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認知症対策をFPの観点から考察してみる2 風まかせでなにもしない の巻き
しばらく、間が空いてしまいました。言い訳的に言うならば、先月「参加型裁判劇 極刑」の公演が有りまして、お陰様でドタバタしていた次第。
取りあえず公演も終わり、ようやく日常に戻ってきて、noteに取り組む時間が出来た、というわけです。
では、始めます!
「基礎情報」では、20年後に波平さんが74才、フネさん72歳でも、特に問題無さそうに見えました。
この時点で、波平さんには申し訳ないですけど「認知症」と診断されたとします。介護と医療などの細かい話は一旦置いときますが、デイケアや治療などなど、それなりに費用が掛かってきます。
アニメの中では食事などの生活一切は、磯野さんとフグ田さんの共同出資で賄っていそうです。(昭和感ありますね!)つまり、既に退職して
波平の年金額 23万円/月
フネの年金額 6.8万円/月
サザエの収入 8.5万円/月
マスオの収入 41万円/月
ワカメの収入 不明だが月に2万円を実家に入れている。
となっています。ワカメを除き収入額ですので、そこからそれぞれ税金や社会保険料や、食費やら光熱費やらを分担して払っているのでしょう。
この頃、波平さんが散歩に出かけると、迷子になってしまい警察に保護されるという事が2度ほどありました。一度診てもらおうと病院に行ったところ「老人性認知症」と診断されてしまいました。
今は、サザエさんも日中は仕事に出かけて、フネさんだけ。しかもフネさんは腰を悪くしていて、あまり動けません。やむなく居住している世田谷区新町3丁目に近い介護施設(この場合介護付き有料老人ホームA)を調べてみると、超びっくり!
東京都の施設は場所にもよりますが、相当高額なんです。
入居一時金3060万円(利用権方式)
月額 41万円
!!!!!サザエ・フネ・マスオ 揃って驚愕!
ですよね、初めに3000万円もかかるなんて・・・説明を聞けば、退去時には
償却残のお金は戻るらしいけど・・・・。
そもそも、お父さんの銀行預金は2250万円しか無いんだから、無理ですね。
そこで、「2250万円の半分くらいで、年金だけで済むところは無いか」と聞きました。たまたま、同じ世田谷区内にもう一軒介護付き有料老人ホームBが有りました。
入居一時金 1,150万円(利用権方式)
月額 22万円
仮に、74才入居で平均寿命までとすると
1150+((22-14.9)×12×7)=1747万円
※14.9は夫婦の年金の1/2です。
そこで、家族会議を開き、何とか預金と年金でやっていけそうだという事になり、早速契約を行う事としました。
しかし、
入所費用などまとまったお金を、波平の普通預金から1200万円ほど引き出そうと、フネさんは銀行に行きます。
窓口で定期預金を取り崩そうと、フネさんは、
フネ「主人の定期口座を解約したいのですが、どうすればよろしいでしょうか。」
窓口行員「ご資金は、どのような使い道でしょうか。詐欺などの防止のため念のため、お聞かせください。」
フネ「あら、詐欺ではないんですよ、主人が認知症と診断されて施設に入るものですから、そのあたりのお金をと思いまして・・・。ですので、主人は今日は家にいるのです。」
窓口行員「そうでしたか、それは大変ですね。しばらくお待ちください。」
と云って離籍し、奥に座っている上司らしき人の所に行き、何か話をします。しばらくして行員が戻ってくると、
窓口行員「磯野様、大変申し上げにくいのですが、お医者様に認知症と診断されてしまっていますので、磯野波平さんの当行の口座は全てご使用になれません。本来、口座名義人様の意思によりご利用されるのが筋ですので、本人の意思が確認できれば良いのですが、当行の規定で認知症と診断された場合は、例え奥様やお子様であっても、口座凍結となってしまうのです。申し訳ありません。」
フネ「・・・・・」
という事態が発生しちゃうんです。もちろん、金融機関によって若干の違いは有りますが、「名義人が認知症など、意志が正常でない状態」になると、その口座が凍結されてしまうのです。
年金は、波平さんの口座に入ってきますが、引き出すことは出来ません。よって、磯野&フグ田家の収入が毎月23万円減収となるのです。さらに、波平さんの医療費や介護費用などは、口座凍結になっているために、一時的にでもフネさんの預貯金、フグ田さんの預貯金などで、賄うことになってしまいます。これから、どのくらいの期間その支出負担が有るのか想像できません。
もちろん、保有している株式や不動産も波平さん名義の場合は、売却も出来ません。
フグ田さんだって、いつ何が起きるか分からないのですから、経済的にいきなり奈落の底に落ちることになるのは、無さそうで有る話なのです。
この場合の解決策は、裁判所に申し立てをして『成年後見制度』を利用するしかないのです。
なんだか、いきなり危機的状況に陥ってしまいましたね。
でも、高齢者の五人に一人は認知症となっている現状では、決して他人事ではないのです。
いつもお読みいただいてありがとうございました。
このシリーズでは、サザエさんに敬意を表して、こんな終わり方
あっという間に年末になってしまいました。大掃除が憂鬱な毎日です。
さーて 次回のお話は「キャッシュカードを親了解の元、子が預かり管理する」の1本です!
お楽しみに!
ジャン!
ケン!
グー!