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病気=情報戦だと気づいた話


この世に生まれてから、今まで、一度もなんの病気にも不調にもならなかったっていうひとー!手をあげてー!

これで手を挙げた人、あなたは今は健康かもしれない。でも、その昔あなたが赤ちゃんだった時、絶対に熱を出したり吐いたり、下したり、転んで怪我したり、火傷があったり、そんな過去があったに違いないんです。そして、たとえ今健康で元気でも、その先がずっとそうだとは限らない。わかり切ったことですが、時々忘れませんか?わたしもそうでした。
手術が必要な、乳がんという大きな病気にかかった時に、「まさか自分が」と頭が真っ白になったことを思い出します。あくまでわたしという個人の経験による雑感なのですが、自分が「死にいたる病」という人生の一大イベントに出会った時感じたのは、

「これは情報戦である」

ということでした。
自分の体に起こった病について、まずちゃんと正確に知ること。
病について正確に知ることが出来たら、どういう治療法があり、どれくらいの時間がかかるのか。そして、どの病院を選ぶか。自分の地域の病院で、どれくらいの臨床経験のある医師がいるのか。評判はどうか。患者のコメントはどうか。家から通える範囲か。どれくらいのお金がかかるのか。使える保険はあるか。何かの公的支援はあるのか。

これらの情報は、受け身では入ってきません。
全て自分から獲りに行かないと全く何も情報の恩恵を受けることが出来ません。
丁寧な病院の中には、色々な情報のまとまったリーフレットもあるようです。
そういった優秀なアイテムをゲットできたら、最高です。
今はネットで情報収集も簡単にすることが出来ますが、ネットは玉石混交です。
そしてあまりに情報が多すぎて、いらない不安を煽られる可能性が高いです。
シンプルに必要最低限な情報がいらない感情抜きでまとまっている、そういったものが理想です。大体がその地域に基づいた、ローカルな病院や施設の情報で埋まっているはずです。不安を煽らない、感情抜きの、「事実」のみの情報をゲットした方が、わたしはいいように思います。
ちなみに自分が乳がんの告知を受けて、参考になったと感じたのは、インターネットでは

国立がん情報センター がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/follow_up.html

乳がんとは?知っておきたいがん検診ー日本医師会
https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/type/breast/what/

この二つだったと記憶しています。
ネットサーフィンで情報過多になるかもしれませんが、とにかくもちゃんと臨床経験のある病院や学会、医師会の出している情報を第一に当たるといいのではないかと思います。


乳がんに関する書籍も多々ありますが、これもまた玉石混交で、一体何を読めばいいの?と迷ってしまうかもしれません。(わたしがそうでした)
本当に迷うんです。試しに『がん 本』で検索してみるとですね、

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こんな感じなんです。この画像の下に並ぶ本のタイトルも、
「がんが自然に治る生き方」、「医者に頼らなくてもがんは消える」、「がんの原因は汚血の爆発にある」、「水素ガスでがんは消える!?」、「がんは自然に消える」、「イタリア人医師が発見したガンの新しい治療法」などなど、色々なタイトルがずらりです。
不安な精神状態で、「がんは自然に消える」というタイトルの本を見つけたら、やはりそれを信じたくなるし、ワラにもすがる思いにもなります。それで実際に治った人もいるかもしれないし、全て嘘だという気もありません。西洋医学と相性が悪くて、ひょっとしたらこっちの治療法があってた、というケースもありかもしれないからです。
ただ、ただですね。
あくまで自分の経験値からの個人的意見ですが、初めての罹患だったら、まずはやはりお医者さんに頼ってください、とわたしは言いたいです。実際にたくさんの乳がんの患者さんに日々現場で接している、プロフェッショナルだと思うからです。ただ、プロもたまには間違うこともあるかもしれず、少しでも疑問に思うことはガンガン質問し、コミュニケーションをとって、「あ、このお医者さんは合わない」と感じたら、セカンドに行くこともありだと思います。

ところで書籍の利点は、まとまった情報が余計な広告なしに見られ、熟考できることだと思います。最近図書館に行って、あ、これいいなと思った書籍がありまして、

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『国立がん研究センターの乳がんの本』(2018年6月27日発行)と、

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『国立がん研究センターのがんとお金の本』(2016年11月27日発行)

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『がんを生きぬくお金と仕事の相談室』(2019年2月15日発行)

この三冊です。
特に『がんを生き抜くお金と仕事の相談室』、は著者の方自身が43歳の時に乳がんを発症している、当事者です。拝読しましたが、まさに「当事者視点でまとめられている!」と感じました。「わかる!」と思わず声にも出ました。お勧めです!

ただ、書籍に関しては、選ぶ際にはなるべく最新に近いものがいいと思います。
5年前の乳がん治療と今とでは、違っていたりするからです。日々、陰ながら医療の進歩のために働いてくれている方々のおかげで、医学が進歩しているので、手にとった情報が古くなっているかもしれないからです。この記事を書いている今は2020年10月ですが、選ぶとしたらやはり理想は3年前か、長くとも5年前くらいがベストではないかと思います。

告知を受けた後の精神状態にもよりますが、難しいのはわかっていながらも、やはり

「まずは落ち着こう」

と自分に言い聞かせ、必要な情報を得られるかどうかが、大切だなと感じました。家族や大切な人に付き添ってもらったり、友人たちに客観的にその情報を精査してもらうのもいいかもしれません。つくづく、どんな戦いでも情報は必要ですよね。病気でもそうで、玉石混交な情報の海の中で、自分にとって必要な物を選びとる、これもなかなかの戦いです。
後、最後に、この情報戦において忘れてはならないのは、

「あくまで最終的な責任は全て自分自身である」

という覚悟です。これでいいのかなとどこかモヤモヤしていたり、夫が、親が、みんながこう言ったんだから…と人任せにせず、自分がどういう治療を受けるのか、最後には自分の責任で選ぶことが大事だと思います。もし、万一、治療が思う通りに行かなくとも、その方がきっと後悔が少ない、と思うからです。

10月はピンクリボン月間ということで昔の経験を思い起こして書いてみました。
どうか、病と向き合う、できるだけたくさんの方々が、自分にとって必要な情報を得られますように。

良い一日を❣️

            
                       2020年10月、 晴れた日に。


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