“現役書店員”がオススメする「本の読み方」についての本 vol.34
こんばんは。
皆さんには、自分なりの本の「読み方」はありますか?
僕は、子供が産まれてから本を読むようになったので、書店員をしていますが、これまでのベストセラーなど、実はあまり読んできていません。
それ故、慌てて速読を意識した読み方や、実際に速読に関する書籍も沢山読みました。
もちろん、どれも目から鱗で、取り入れたり参考にはしていますが、一方で、
「本当に速読して知識を得るだけで良いのだろうか?」
とも思っていました。
しかも内容はしばらくすると忘れてしまっている…。
ノートなどに書き写しても、です。
そんな時、出会った本です。
こちら↓
おすすめポイント
・読書は生きることと同じ
著者は岸見一郎さん。
大ベストセラー「嫌われる勇気」でおなじみの著者です。
本をなぜ読むのか?
から、読み方やアウトプットまでを丁寧に教えてくれます。
特に好きなのは、
ご自身の読み方や、読書への思いが豊富に綴られていて、「本と読者」への愛情を感じる点です。
僕なりの解釈ですが
・知識は定着させることはできないから、必要な時に本棚のどこにあるかがわかり取り出せれば良い
・速読で結論だけを理解してもあまり意味はなく、長い話は短い話にしなかった必然性があったはず
・途中で休んだり、辞めたり、どこにも到着しなくても良く、過程を楽しまなければ読書の意味がない
などの言葉たちに触れた時、心が、
「ふっ」
と軽くなったんです。
今、僕の解釈のために無理やり短くまとめましたが、岸見さんの文体はとても優しく穏やかで、明らかに読者に歩み寄った言葉づかいなのです。
「教えてくれる」というより「一緒に考えてくれる」という感覚です。
勉強や読書の目的を忘れかけた時、ふと、この本をめくりたくなります。
内容も含め、本書を読むこと自体が素敵な読書体験になることは間違いありません。
本との出会いがまた、今日から楽しみになります。