「感謝と祈り」第713話
今日は【ブッダの言葉】を紹介します。
師は答えた。
「子のある者は子について憂い、また牛のある者は牛について憂う。実に人間の憂いは執着するものである。執着するもとのもののない人は、憂うることがない」
(スッタニパータ3)
ブッダは《執着から苦しみが生まれる》と言われました。
なぜ、この言葉に牛が登場するかというと、インド人にとって牛は財産だからみたいです。
つまり、子どもや財産を持つ者は、子どもと財産のことで悩み、何も持たない者は悩むことはないと、ブッダは説いています。
子供が生まれた時は、可愛くて何もいらないと思っていたのに、大きくなって言う事を聞かなくなったり、勉強が出来なかったりすると、親は嘆いてしまいます。
一方、「財産はあればあるだけいい」と思うかもしれませんが、増えたり減ったりで一喜一憂したり、土地や家を所有していれば、それらの価値も気になります。
こうした悩みの原因は、子どもも財産も「自分の所有物」だと思い込んで執着しているからだといいます。
さらに、自分でコントロールしたいと考えてるからで、こうした形のあるものだけに頼るのはとても残念な事です。
なぜなら、 「諸行無常」という言葉があるように、すべては変わり、形あるものはすべて壊れ、消えてしまいます。
また、子どもにしても配偶者にしても、友だちにしても、自分の思い通りにすることは不可能なのです。
誰しもみな自分の意思があるので、自分の思う通りになるわけがないのです。
ブッダは、「自分の思い通りにならないもの」に対して自分が思うようにコントロールしたいと思い、執着することを、あらゆる苦しみの根源とみなしています。
そうならないためには、自分自身を頼りにし、仏教の教えを拠り所にすべきであるとブッダは教えてくれます。
諸行無常を受け入れ、何事も自分の思い通りににはいかないという事を意識して、執着する心を手放していきたいですね。
今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。