東南裕美

株式会社MIMIGURI リサーチャー|立教大学大学院経営学研究科博士後期課程|共著『M&A後の組織・職場づくり入門』|組織開発がチームの創造性にもたらす影響とメカニズムについて研究中✏️|2024.02~福岡移住🏠

東南裕美

株式会社MIMIGURI リサーチャー|立教大学大学院経営学研究科博士後期課程|共著『M&A後の組織・職場づくり入門』|組織開発がチームの創造性にもたらす影響とメカニズムについて研究中✏️|2024.02~福岡移住🏠

最近の記事

  • 固定された記事

組織開発を"イベント"で終わらせない:日常的に継続する「組織開発行動」の提案

私は現在、人と組織に関する専門性を持つ経営コンサルティングファーム株式会社MIMIGURIでリサーチャーとして働きながら、立教大学大学院経営学研究科 博士後期課程で「組織開発」の研究をしています。 先日、日本教育工学会に投稿していた論文「企業内ファシリテーターによるサーベイフィードバック型組織開発行動尺度の開発」が採録され、早期公開されました。 この研究をはじめて、論文という1つの形になるまで結構な時間がかかったので感慨深い気持ちでいるのですが…それはさておき、このnot

    • MIMIGURIに研究チームを立ち上げて約1年を振り返る

      この記事はMIMIGURI Advent Calendar 2023の12日目の記事です。前回は同じチームの小田さんの記事「アイデンティティは創造性の源泉だ​​」でした。 MIMIGURIは昨年からアドベントカレンダーにチャレンジしています。昨年のアドベントカレンダー企画で、私は「MIMIGURI研究開発本部で実現したい3つのこと」というテーマで記事を書いていました。 3つのことというのは、 1. 実践を触発する研究がしたい 2. 研究活動のための豊かな土壌をつくりたい

      • MIMIGURI研究開発本部で実現したい3つのこと

        この記事は、MIMIGURI Advent Calendar 2022の24日目の記事です。 株式会社MIMIGURIのメンバーが、12月1日から日替わりで記事を執筆しています。これまでの記事はこちらにまとまっているので、よろしければ合わせてご覧ください。 MIMIGURIは、今年2022年2月に、文科省認定の研究機関となり、社内に研究開発本部を設けることとなりました。創業時より事業の基盤として研究活動を重視しており、組織の創造性の土壌を耕す経営モデルの確立と体系化を目指

        • 組織開発は"漢方薬"、組織変革は"外科手術"、は本当か?

          本記事はCULTIBASEにも掲載しています。 「組織開発は漢方薬、組織変革は外科手術」 しばしば、「組織開発」は「組織変革」と対比してこのように喩えられます。 「組織開発」は、目に見えないヒューマンプロセスの部分に働きかけを行い、対話を通してじわじわと組織を変えていくボトムアップの取り組みであり、「組織変革」はトップダウンでテコ入れをするように組織にグッと変化をもたらしていくもの。 組織を1つの生命体と考えると、「組織開発」は組織の内部に働きかけて中長期的に組織をよ

        • 固定された記事

        組織開発を"イベント"で終わらせない:日常的に継続する「組織開発行動」の提案

          組織開発でいかに変化をもたらすか:学習の鍵を握る「組織アンラーニング」

          私が普段、組織開発のプロジェクトに直接関わったり、プロジェクトの様子を第三者から見聞きするとき、「組織開発は(大変だけど)面白いな。このプロジェクトではこんな風に人や組織が変わっていったのか」と思うことが大半です。 けれども以前、ミミクリ外で個人的に参加していた組織開発のプロジェクトで、なんだかもやっと感の残る場に居合わせたことがありました。今日はそのときのプロジェクトを振り返って考えたことについて書いていきたいと思います。 改善点ばかりがでてくる組織開発への違和感そのプ

          組織開発でいかに変化をもたらすか:学習の鍵を握る「組織アンラーニング」

          改めて"組織開発"の定義を探る

          本記事はCULTIBASEにも掲載しています。 よい事業を生み出していくには、その土台となる組織が健全な状態であることが欠かせません。 そんな健全な組織を作り出すために、組織開発はここ数年で実務的にも数多く取り入れられ、その用語も頻繁に用いられるようになりました。 しかし、その広まりとともに、組織開発が誤って理解されてしまったり、組織開発が安直に取り入れられてしまったりすることもあります。 本連載「組織開発の理論と効果」では、そんな状況をふまえ、改めて組織開発を学び直

          改めて"組織開発"の定義を探る

          リモートチームで創造性や協調性を高める5つのコツ

          2020年5月末、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言も全国的な解除をむかえました。 6月より再び出勤義務が課されている企業・組織もある一方で、リモートワーク期間の対応を経て、今後も一部リモートワークに代替するといったように働き方を見直していらっしゃる企業・組織もあるかと思います。 ミミクリデザインでも、6月以降はリモートワークを基本とする勤務ガイドラインを作成し、緊急事態宣言になる前と今とでは、働き方にやや違いが見られています。(もともと自由な働き方を奨励していた

          リモートチームで創造性や協調性を高める5つのコツ

          何をもって組織開発は“成功した”と言えるのか

          本記事はCULTIBASEにも掲載しています。 連載「組織開発の理論と効果」2回目の記事となる今回は、組織開発の成果指標を扱っていきます。 連載第1回目の記事で、組織開発は「広義」に捉えるスタンスがある、すなわち様々な組織介入を組織開発と見做す立場があることをご紹介しました。 組織開発の介入の範囲が広く捉えられることもあるためか、組織開発の先行研究をレビューしてみると、その指標が実に多種多様であることに気づかされます。 組織開発を通じて組織が今よりも”良い状態”になる

          何をもって組織開発は“成功した”と言えるのか

          創造的な学びを促す「ワークショップ型研修」の効果をどのように測るか

          本記事はCULTIBASEにも掲載しています。 人材育成や組織開発を目的として研修設計をする際、参加者にどのような変化を生み出したのか、いわゆる「学習効果」を示さなければ、プログラムの効果を評価することができません。 しかし、多様なスキル獲得を目的とした人材育成や複雑な組織開発のために取り入れられるワークショップデザインに基づいた研修(以下、ワークショップ型研修)は、従来型の研修に比べて「目標」や「評価ポイント」が多様なため、参加者は本当に学習をしたのか、教育としての効果

          創造的な学びを促す「ワークショップ型研修」の効果をどのように測るか

          組織学習とは何か:組織の成長を支える学習のメカニズム

          一般的に「学習」というと、個人が学習することを思い浮かべることが多いと思いますが、近年「組織学習」という考え方への関心・注目が集まっています。 「組織学習」という言葉への馴染みがない方でも、「学習する組織」や「U理論」といった言葉については耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。これらの概念は、組織学習に関連したキーワードです。こういったキーワードは実務家の間で認知が高まっているものの、「組織学習」という概念について包括的に説明されている書籍はこれまでほとん

          組織学習とは何か:組織の成長を支える学習のメカニズム

          "コミュニティ"とは何か:"組織"との比較から手がかりを掴む

          "コミュニティ"と"組織"、これらはしばしば別の土俵で語られたり、あるいは曖昧な使われ方(区別のされ方)をすることがあります。 私自身、この区別について考え続けてきており、コミュニティ論や組織論のレビューを進めていたところ、両者の区別は非常に曖昧で、要は認識論として捉えるのが建設的なのではないか、という考えに至りました。 このような考え方に至った経緯について、もう少し丁寧に書いていきたいと思います。 "コミュニティ"という言葉の成り立ちコミュニティの元来の意味は「共同体

          "コミュニティ"とは何か:"組織"との比較から手がかりを掴む

          地域活性化に関する概念の整理:まちづくり、街づくり、観光振興などの違い

          ミミクリデザインのプロジェクトでは、人材育成や事業開発の案件であっても、間接的に「地域活性化」に関わることが少なくありません。 しかし地域を"活性化する"といっても、多様なアプローチが考えられ、関連するキーワードも「まちづくり」「都市開発」「観光振興」などさまざまです。 そこで、地域活性化に関するさまざまな論文や書籍のレビューを通して、これらの概念の相違や関係性について整理を行いました。 地域活性化とは何か地域活性化・まちづくり・都市開発・観光まちづくりのうち、もっとも

          地域活性化に関する概念の整理:まちづくり、街づくり、観光振興などの違い