見出し画像

卒園式本番じゃないのに卒園ソングで涙が出た理由

まもなく卒業シーズンです。
今年は長男が3年通った幼稚園を卒園予定なので、我が家もなんとなく気持ちが落ち着かない日々が続いています。

卒園式ソングの練習が始まった

2月後半になり、珍しく長男が「あたらしいおうたのれんしゅうしているんだよ」とその歌を教えてくれました。

”みんなともだち ずっとずっとともだち
がっこういっても ずっとともだち”

(あ、卒園式の歌なんだろうな)
普段自宅で幼稚園で習った歌を歌うことはめったにない長男。珍しく気に入ったようで、ほぼ毎日口ずさんでいます。

長男の歌から推測すると、卒園式で歌うであろう曲はこの2曲。

  • みんなともだち(作詞・作曲/中川ひろたか)

  • さよならぼくたちのようちえん(作詞/新沢としひこ・作曲/島筒英夫)

ネットで調べてみると2曲とも昔から卒園式で歌われている曲でした。実はわたしは2曲とも知らなかったけれど……。

はじめて聞いた曲なのに、子どもから少し歌を聞いただけでジーンとしてしまったのです。

はじめての「ともだち」

長男は甘えん坊で人見知りです。

2歳のとき下の子が生まれてまもなくコロナが流行。自宅待機で外の遊び場にも連れて行けなかった影響もあって友達と遊ぶというよりも、母親の側で遊んでいるような子でした。

幼稚園に入っても幼馴染の側を離れず、友達の輪に入る様子は見られませんでした。
当時は年少ということもあり、あまり気にしていませんでしたが、年中になって幼馴染とクラスが別れた時は少しドキドキしたのを覚えています。

年中の夏休み前の個人面談で、先生からこんなことを言われました。
「自分が安心できるお友達の手を離さないんです。その子しかダメなんです。」
心を許せる友達の手をとって、他の友達とはほとんど遊べていないんだとか。

だからといって、年中の子にどうこう言っても仕方ないし、幼稚園のことは先生にお任せしようと思ったのは今でも覚えています。

子どもの成長とは不思議なもので、夏休みが明けて間もないころ、幼稚園に行くと知らない男の子たちと遊んでいる長男の姿がありました。

「Aくんが手を引いてくれて、一緒に遊ぶようになったんですよ!」

先生の喜んだ顔と、楽しそうな長男の姿は忘れません。
長男の手をとってくれたAくんに、とても感謝しました。

長男とAくんはかなり仲良くなったようで、年長になってからはAくんの話を聞かない日はありません。

性格や好きな遊びも真反対のAくん。長男はかなり影響を受けて、この1年でだいぶ活発になり、かけっこ、ドッジボール、サッカーなんかもするように。

少し前までは想像もできなかったような遊びを楽しんで帰ってくるようになりました。

さらに、活発になってからAくん以外にもたくさんのお友達ができました。今では、幼稚園に顔を出すと「〇〇のママ~!」と声をかけてもらうことが増えるほど。

友達の影響はほんとうに、大きい。

”みんなともだち ずっとずっとともだち
がっこういっても ずっとともだち”

長男が今、どんな気持ちで『みんなともだち』を歌っているのかわかりません。

長男の幼稚園は地元ではないので、一緒の小学校に通う子は4人。年中で仲良くなったAくんとも他のお友達ともお別れです。

なかなかお友達ができなかった長男が「ともだち」を歌うことと、わたしの中の長男の成長の思い出が重なって、明るい歌なのに泣けてきたのでした。

直球すぎる「さよなら」

卒園式で歌う2曲のうち、長男は『さよならぼくたちのようちえん』のほうが好きな様子。
繰り返しYouTubeを見ています。

長男の話では、練習のときに歌いながら泣いている子、泣きそうな子もいるようです。卒園だとわかっている様子。

「〇〇(長男の名前)は、歌ってて泣いた?さみしいと思う?」
「ん?全然!」

元気な返事がかえってきました。

どうやら、長男の中では卒園の曲だから気になっているというより、単純にリズムやメロディが好きだったようです。

6歳ってそんなものですよね。子どもらしく素直でいいなと思います。

ちなみにわたしは、この曲の「まさにそのまんま」な直球なところにグッときました。

”たくさんの毎日をここですごしてきたね 何度笑って 何度泣いて 何度かぜをひいて”
”たくさんの友達とここで遊んできたね 水遊びも 雪だるまも きっと忘れない”

幼稚園の生活のまんま、本当にそのままの行事、思い出が歌詞に詰まっています。
そんな思い出が詰まった幼稚園。

”この次遊びに来るときはランドセルの一年生”

この曲を歌う日が本当に最後なんだな、と思わせる歌詞。まだ卒園していないのに涙が滲みます……。そうなるのはきっと、わたしだけではないはずだと思っています。

本番は絶対泣く

わたしは小さい頃から人前で泣くことが苦手でした。映画館に行くのも、家族とドラマを見るのもあまり好きではありません。

自分のこれまでの卒業や別れに関しても泣いたことはないし、この先も人前で泣くことはないだろうと思っていました。

子どもを産むと涙もろくなるというのはあながち嘘ではないなと思う今日この頃。ホルモンのバランスもあるかもしれませんが、子どもと向き合ってきたから自分の気持ちを表に出すことに素直になれたのかもしれません。

子どもの成長に合わせて母親としても成長させてもらっているんだな、と思ったらまた涙が出てきそうです。

卒園式当日は子どもたちの歌で、人前でもきっと泣いてしまうでしょう。すでに卒園は喜ばしいけれど、とてもさみしい気持ちでいっぱいです。

長男と、大好きなお友達たちがどんな歌声を聞かせてくれるのか、今から楽しみです。


この記事は「なつみと式Webライティング講座」の課題で執筆したものです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?