【本の話】天アンカットを知っていますか


書籍の「天アンカット」をご存知でしょうか。

小口のうち上方である「天」のみを断裁(化粧裁ち)せずに残す製本手法

Wikipediaより

岩波新書や新潮文庫、ハヤカワ文庫、創元推理/SF文庫などがこの「天アンカット」を採用しています。
知らない方も多いようで、いちどクレームを受けました。「こんなガタガタな製本、初めて見た」と。軽く説明したら「あらそうなの」と納得してくださいましたが、説明しても分かってくれない人、いるんだろうなあ。「こういう“仕様”です」で済めばいいんだけれど。

わたしは「天アンカット」大好きです。例えば同じ作品が2社から出ていて、すべすべカット(なんだそれ)と天アンカットだったら、迷わず天アンカットの方を選びます。
文豪と呼ばれる人たちの本、角川文庫と新潮文庫両方から出てるものがまあまああるのですが、わたしは新潮文庫で買います。たとえ角川文庫版が大好きな文ストコラボの表紙であったとしても。

新潮文庫はスピン(しおりひも)にこだわりがあるのだそう。スピンをつけるために上部の裁断ができない、と。スピンありき。そういう硬派なところ、推せる。

製本の工程上、小口の三方を切り揃える「三方裁ち」よりも「天アンカット」のほうが手間とコストのかかる手法である。天を断裁せずにすむような紙の折り方(頭合わせ折)をする必要があり、印刷段階からの工夫が必要となるためである。

Wikipediaより

へえー。そうなのか。そりゃそうですよね。
天アンカットの本、読んでても中の文字の高さは揃っているので全く違和感ないし。

天アンカットの解像度が上がって、ますます好きになりました。今度は創元社の文庫買おうかな。あとハヤカワ文庫さんは早く「三体」出してください。


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