女子枠の是非。
受験して地元国立大学の工学部に合格した上で辞退して、
東京の私立大学に行ったわたしなら、書いていいかなと思って書いてみる。
わたしが受験するとき、わたしの希望の学科が地元国立大学にはなかった。
やりたいことと微妙に違うから、他の大学に行きたかったのだが、
(例:医学部と歯学部のように医学系として似たような学問っぽいが、学ぶことは別のことが多いという感じ)
センター試験の点が足りず、第一志望の県外の国立大学は難しいとなった。
その時、地元だからとか、親孝行だとか、余計な説得でうちの担任は地元国立大学を勧めてきた。
「そこにはわたしのやりたい学問はない」と伝えても、担任は理解できておらず、譲らなかった。
親は地元じゃなくてもいいという考えだったので、親孝行は当てはまらない。むしろ、親は
「行けるものなら東大でも留学でも行けばいい」
「身を立て名を挙げの何が悪い、ガンガン出世しろ」
というタイプだった。(田舎のサラリーマン家庭なので、多分本当に留学するとなったら奨学金も含めて借金しただろうけど)
だから、地元国立大学を合格してから、辞退して、東京の私立大に行った。
田舎は国立至上主義だ。東大に行った数、京大に行った数、地元国立大に行った数を崇めている。
「私大に行ったのは、国立が落ちたからだ」と言われないために、わたしは絶対に国立に合格しなければいけなかった。
東京の私大に行ったのは、やりたい学問ができるところだったから。
後、都会に居たほうがいい大学から非常勤講師も来てくれるから。
田舎では、地元国立大と片手で数えるほどしか高等教育の場はない。
地元国立大の名誉にかけて言うが、とてもいい大学だ。当然、身内にも友人にも卒業生はたくさんいる。ただ、わたしがやりたい学問がそこになかっただけの話。あったら行ったかもしれない。
ちなみに、わたしが受けた工学部の某学科は、前期後期合わせて100人くらいの定員だったが、調べたところ女子は前期で5人受験して、2人合格して、実際に入学したのは1人だった。後期は確か受験者も0だった。
もしこのようなケースで女子枠というものができた場合、正規に合格した1人の女子学生は、他の(わたしを除く)3人の通常なら合格できない、大学が求めるレベルに達しない女子学生と同じように見られるのだろうか。
更には、その特別枠で合格した女子学生も嬉しいものなのだろうか。
「君たちはいいね。女子というだけで成績が足りなくてもここにいるんでしょ」
「君より遥かに優秀な男子学生が他に居たのになあ…」
在学中にこのように言われ続けても、事実な部分も含まれているから否定できない。
でも、それは違うんじゃないか。
20年以上前だけど、100人合格する学科に、女子の志願者がそもそも5人しか居ないくらい、希望がなかったってこと。
そして、そのうちの3人は成績が足りなかったから不合格になっているということ。
13人程度の特別扱いのために、他の正規の学生さんまでとばっちりを受けるということにならないか。
国立大だからこそ、性差にかかわらず成績だけで選んでほしいと思うのは、間違っているのだろうか。
余談だが、わたしが行った東京の私大は、
「内申が最悪で、補導歴があったとしても、入試で取った点で合否は決まる」
と学寮の先生が言っていた。本当かどうかはわからないが、うちの大学の雰囲気を知る人に言わせると、
「ああ、そんな感じがするね」。
何年か前に医学部に関して多浪不利、女性不利という話があった。
後、子育てが終わった年齢の女性が国立医学部を受験して、合格点に達していたけれど「将来的に医師として働ける年数」を考えると若いものを取りたい(医師になった年齢が50歳ならせいぜい30年だけど、20代なら50年以上働ける可能性がある)という理由で不合格にされたという話もあった。
医学部は他の学部学科よりも国からの補助金が多いから考えることはわかるけれど、ならば最初から年齢制限を受験概要に書いておかねばならない。
正当に努力したものが嘆くことのないシステムをと願っている。