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いきなりカウンセリング業務
恐怖のアセンション編
あれはいつかの初夏、私はフラワーオブライフがプリントされたTシャツを着て外出した帰り。電車が地元の駅に到着し、ホームに降り立ち歩き始める。
「今日の夕飯なんにしようかな‥」
なんて思いながら改札へ向かう階段を降り始めた時、
見知らぬ女性から声をかけられた。
「あの〜すみません、ちょっとよろしいでしょうか?」
よろしいといえばよろしいが、唐突だったので少し驚いた。
「あ、はい。。」
「あの〜、そのTシャツ、どこで買えるんですか?」
「え、これはあの、画家の友人がシルクスクリーンプリントで模様を擦ってくれたんです。買ったというより誕生日にいただいたものなんです。」
「フラワーオブライフが素敵ですね〜、いいな〜、欲しいんですけど買えないですかね?」
「そうですねぇ、友人に聞いてみましょうか?」
私たちはそんな会話をしながらゆっくりと地上階に降り立った。
「おそらく買えるかと思うのですが、即答はできないので聞いてみます。よかったら連絡先を教えていただけますか?」
と、私は彼女のメールアドレスや名前などを持っていた紙に書いてもらった。
そのまま私たちは改札前の空間で立ち話をした。
フラワーオブライフに興味があるというと、現在の日本ではパリピかスピリチュアル系、もしくはデザイン関係者などに偏りそうな気がする。と思ったらやはり、話はそちらの方向に行った。
「なんか、ああいうセミナーとかグッズとかって高いですよね?!色々見てみて疲れました〜。」
彼女もまた精神世界やスピリチュアル系に興味があり、セミナーやワークショップを受けたことがあるそうで、定期的にお世話になっているヒーラーさんがいるとか、堰を切ったように話し始める。何か自分の中に溜まっていたものがある様子だったので、私はただ共感し話を聞いていた。
そしてあなたは一体何をしているのかと聞かれ、音楽や癒しの活動をしていることを軽く話した。
キリの良いところで
「では、連絡入れますのでお待ちくださいね。」
私たちは改札を出て別れを告げ、お互いに反対方向へ向かって歩き出した。
早速このTシャツをくれた画家の友人に連絡を入れて、販売可能であること、値段、色、サイズの選び方について詳細をもらい、例の彼女にEメールを出す。
例の彼女と言っても、年齢の頃は60代ごろで、話によれば大学生くらいの息子さんがいらっしゃるいわゆる一般的なご家庭の主婦といった出立ちだった。
私たちはEメールで連絡をとり、やりとりが無事に行われ友人が商品を発送し、みんなハッピーで話がいったん終わった。
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というのも、このあと3ヶ月くらい経ったとある日の夜にこの彼女からいきなり電話がかかってくる。見知らぬ番号だったけどなぜか出てみたのか(普段なら出ない)、登録していたけどすぐに消去したのか、細かいことはもう覚えてない。
「もしもし、私です。すみません、15分だけお時間いいですか??!!」
なんだか鼻息が荒い、、前に駅で会った時とはちょっと雰囲気が違う、そして15分で終わらなそう!そんな予感もしつつ
「短時間なら大丈夫ですよ」
と伝えると、彼女は少し興奮気味に話し始めた。
「あの、私、前に地方から東京にくるヒーラーさんにお世話になってるって言ったじゃないですか。」
「あ〜、はい、覚えてますよ、男性の先生。」
「その先生なんですけど、、、様子がおかしいんです。施術を受けるときにはいつも都内のホテルに行くんですけど、前まで普通だったのに、ある時からその、予約時間に行くとシャワーを浴びて待っていたり、室内の様子とかがピンク方面(自己流の言い方です)になってるんです。」
ふむふむ、、、そうきたか。
こういう路線だとそれぞれの目線があるからな、、、彼女側の気の迷いとか勘違いではないかどうかをやんわりと尋ね、どうやらそうではないような、まだ確信がもてないまま私はさらに話を聞いていく。タントラ方面の方なのかと思いきや、ヒーリングの流派として挙げている分野はそうでもないようだった。
「前回、そのピンク方面の相手を断ったときにぼそっと『そんなんじゃ、アセンションできないぞ‥』とかいってきて、、どう思いますか?」
・・・その言葉をそこで使うなんて、、、?!
率直に言ってアウトなパワーワードだ。
もはやいつものいきなりカウンセリング業務*(訳註最後)になっていたので多様な可能性や誤解を招かないように細心の注意を払っていたけど、この暴言を引き金にしっかりお伝えすることにした。
「いや〜、そのセリフ、完全にアウトだと思いますけど。ヒーリングとか目に見えない世界のことを扱うからって商売は商売ですから、今どきの日本社会で生きている以上、お客さんが嫌がることをしたり脅してる時点で消費者センターとかに相談していい内容だと思いますけどね。ダメなインドのビジネスマンみたいですよ、それ。」
「そうですよね〜!!!ダメですよね!よかった〜、そう言ってもらえて。。」
彼女は私の意見に対して味方を見つけた高揚感を感じているようだった。
お会いしたことないし真意がわからないしなのでなんとも言えないが、第三者としてこの話を聞いた感触を述べると、まあもしそれがエネルギーを上げるためとか、なんかの秘技に必要だったりする可能性はありうるだろう‥けど、嫌がるお客さんに強要する時点で、いい予感はしない。社会的にはただの「セクハラ・パワハラ」扱いになってしまうのではないのだろうか。
「たまに先生の瞑想会にもいくんですけど、そこには2人くらいすでに先生と合一してる人たちがいて、、「あなたもやってもらえばいいじゃな〜〜いい♡」って言ってくるんですけど、、その人たちの顔がっ、なんかすごくつるつる、つやつやっしてるんですっっ!!!」
申し訳ないが、静かに吹いた。
「つるつる、つやつや」の言い方、電話越しに見えてくる風景や感情、はあ〜〜。
そしてもちろん根源である先生も「つるつる、つやつや」なのであった。
その2人は本人たちもOK合一してる感があるのでここでは放っておく。
それよりも、彼女が自分1人で決断できない状態にあったことの方が気になった。
その輪の中にいると感覚が麻痺してしまうかもしれないが、これはいわゆるカルトにも通じるような状況で、我々一般市民にはよくわからないヒエラルキーがそこにある。絶対的権威である先生には逆らえない雰囲気。個人として彼には縁がないが、今電話で相談してきてる人は少なくともそこから何かしらの救いを求めている。そして、優しい人ほどこうなりがちだ。
「先生のヒーリングを受けると調子がよくなるので、ヒーリングだけ受けたいんですけどそれはダメだって言われて。。」
ヒーリングだけ受けたいお客さんも大切にすればいいのに・・・。
この時私は、インド・ゴア州のアランボルという町でクリスタルショップに入った時のことを思い出した。私が欲しい石を売ってくれず、メチャクチャな理由で他の高い石を買わせようとするインド人店長。英語は通じているはずだが交渉は成り立たず、その時は久々にブチ切れて店を出た。意味不明なのはインドという違う惑星にいたからだと思ってたけど、この先生も同じに見えてくる。
こうしたケースはたまに出現してくるのだけど、構っている余計な時間は人生にはないので、賢く回避していきたいものである。
「先生のエネルギーやセッションも合っているのでしょうけど、話だけ聞いていると嫌ならもう行かなくていいと思いますよ。」
とお伝えして電話は終わった。結局話していた時間は15分ではなく50分ほど。
また、今回のショックを鎮めるために遠隔でレイキヒーリングを送って欲しいとの依頼も受けた。その感想をいただいたり、またEメールで一往復くらいのやりとりをして以来、私たちは交流を持っていない。
他人をコントロールしたい人間というのは世の中に割と多く、最初は「いい人」だったとしても付き合っていくうちに違和感や不自然さを感じる場合には、距離を取ったりしてバランスを取ることで危険は回避できる。
個人的な話だが過去に「自己愛性パーソナリティ障害」のような部類に当てはまる人々と仕事を通してともに時間を過ごしたことがある。
私は未熟だったためうまく境界線を引けず、こちらの優しさがあだとなってあちらのネガティブパワーに足を引っ張られ憔悴するのがオチだった。
おかげさまで、そうした人々は人生から断捨離されていき平和な日々を送れている。
話は戻るが、出会って話した時間も人生のうちではわずかなものだったが、とても鮮明な印象と学びを与えてくれた一件だった。彼女のその後の幸福を願ってやまない。
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(訳註)
いきなりカウンセリング業務*=何でか知らないけど日本国内はもとより海外でもいきなり話しかけられて人生相談や愚痴聞きをすることがある。ほんとにふいに
やってくるので高次の私は天の仕事と思って対応するけど、人間の私としては仕事として請け負いたい様子。