2. わかること
名前がいくつかある。お好きなように呼んでいただいて、しっくりくるものを選んでいただいて、そのときどきで変えていただいて、自由にしていただいて構わない。
名前を呼べないときがある。普段の呼び方も苗字も仲間内のニックネームも、どれもが当てはまらないとき、少し悪戯な気持ちであたらしい名前を考えてみたり。
名前を呼べるということは、その名前の相手と何かしら関係があり少なからず情報があるということだ。
名前を呼ぶということは、自分にとっての相手を示すということだ。斎藤さん、ゆうかちゃん、みっちー、ダーリン、あんた、ベイビー、クソ野郎。
名前を呼ばないということは、無限な自由を与えるということかもしれない。
名前を呼ばれないということは、ひどくさみしいことかもしれない。
名前がいくつかあるということは、その数だけ自分がいるということだ。そんな人生を、存分に楽しめたらと思う。