見出し画像

入社エントリー:CFOへのチャレンジ


はじめまして。2024年10月より、CFOとしてIVRyに参画させて頂きました木村由美と申します。写真は、CEOの奥西さんが撮影してくださいました!
まず自己紹介をさせて頂けましたら、幸いです。


自己紹介

京都大学工学部を卒業後、新卒で投資銀行に就職をしました。
よく「なぜ工学部から金融機関に進んだのか?」とご質問を頂くのですが、正直深くは考えていませんでした。
というのも、在学中にキャリアプランを考えたのですが、どうもやりたいことが見つからない、とはいえ大学院に進み研究を続け大企業に勤めることにも(個人的に)アドレナリンを感じない、という状態でした。
であるならば、世の中を動かしているお金の仕組みや経済全体を見れるような仕事を選択すれば、きっと一定のスキルは身につくし、経済的にもゆとりも出るし、将来の方向転換したくなった時にも潰しがきくだろう、というくらいの考えでした。

投資銀行に就職をしてからは、野村・UBS・メリルリンチ・日興・ロスチャイルドで一貫して投資銀行業務に従事して参りました。
具体的には、日本企業に対して、買収・合併(M&A)、株式や債券の発行などを通じた資金調達の提案から執行までに従事して参りました。

ジュニアバンカー(バンカー=投資銀行員)だった頃は、お客様を担当されるシニアバンカーの方々の元で、あらゆる業界のM&Aや資金調達の提案と案件に関わってきました。具体的には、お客様の事業・財務、取り巻く業界や競合、買収ターゲットなどの分析をしたり、価値算定やシナジー算出などのモデルを作って、資料に落とし込んでいたりしていました。
M&Aや資金調達案件は、お客様にとって頻繁に行われるものではなく、金額の大小に関わらず、経営に関わる最重要プロジェクトになります。徹底したプロフェッショナリズムが要求され、責任が求められるハードな仕事でしたが、お客様の重要な意思決定を近くで感じることができる環境にはやりがいもありました。
関与させて頂いた案件が新聞の一面に載っていた時には、嬉しさと達成感を感じることができました。
また、普段の生活ではお目にかかれないような方とお話しさせて頂くこともありました。例えば、20代後半に、JR東海のグローバルオファリングに関与させて頂き、海外投資家向けロードショーのために人生で初めての海外出張に行かせて頂いたのですが、JR東海名誉会長の葛西敬之様と1週間ご一緒させて頂きました。子供の頃にTVニュースで国鉄改革3人組のお一人として拝見した方でもあり、緊張の1週間でしたが、当時のお話を直に伺ったことなどは、今でも忘れられない貴重な経験でした。

チーム配属が決まるアソシエイトになってから、私はキャピタルマーケットというファイナンス専門のチームに配属になりました。その頃には自分にも少しずつ自信がつき、また一定の裁量も与えて頂けるようになりました。
プロダクトチームだったので、株式市場や投資家動向、プロダクト、海外の新しい資金調達スキームなどを日々勉強したのですが、それよりもextra one mileの発想が強くなりました。単なるプロダクト提案ではなく、このお客様の事業戦略にはどんな財務戦略が良いだろう、どうしたらカバレッジバンカーのニーズに合うだろう、どうしたらお客様に評価して頂けるだろう、どうしたら次の宿題につながるだろう、どうしたら競合投資銀行に勝てるだろう、などどう差別化するか、などを考えることがとても楽しくなりました。
シニアバンカーになって以降は、プロダクトチームを代表して、お客様との面談にカバレッジバンカーと参加させて頂く機会が増えました。お客様との接点が増えるにつれて、ファイナンスに限らず、M&AやIRも含めた経営戦略全般のアドバイスをしたいと思うようになりました。

そして、10年少し前から、お客様を直接担当させて頂くカバレッジバンカーに転向しました。自分自身が大学で半導体材料やタンパク質構造などを分析する機器の研究をしていた背景もありましたが、事業環境のサイクルが早く自分が得意なファイナンス案件が多そうなテック業界や、市場成長が大きいメドテック業界に興味を持ち、担当させて頂きました。

カバレッジバンカー兼シニアバンカーになると、求められる能力が大きく変わりました。お客様の業界の知見や金融知識は当然必要ですが、最も重要だと感じたのは、人との関わり方、特に、聞く力だと痛感しました。
業界のことはもちろん勉強しますが、お客様の知見にはかないません。むしろ、求められているのは、お客様の悩みに対して適切なオピニオンを伝えれることだと思いました。その為には、当たり前のことなのですが、お客様が本当に悩まれている課題は何かを教えて頂ける信頼関係を築くこと、あるいは三点観測で課題を推しはかり把握すること、そして、それに対するオピニオンをお客様が納得できる形で伝える力、だと思いました。
投資銀行の後半の時代は、お客様との信頼関係を築くこと、特に意思決定をされる経営層の方々との信頼関係を築くことに、とても充実感を感じておりました。

20年以上、この仕事を続けてきた理由は、とにかく純粋に楽しかったのだと思います。グローバルで、色々な業界のダイナミズムを身近で感じることができましたし、お客様の5年・10年先の成長戦略を考え、真剣にディスカッションさせて頂くことにアドレナリンを感じていました。

キャリアチェンジの背景

経営層の方々とのダイアログが増えて行く中で、第三者としてのアドバイザーではなく、自分自身も当事者としてコーポレートアクションに携わりたい、と思うようになりました。我々はあくまでもアドバイザーであり、経営判断に直接関わることはできないからです。
また、後工程に関われないことにもギャップを感じておりました。具体的には、お客様が買収をされた場合、投資銀行の仕事は買収を成功させるところまでですが、お客様にとって重要なのは買収した後この事業をどう伸ばすかだったからです。

また、昨年来、生成AIがあらゆるシーンに浸透し、日常生活の一つのアイテムになりました。投資銀行員(バンカー)時代に、外資コンサルに勤務する友人の勧めで使い始め、あまりの便利さに感動し、眼鏡やコンタクトレンズ同様に、ビジネス・プライベートいずれのシーンでも欠かせないアイテムとなりました。
私の学生時代から2000年代後半にかけては、インターネットの発展により世の中は大きく変化しましたが、今後数年でそれを更に超え、場合によっては100年以上前の産業革命を超えるパラダイムチェンジが起きる、とも思いました。

そんな中で、自分のキャリアを初めて真剣に考えるようになりました。

客観的に自分を分析すると、投資銀行で20年以上やってきた経験やお客様との関係はそれなりにマーケットバリューがあるとは思いました。
同時に、今までとにかく楽しくてアドレナリンが出る仕事だったしこれからも楽しいと思う仕事をしたい、そして70歳くらいまではビジネスの場に関わっていたい、という漠然とした希望もありました。

スタートアップのCFOになれば、ファイナンスや株主対応やM&Aも当事者として関与できるし、経営の意思決定にも関与できる、ガバナンス含めた組織作りも勉強できる、得意なファイナンス知識も活かせる、そこで何年か頑張れば、自分のマーケットバリューも希少性も高まるに違いない、と思いました。

20年以上続けてきた投資銀行を卒業することについては、あまり悩みませんでした。バンカーを続けてきた中での経験もあるし、必要な知識やノウハウ、お客様との関係を築いたという自負もある。仮に、うまくいかなかったとしても、バンカーに戻る、あるいは、違う道でも生きていける土台はあるし、失敗から得られるものもきっとある。それに、スタートアップのCFOへのチャレンジは年齢的にもこれが最後になる、と思った時に、自然とチャレンジを決断できました。

なぜIVRyか?

IVRyとの出会いは、エージェント経由でした。

事業内容に、非常に共感しました。市場規模の大きさはもちろんですが、日本の抱える課題に向き合っていることでした。
ご周知のとおり、日本は労働人口が減少基調にあります。移民なども政策で取り上げられているものの、現時点ででは仕組みとして整いきれていません。
加えて、DX化を進めているものの、日本の生産性と海外先進国の生産性の差は、むしろ近年広がっています。
その中で、IVRyのサービスは、人がより付加価値の高い業務を行うための一助になる、そして中小企業でも使って頂けるよう価格帯の民主化を実現できている、という点で魅力を感じました。

加えて、一緒に働く方々の考え方、成長戦略の方向性にも共感することができました。成長戦略の方向性は我々にとっても重要な戦略であり外にはお話しできませんので(すみません)、ここでは前者について触れさせて頂きます。

財務戦略や株主政策について、詳細は今後議論し作ってゆくとしても、根っこの考え方が擦り合っているか否かは、重要だと思っています。
色々なトピックについて、意見交換をさせて頂きましたが、根っこの考え方が遠くなく、今後意見の相違でぶつかることがあったとしても、擦り合わせてゆけるベースを持っている、と感じました。

例えば、予実の考え方です。
予実管理は、持続的にステークホルダーから信頼されるために、つまりは持続的に成長してゆくためにとても重要なことだと思っています。
CEOの奥西さんやCSOの宮田さんとお話しする中で、こんな会話がありました。「予実をきっちりとすることで、ステークホルダーからの理解も得られる。ステークホルダーから信頼を得ることができれば、自分たちの評価や価値も高まる。そうすれば、ファイナンスの柔軟性も増す。成長投資の柔軟性も増す。そういったポジティブスパイラルを作れる。将来、株式公開を行う可能性があるから予実を行うのではなく、今は辛いかもしれないけど、こういう癖を会社としてしっかりとつけておこう」というものでした。
言語化すると当たり前のことに見えますが、今のようなステージのスタートアップで、このようなマインドセットがあることに、非常に驚きを得ました。

あとは、一緒に働く人、です。

CSOの宮田さんがいなかったら、私は入社を決断しなかった、と思っています。入社前2ヶ月本当に何度も何度もお話をさせて頂きました。その中で、この人になら何でも話せそうだなと思いましたし、今後二人三脚で働くイメージがとてもつきましたし、お互い強み・苦手なことが綺麗に補完関係にありましたし、この人とタッグを組んだら相乗効果ですごいvalueを出せそうだな、と思いました。

もう一つは奥西さんからのオファー面談でのメッセージです。オファーレターの前段、条件の前に、奥西さんからのメッセージが書かれていました。私が今まで拝見したオファーレターは、投資銀行・スタートアップ含め、条件のみが書かれているものだったので、非常に驚きました。内容は、私を選んで下さった理由、今後私にやってほしいミッションなどでしたが、私にとってはとても心にぐっとくる内容で、純粋に嬉しかったですし、「この人の夢を叶えるために頑張りたい」と思いました。

IVRyは本当に働いている方々が魅力的で、グローバル大企業や、日本を代表するようなスタートアップで経験を積まれた、多数のエキスパートの方々が参画されています。
事業開発に精通したメンバー、ドライブ力のあるエンタープライズセールス、経験値の高いコーポレートメンバーなどが融合し、ユニークなチームアップを結成しています。
このような素晴らしいチームにCFOとして、参画させて頂けたこと、とても光栄に思っております。
事業側の皆様が思いきりアクセルを踏むことができるよう、それを支える財務戦略をしっかりと作ってゆきたいと思っております。

IVRyにご興味持って頂けましたら、カジュアル面談をお待ちしております!



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集