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インプレッション

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#レビュー

2017年明けに聞いたもの

文章最後の「★」は最大4つの、アメリカの新聞方式 Pain of Salvation - In the Passing Light of Day:  ちょうど10年前に出たこのバンドの「Scarsick」を私は非常に好んでいて、それまで人類の進化だのカラチャイ湖への放射能物質不法投棄だのを変拍子多用のノリづらい楽曲に載せて歌っていた過去作とはまるで違う、社会への普遍的な憎悪と悪意が非常に分かり易く突き出たメッセージと、平均7分の長尺でもちゃんとパンチの効いた曲の数々から、異

【2016年12月】長編映画の短い感想

文章最後の「★」は最大4つの、アメリカの新聞方式 ----- War Dogs [RT]:  エフレイム・ディヴァロ(Efraim Diveroli)とデイヴィッド・パクオズ(David Packouz)という名前を聞いて、彼らの仕事が何なのかを即答できるひとは、かなりアメリカの軍事に関する事情を追っている証拠だと思う。簡単に言えば、2005年から2008年の間に、国防省に武器を売りつけていた、武器商人。  アニメ版が原作を超えた「ヨルムンガンド」もそう言えば武器商人の話

【レビュー(Review)】ズートピア(Zootopia)

(以下、今年3月ぐらいの感想なので、詰めの甘いトコ多々あるが、まあそれも一興) 事前評判の高さや、直接やり取りしている方々から「見たら感想を是非」と言われていたので、デッドプールに続く今年2つ目の大きな話題作、「ズートピア(Zootopia)」を見てきた。 家族連れが大挙する「サンタアニタ・モール(Santa Anita Mall)」へ、日曜の午前中に向かったからか、1人$7で見れる午前の回は完売。 午後以降はチケット代が1人$12にハネあがるので、どうしようかと思った

映画「Moonlight」感想

先日これを近所のインディ系シアターで観た際に言及したけど、来年早々に発表になるアカデミー賞の候補数を、「La La Land」と共に多分争う気配が濃厚な一作。 一言で説明するなら、マイアミの中でも黒人が主に住むゲットー(実際、撮影の殆どで、監督本人が出身のリバティ・スクウェアで行われた)で生まれ育った黒人男性の、人生記。幼少期、青年期、成人期の三部に分けられ、それぞれ違う役者を使い、物語を進めていく構成。 題材的に正直、どこまで「入れる」かは分からなかったし、ラストの成人

【2,323】ポール・バーホーヴェン監督の10年ぶりの長編「Elle」

昨日書いた通り、午前中に優先事項を全て片付けてから、仏独白合作映画「Elle」を観てきた。 近所のラメルに行ったのはかなり久々だったが、いかにもインディペンデントな作品のポスターが多数貼られていたり、立て看板があったりと、雰囲気満点さが相変わらずだった。 着いた時間がギリギリだったので予告編の大半を見逃したが、まあこの作品、冒頭いきなり衝撃映像なので、本編に間に合って良かったわよ。 オランダはアムステルダムに、戦時中の1938年に生まれたポール・バーホーヴェン監督(Pa

【2,923】ディズニーのモアナ

サンクスギビング連休の最後だからどうせ早起きする家族なんてそこまで居ないだろう、と高を括って朝10時の回に向かってみれば、店員からSOLD OUTと、見事に一言。 次の回は12:10からだが、12:00pmを過ぎるとAMCシアター特有のバーゲン価格($7)が適用されず、$12となるので、$4高めに払って10:45の3D仕様の回に切り替える。 春にズートピアを観に行った時も全く同じ目に遭ったが、ディズニー初のポリネシア系ヒロインの大冒険という、決してキャッチーではない題材で

ここ数カ月で聞いていたもの

文章最後の「★」は最大4つの、アメリカの新聞方式 Lady Gaga - Joanne:このひとが5年前に出した「Born This Way」は、終始アッパーでバタバタした曲の連発が、強引なインパクトを与えてくれて、それがかなり心地良かったのであんときゃ随分と元気を与えてもらったものだが、今回は豪華なゲスト勢にも関わらず、かなり抑えた雰囲気の、飾りっけのない作風。「Sinner's Prayer」や「Angel Down」のようにそれが巧く作用している印象的な曲も有れば、地

ここのとこ聞いたアルバム(10月下旬)

文章最後の「★」は最大4つの、アメリカの新聞方式 REOL - Σ(Sigma):快活なのに後ろ向きさを漂わせた歌声と、終始速やかに畳みかけるバック・トラックが、間髪入れず紡がれていき、13曲46分を一気に聴かせてくれる、とても新人のデビュー作とは思えない密度の濃さ。トイズが力を入れてPRするわけだ。2、3、5、7、8、10、13曲目辺りは一発で気に入ったし、ここ何年も30分を超えるアルバムを聞くのがキツくなっていた私が、各曲に興味を惹かれっぱなしで聞けたホドだもの。(歌詞

【過去文章の再掲載】事実を基にした長編ドラマ映画、『Spotlight』

(以下の文章は、2015年11月29日に余所で書いたものの、再掲載) 今年のサンクスギビングは久々に、連休気分を楽しめた。 別に休みであっても、パソコンとWifiさえあればどこからでも仕事は出来るし、頂いた質問や連絡などにはすぐに返すようにしているが、連日で映画を見に行ったり外食に出たりすると、「対応は、まあ明日でいいや。」という気分になりがち。 おかげで連休明けの月曜は、かなり忙しくなりそうだが、それでも一番仕事をさせられていた時期の半分の作業量にも満たないので、激務

さっき聞いたもの(10月下旬)

文章最後の「★」は最大4つの、アメリカの新聞方式 Korn - The Serenity of Suffering:一か月以上前から公開されていた楽曲群がいずれも良かったのでかなり期待していたし、実際、このバンドの向こう14年ぐらいの低調を、吹き飛ばして有り余った。ここ数年でロック音楽専門プロデューサーとして名を馳せたナッシュビルのひとを迎えたのもあって、全体的に重く、冷たく鋭い音作りなったのが、先ず大きい。加えて、一時期はダブステップやらエレクトロニカにまで手を出して迷走

最近聴いたもの(2016年10月中旬)

文章最後の「★」は最大4つの、アメリカの新聞方式 Suicide Squad - The Album:21パイロッツによる主題歌「ヒーゼンズ」を始め、今のアメリカの若い層にウケるアーティストや楽曲が、ぎっしり詰まってる。大予算ハリウッド映画のサントラは昔から、その時代に沿った、若い子ウケするアーティストを揃えるのが本当に巧いのだが、これもその例外ではない。全部新曲ではなく、古い曲も幾つか混じっているが、BGM代わりのサンプラーとしては抜群の内容だと思う。パニック・アット・ザ