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「感謝と祈り」第984話
私達は感情の動物なので、ちょっとした事でイライラしたり、誰かの一言によって落ち込んでしまう事ってありますよね。
一体どうすれば、もっと上手に感情をコントロールする事が出来るのでしょうか?
曹洞宗徳雄山建巧寺住職の枡野俊明氏は、「無心」でいる事が大事だと仰います。
確かに無心で過ごせば、感情に振り回されず、気持ちはいつも平穏でいる事が出来るでしょう。
でも、無心でいる事は容易なことではないですよね。
無心になろうとして坐禅を組んだとしても、「無心でいなければ...。」という思いが強いと、色々な事が浮かんできで堂々巡りになってしまいます。
結局、坐禅をしていても、浮かんでくる思いを止める事が出来ないのです。
では、どうしたらいいのでしょうか?
そんな時は、浮かんできた思いはそのまま放っておけばいいのだそうです。
つまり感情に逆らわない方が良いという事です。
頭の中に何か浮かんでも、浮かぶに任せ、消えるに任せる事が、「無心」に近い心の有り様なのだそうです。
禅語の中に、ら「雲無心にして、岫(しゅう)を出(い)ず」という言葉があります。
これは、雲はなにものにもとらわれず、風が吹くままに形を変え、いざなうままに動いていきながら、雲であるという本文を失う事はない、という意味だそうです。
これこそが、無心を現じてる姿。
私達も、気分が晴れ晴れといている時も、腹をたてている時も、それにとらわれていたら、心は大きく乱れてしまいます。
もちろん喜怒哀楽は大切な感情だから、湧き上がってくるのに任せればよいのですが、それを自分の力で何とかしようとするから、いつまでもそこから離れなくなってしまうのです。
その時どきの感情に「動かされないでいよう」と力むのではなく、浮かぶに任せ、消えるに任せでいいのです。
竹のように、風の強さに合わせてしなやかに撓む事が出来るように、お任せの気持ちが良いのかもしれません。
今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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