り(婦人科と皮膚科と歯医者に行く)もいいけど、何か味気ない気がしていた。
チケット購入時、スマホに表示された座席『い-2』にびびって迷ってうろうろしてサイトを離れ、意を決して会員登録するなどしていたら、『け-11』になった。
ちょっと残念だったがちょっとホッとした。近すぎるのは怖い。
出演するのは、金属バットとDr.ハインリッヒとダイアンとサルゴリラと藤崎マーケットと笑い飯(見たい順)。
第二部は新喜劇だ。
「新喜劇は別にな~」と思ったが、何だかんだ結局笑ってしまうらしい。
学生時代お笑いライブに通いつめていたという美容師さんが言っていた。
💇♀️
長い夏休みをどう過ごすかという話題で、友人に「バイトしたら?」と言われたことに固執して、美容院でもその話をしたら、案の定美容師さんと「バイト、別にしたくないですよね…」と意見が一致した。
それで、私がオードリー好きということを知っている美容師さんに、
「オードリーでも観に行ったらいいんじゃないですか?」と言われ、
「ですよね! 私もお笑いライブを観に行こうと思ってるんです」
「そうですよ! 笑いに行ったらいいんですよ!」
という会話があって、背中を押されたのもある。
それで、初めていろんな劇場のスケジュールを見てみた。
行くなら、ぜひ見たいと思う芸人たちの集まっている日に行きたかった。
自分がいったい誰のことをぜひ見たいと思っているのか? というのは、各劇場の公開しているスケジュールを見ているうちに徐々にわかった。
本当は友達と行きたかったけど急すぎたので一人で行ってみることにした。一人でもどうしても見たいと思ったのが金属バットとDr.ハインリッヒだった。
金属バットはここしばらくずっと気になっている人たちで、生でネタを見てみたかった。
Dr.ハインリッヒは女性の双子のコンビで、「女性」や「双子」や「美人」ということをネタにしない人たちと聞いたことがあった。ヤーレンズが吉本にいた時にお世話になり影響を受けたとよく名前を挙げていて、とくに男女の不平等とか女性芸人の生きづらさなどについて話を聞いていたらしい。
祇園花月に行くのは初めてで、席の前後左右の幅が狭くてぎゅうぎゅうだった。耐えられるかな? 隣の人と肩が触れ合う距離で、私のノースリーブでむき出しの肩に隣の知らない男の人のTシャツの袖が常にガサガサと触れて不快だった。
暑い日だったこともあるがクーラーの効きがよくなくて、でっかい扇風機が何台か客席に向かって稼働していた。私はノースリーブだからいいけど舞台の上は暑いだろうと想像した。多くの芸人たちはスーツやジャケットで漫才をする。舞台で何かをするというのは大変なことだと変なところで改めて感心した。
平日の昼間にもかかわらずたくさん客が入っていて驚いた。隣の男の人とその連れの女の人も同じようなことをしゃべっていた。
反対側の隣は女性で、それだけで安心で、嬉しかった。
一番手で金属バットが登場した。
客席の反応もよく、金属バットの二人が「やー…」とか「あー…」とかやる気のなさそうな嘆息を繰り返し、なかなかネタに入らない時間からずっとウケていた。
ネタが始まり、「保険に入りたい。受取人をお前にしたい。お前も保険に入って俺を受取人にしてほしい。で、単車買わん?」という、いかにもなネタで、それだけで笑いが起きていた。キャラが浸透していた。
そして、劇場だと、金属バットの言う「死ねや」とか「それ宗教やん」という攻めた突っ込みも気にならないんだな~と知った。
ここで言ってるだけだし。聞いてるの、今この劇場にいる人たちだけだし。会話だし。ジョークだし。みたいな受け取り方を私はしていた。
むしろ、「それ宗教やん」は言うし、言われたこともあるし、実際宗教(の勧誘)だったこともあったし、おもしろワードじゃん、みんな大好きじゃん? とも思う。
けど、これが人と場所を選ぶ危険なワードであることもわかるし、近年どんどん配慮度が増したから言わない方が無難になった。
けど面白いんだよね!!!
「それ宗教やん」をテレビで聞いたらちょっとドキッとしたと思う。何で? テレビって何なんだろう。
「死ねや」はすでにザ・セカンドの決勝で言っていた。テレビで見てちょっとぎょっとしてしまった。これが私の感覚か。
生徒が教室で言う時もぎょっとしてしまう。(私に対して言うわけじゃない。できるだけ、「やめて」と言うようにしている。)
それとこれは違うのか?
「保険に入りたい」のネタは面白かったが、ところどころ言葉が聞き取れなくて、わからないところがあった。わかりたかった。
私にとっては関西弁すぎるのと、早くて聞き取れないというのもある。
もっともっと笑いが起きてもよさそうだったが、客席もみんなそういう感じだったのだろうか。けど、みんな関西人なのだろう?
煙草を水に溶かしてその中に赤ちゃんを入れたら、赤ちゃんは死にます、というのを「ライフハック」と言うのもぎりぎりで、笑えなくなっている気がした。
「不適切」とか「不謹慎」というよりも、ネタに出てくる残酷性よりいつしか現実の方がもっと残酷になっていてひどかったりするから、現実がネタを超えちゃって、もうそういうのが笑えないのかもしれない。
生で見た二人は何か細くて小さく見えて、思っていた怖さは無く、愛嬌やかわいさが勝る感じがした。本人を目の前にするというのはやっぱり存在を実際に感じてしまうことだからすごいことで、無責任に嫌ったり物みたいに扱ったりできなくなることだなと思った。
『け-11』でもうそう思ったのだから、『い-2』だったらどうなっていたのだろう。逆に怖かったかな?
もっともっと長く見たかった。
Dr.ハインリッヒのネタは独特なファンタジーの世界っぽかった。集中して見ることができず、把握しそびれてしまった。死神が出てきた。
双子ってことについては、ネタの最初と最後に自己紹介的に触れていて、まあ見りゃわかるから触れないより触れた方が自然だから触れときますよって程度の入れ方で面白かった。ネタよりも、双子ってことよりも、「妹」の独特なしゃべり方に気を取られてしまった。
もっと厳しい思想や倫理観が滲む人たちかと勝手に想像していたが違って、拍子抜けした。
けど、男女とか、性差に基づく役割のようなものとか、○○らしさといったものは皆無で無縁すぎる独特な世界のネタだったな~とようやくわかったのは、他の芸人たちのネタを全部観て、それからその後の新喜劇を観た後だった。
新喜劇は、とにかくルックスと男女の役割と経済に基づく価値観に満ち満ちていて、とにかくその繰り返し、おかわりおかわりおかわり。
「ブサイク」と「ハゲ」と「変な顔」と「すごい太った足」の繰り返しで、飽きたし呆れたし、なのに習慣で? 笑ってしまうし、ひどいシステムだ! と憤慨したくなったけど、つい笑ってしまうのは自分なのだ。これが美容師さんの言っていたこと??
子どもの頃、土曜日の昼にテレビで何度も観たからシステムが身体に刷り込まれている気もした。
そして、色んなことが変わるなか、今もなお時代の変化に負けずにこれを貫いているってなんかすごすぎて複雑な気持ちになった。
未知やすえのぶちギレ芸が見れてよかった。けど、未知さん綺麗だなってつい思ってしまうのはルッキズムなのだろうか。(ホテルの支配人役で、紺色のスーツがよく似合っていた。)
昔から未知やすえのこのシーンが大好きだった。女の人が無茶苦茶な言葉でキレまくるのを見ると恍惚とする。女の人はそういう言葉を持ってないことにされているからだと思う。
隣の席の女の人は第一部ではすべての芸人のネタに手を叩いて笑っていたが、第二部の新喜劇が始まる時にはいなくなっていた。帰ったのかもしれない。新喜劇はもういいやって思ったのだろうか。
ネタのなかではダイアンがいちばんウケていて、テレビの人気者であり、客席も「待ってました!」って感じ。
実際面白く、ユースケのアドリブにも見える箇所があったりしてみんな大喜びだった。津田が案外まともに見えて、ユースケが狂気に近く見えた。ユースケ好き。
私は2時間笑いっぱなし! を期待して行ったのだがそういうわけでもなく、しかし考えてみたら普段から常に爆笑しているわけでもないのだからそれもそうかと思った。
比べるのも変かもしれないが、その前日にTBSラジオのYouTubeで見た都知事選の開票特番で、候補者の石丸氏が、パーソナリティーの質問にとんちんかんにキレた事件をみんながパワハラ的に体験し、直後に「あれはひどいね」「なんかヤバくて怖いね」と素直に感想を言っていた時間が面白くて部屋で一人で聴きながら大笑いした時…の方が面白かった。のは何だったんだろう。
パワハラという本当の危機をみんなで体験したということによるカタルシスだろうか。
あるいは、『い-2』だったら、よしもとが勝っていたのだろうか。
今度は別のお笑いライブを観に行きたい! 友達と行きたい! 2時間笑いたい!
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