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子どもの失敗を成長に導く "ことばがけ"

7歳までのことばがけはとっても大切!

あなたが今日、最後にあの子に言葉をかけたのは、いつでしたか?
それは、どんなことばでしたか?

毎日の生活の中で、子ども達に何気なくしていることばがけ
「おはよう」から「おやすみ」まで、口から出ては消えていくそのたくさんの言葉には、私達が想像するよりはるかに大きな力が秘められています。

特に、子どもが7歳までの間にかける言葉には、その子の一生を左右するほどの影響力があります。子どもにいい影響を与えることばがけをした場合、それは、その子の人生を応援してくれる明るい声として、その子の心に残り続けます。

けれども、もし、そのことばがけが子どもに悪い影響を与えるものだとしたら…。その子の心には、その後の人生でも何かにつけてその子の足を引っ張る声として残ってしまうのです。(*1)

え?7歳までのことばがけって、そんなに大事なの?と、びっくりした方も多いと思います。そうなのです。
子どもをやる気にさせるほめ方とか、子どもがグズった時の対処法など、生活の流れをスムーズにこなすためのことばがけについては聞くことは多いのですが、ことばがけがその後の人生に与える影響までは、考える機会が少ないものです。

ことばの影響力はずっと残っていく


しかし、子ども達に言葉をかけない日など、ありません!
せっかくかけるならば、ちゃんと子どもにいい影響を与える言葉をかけたい!

ということで、
何回かに分けて、7歳までのことばがけのコツについて一緒に学んでいきましょう。第一回目は、子どもが失敗した時にかけたいことばがけについてです。

(*1)どうして7歳までにかけた私の言葉が、その子の心に残り続けるの?と疑問に思われた方は、まずこちらの「子どもの心の中に作られていく自分の分身」について書かれたこちらの記事を読んでみて下さいね。



子どもの失敗は「成長」のもと

子ども時代は、本当にたくさんの失敗をしますよね。
何かをこぼしたり、壊したり。
大事なものを忘れたり、無くしたり。
時には、誰かを傷つけてしまったり、自分が傷ついたり…。
子どもは、どんな失敗でも必ずそこから何かを学ぶことができます。

子どもが失敗をする原因はさまざまですが、未熟さや経験不足からくることがほとんどです。

  • 手指の動きが未熟だった

  • 体の動きを思い通りにコントロールできなかった

  • 先の見通しが甘かった

  • 勘違いをしていた

  • 大丈夫だと思ったことが大丈夫じゃなかった

  • 覚えていたつもりでも忘れていた

  • あまり深く考えずに行動した、など…。

だから、その失敗を通して何が足りなかったのかを知り、
次に同じ状況になったたらこうしよう!と考えることができる、
とてもいい学びのチャンスなのです。

「だって、9時だと思ったんだよ」「6と9、まだ混乱中かぃ…」


失敗すればするほど、その経験値は上がります。
大きな失敗は、大きな学びを与えてくれます。
もちろん、失敗というのは決して気持ちのいいものではありません。
でも、子どもには、
今そういう失敗して、よかったね!
この失敗から、いろんなことがわかって、よかったね!
と、その後の人生にプラスになるつなげ方ができるように、導きたいのです。

では、失敗から学び、その学びをその子の心にしっかり届けるためには、どんなことばがけをするのがよいのでしょう?



子どもの失敗を成長に導くことばがけとは

失敗したとわかったその瞬間の、周りの大人の反応がとても大切になってきます。
子どもが失敗から学ぶためには、その子本人が、

  • 状況を冷静に判断し、

  • 何が足りなかったのかを考え、

  • 「次はこうしよう」と希望をもてること

が、大切になってきます。ですから、周りの大人は、大きな声で叫んだり、叱ったり、取り乱したりせず、まずは「失敗は誰にでもある!ここからどう導くが肝心だ。」と気持ちを落ち着け、次のステップ1.2.3.4を実行してみましょう。



子どもの失敗を成長に変えるステップ1.2.3.4

STEP 1 : 安全確認、状況把握

子どもが失敗したその瞬間は、まずは何も言わずにとにかく安全確認。
周囲の状況を把握してみましょう。

 ⚫︎ケガはないかな?
 ⚫︎壊れたものが飛び散ってはいないかな?
 ⚫︎他に傷ついたり、被害を被ったりした人はいないかな?

もし危険な状態になっていたら、子どもを安全な場所まで移動させた上で、どんな風に危険な状態になっているのかを、子どもと一緒に把握します。
大切なものをどこかに置き忘れた、約束の場所にいくのを忘れた、などの場合には、連絡するべきところにして、状況を確認します。

STEP 2:気持ちのケア
安全が確認できたら、次はその子や周りの子の気持ちを確認です。
 ⚫︎びっくりしているかな?
 ⚫︎怖がっているかな?
 ⚫︎嫌な思いをしている子はいないかな?

そして、ここで初めて、声をかけるタイミングがきます。
ショックを受けている子には「大丈夫?」
どうしたらいいのかわからない子には「どうすればいいと思う?」
拭いたり片付けたりしようとしている子には「自分だけでできるかな?」

ここで大切なのは、子どもはこの時点から既に、失敗したという事実から学びを得ようとしているということです。
周りの大人が「ほーら、だから言ったじゃないの!」とたしなめなくても、ちゃんと状況から学んでいこうとしています。本人の力を信じて、それを見届けられるかどうか、大切な時です。

STEP 3:できることを探して行動にうつす
気持ちのケアを続けつつ、次はその場の状況を一緒に把握して、どうしたら失敗する前の状態に戻せるのかを、一緒に考えます。
 ⚫︎汚れたものは、掃除する。
 ⚫︎壊れてしまったものは、できる限り一緒に直す。
 ⚫︎連絡すべきところがあれば、連絡する。
 ⚫︎傷ついたり困ったりしている人がいたら、声をかけできることをする

壊れてしまったもので、どう見ても直せないものもあります。
それでも、できる限り元に戻そうとすることも大切です。直しながら、物や人を大切にする心や、自分の行動への責任の取り方などを学んでいくでしょう。そして、がんばっても直せないとわかった時、「無理だったね…」ともう一度落ち込みながら、またそこにも学びがあります。

この段階で丁寧にかかわると、迷惑をかけた人には「ごめんね」、手伝ってくれた人には「ありがとう」の言葉が子どもの口から自然に出ることが多いものです。
「失敗をしたらごめんなさいを言わされる。」のではなく、子ども自身の気持ちから出る言葉であることが大切です。

STEP 4:次に同じことが起きたら、どうすればいいのか
落ち着いた頃を見計らって「次に同じような状況になった時、どうする?」という会話をしてみましょう。
 ⚫︎これをやりたい時には、大人に言う
 ⚫︎今度この道具を使う時には、ここに気をつける
 ⚫︎こぼれやすいものは、ここに置く
 ⚫︎忘れやすいことは、メモに書く
 ⚫︎困った時には、まず大人に聞く
 ⚫︎大事なものは、こういう風に扱う、など…
1、2、3でしっかり学べた場合、きっと立派に自分なりの答えを見つけていることでしょう。

次にあなたがどうするのか、が大事なのよ。


ここまでくるのに、涙あり、ドラマありで、簡単ではない時もあります。でも、ここで立派に自分の考えを答えられた時、「失敗は成長の素なんだ」としみじみ実感できることでしょう。

そして、この経験の繰り返しが、失敗を恐れず、何にでも挑戦する、前向きな生き様となって、その子の人生を大きく成長させてくれることでしょう。

さぁ、次に子どもが何かの失敗をした時にはぜひ「成長のチャーンス!」と喜んで下さい。そして、【子どもの失敗を成長に変えるステップ1.2.3.4】で、大きく成長できるよう、導いていきましょう!




日本の子育て中の方や保育者に届くよう、心を込めて書いています。
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