落款と漢字
漢字のことは全く詳しくないのですが、書に押すための印”落款”を思い切って作りました。半年近くかかってしまいやっとできたこともあって漢字について考えることがありました。人生初の落款。押すほどの作品などは全くないけれど、そういう遊びの中から何か見つけていきたいところもあって、何か月もかかってできた印はとても大切で嬉しいです。
今まで知らなかったのですが、書に押す印も押す場所によって何を押すかというのも決まっていて、姓名を押す場所や雅号を押す場所や朱肉の色も反転して彫られていたりして本当に興味深いです。雅号印はせっかくなので名取名にしました。
落款(らっかん)は、落成款識(らくせいかんし)の略語で、 書画を作成した際に製作時や記名 識語(揮毫の場所、状況、動機など)、詩文などを書き付けたもの、またその行為で、その文を款記といいその時捺す印章を落款印と言います。 慣習上、署名として押捺された印影、または署名に代えて押捺した印影をさすことも多いそうです。
今回作成して頂いた落款のふちはわざと欠けさせてあって、作った人が言うには漢字の力を封じ込めて死なさないためという意味があるとのことでした。漢字にはそれぞれ意味や力があり、象形文字からきているものの形から考えるとその意味の力がよくわかるとのことでした。それを見くびってはいけないと、落款を作る人から教わりました。古代からある漢字には神や祈りに関するものが多く、意味を知るととても面白いものです。
残念なことにすでに亡くなられているのですが、白川静という方が漢字の第一人者でこの方が解き明かされた漢字の体系を知ると、自分の名前というものをもっと大事に考えるようになるかもしれないなと思うようになりました。漢字に興味のある方は”白川静さんに学ぶ漢字は楽しい”という本がぜひおすすめです。それにも書いてあるのですが、右と左の漢字の成り立ちなどなるほどと思います。どちらも手から漢字が出来ていて腕の部分が長くなるから右と左は腕の場所が違うから長さが違い、腕は後から書くので書く順番が違うそうです。納得。下手な字ですが下のようになるそうです。
ご先祖様がいて今が作られてきているのだなあと、思います。
今から白川静さんの漢字の本読んでみようと思います。7/18