自分の姿は自分で見ることができない。

人は自分で自分の姿を直接見ることができない。鏡に映らないと自分を見ることができない。なぜ自分の姿を直接見ることができないのだろう。不思議だ。

小学生の頃から思っている疑問。

鏡や反射する物質、カメラなどがこの世の中に存在しない場合、自分で自分の姿を一生確認することができない。容姿は他人に教えてもらうしか他ない。

その場合、僕は絶世のイケメンかも知れない。

カメラは主観。ゲームでいうFPSだ。

ショックなことに、この世の中には鏡がありカメラがある。鏡や写真の自分を知っているから自分の顔や姿を認識できているだけである。のちに、鏡に映る自分は残念ながらイケメンではないと知る。多感な青春時代、過剰な自意識のせいで、気にし過ぎる性格になってしまった。

鏡に写ったあなたと二人、情けないようでたくましくもある、顔と顔を寄せ合い確かめ合ったらそれぞれ、玄関のドアを一人で開けよう。

唐突にグローブの名曲『Face』ですが、本文になんら関係ありません。変な歌詞。

情けないようでたくましくもある鏡に映った自分。でも鏡に映る自分は都合のいい自分で、ある程度“自分の顔”を作って鏡を見る。そしてドアを開ける。

鏡に映る自分はどうやらウソのようだ。

写真に写る自分が本当の自分で写真を見返すたびに毎回顔が違う。鏡の中の自分と写真の自分。

室内の照明や屋外の明るさや暗さの関係もあるが。

顔の表情は筋肉の動きによって1秒ごとに変わる。その瞬間を切り取るようにシャッターを切る、カメラに収める。瞬間の顔が写される。
瞬間を切り取るので微妙な顔になることが多々ある。自分のイメージしている“理想の顔”からかけ離れていることが往々にしてある。理想と言っても顔に自信がある訳ではない。自分で言うのもアレですが、イケメンではないが、ブサイクというほどでもない。

カメラに撮られ慣れしているかしていないか。
客観的な自分の顔を把握しているか。つまり自分の“キメ顔”を知っているか。

僕は圧倒的に後者で完全に慣れしていない。どちらかといえば撮られるのが嫌いだ。

カメラに納められた顔がどうやら自分の“真実の顔”のようだ。

これが本当の顔。

じゃあ自分の本当の姿とは。

人間の体は自分では半分くらいしか見えない作りになっているようで、もう半分は他人が見ている。つまり、半分、他人の評価があって自分がある。

“君たちがいて僕がいる”吉本新喜劇でおなじみのチャーリー浜さんの往年のギャグである。

この言葉よく考えてみると深い。

そう人は誰でも他人がいて自分が存在する。
他人は自分を映す鏡であり自分は他人だ。自分を取り巻く環境があって“自分が作られていく”いろんな関係性があって、いろんな影響を受けながら自分が存在している。自分は毎日作られていく。

俺があいつであいつが俺だ。

心が先にあって見えている景色がある。

目で見ようとして見ているのだけれど、見えていない。目で見なくても見える。心がそうさせるのだろう。見てないようで見ている。

軽いテーマでいこうと思っていたけど、結構深くなってしまう気がする。もはや禅や般若心経に繋がって行く気がしてならない。

今回はこの辺で。

最後まで読んで下さりありがとうございました。

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