みんな知りたい塀の中
財政課が何考えてるかわからないって
それならOBの俺たちにまかせとけ
経験者だけが知る切った張ったの裏稼業
根っこのところは変わってないからな
#ジブリで学ぶ自治体財政
2024年1月に新しい本が出ます!
出版社名、タイトルについてはもう少ししてから公表することにいたしますが、中身は「財政課」の話です。
2018年12月にぎょうせいから出版した『自治体の“台所”事情~“財政が厳しい”ってどういうこと?』は私の行っている財政出前講座の内容をそのまま転写した単独出版でしたが、今回は地方自治体の「財政課長」経験者5人の共著で、“財政課”の業務内容とその背景に焦点を当てた内容となっています。
現役の“悩める”自治体財政課職員はもちろん、自治体内で財政課との協議交渉で痛い目に合っている職員の皆さんをはじめ、財政課が何を考えているのかわからない、何をやっているのか知りたいという財政課とのつきあいに“悩める”財政課界隈の方々にはぜひお手に取っていただきたいガイドブックです。
もちろんそれ以外の方にもお楽しみいただける内容になっています。
詳細、公表できる段階になりましたらお知らせいたしますので、ぜひ出版後はお手元に1冊置いていただければと思います。
先日、この共著で筆を執った5人でweb座談会をやったのですがこれがなかなか面白くて、本の内容もさることながらこの5人で組んで行う情報発信には強烈なインパクトと濃厚な内容が保証されるなあ、なんて思いながら年明けの発売Xデーを楽しみにしていたところでした。
何が面白いって、皆さんとっくに現役の財政課長を退いて今や別の部署で新たな重要任務に精励されている方々なのに、なぜ卒業から何年も経った今でもそんなに財政のことを熱く語れるの?というところが面白いのです。
私自身、2016年3月末を以て財政調整課長の職を離れてからすでに8年近い歳月が流れていますが、異動後に携わった様々な分野にも当然力を入れて取り組んだんですが、やっぱり今でも財政の話になるとつい熱が入ってしまいます。
その熱が高じて出張財政出前講座で全国を飛び回り、あまつさえ本まで出してしまったわけですが、今でもこうして情報発信できるのはその情報を求めている方々が今でも私にアプローチしてこられるのでその期待に応えたいというのが一番の理由です。
先日の座談会でも「財政というテーマについて、知りたいけどよくわからない」という自治体職員や市民、議員の方々は数多くいるという話になり、今回の本はそういう人が手に取って読んでほしいという話になりました。
しかし、それだけの需要があるのにどうして我々財政課OBからの情報を待たなければならないのでしょうか。
本来は、現在財政課に在籍している職員が、自治体財政とはどのようなものか正しくわかりやすい情報を発信し、現状や将来について構造的な理解とを得るとともに、その課題について共有、共感をいただき、財政課だけでなく全庁一丸、さらには市民、議会にも理解と協力を得て厳しい財政運営の舵取りを行っていく必要があります。
私の財政出前講座はこの一助として福岡市職員向けに始めたもので、それを全国での求めに応じて今でも行っているわけですが「財政というテーマについて、知りたいけどよくわからない」という方々が全国各地に数多く存在する現状からみると、総じて自治体財政課からは、財政課以外の職員、市民、議会から理解と共感を得る前提としての情報の共有、発信が十分でないことがわかります。
これは誰が行うべき仕事か、知りたければ自分で勉強せよということか、ということについて、私は「職員に対しては財政課が職務として行うべき」「市民、議会に対してはすべての公務員がその責務として行うべき」という考えです。
しかし、それができていないのはなぜか。
情報発信、共有の必要性はわかっていても、忙しすぎて情報発信や現場との対話に時間を割く暇がないということは容易に想像できますが、忙しすぎて現場との対話もできない財政課にどんな立派な仕事ができるのかとあえて私は言いたくなります。
あるいはまだ「よらしむべし 知らしむべからず」と財政課による哲人政治を続けることに価値を見出している人たちがいるのかもしれません。
もし、財政課ですでに対話による情報共有、相互理解の必要性を理解し、時間を生み出してチャレンジしたいと思っているけれど、その一歩が踏み出せないのなら、あるいは財政課の外側でその必要性に気づき、財政課にその必要性を気づかせ、重い腰をあげさせたいのなら、そんな人たちのあと一押しをしたい、というのが私自身の出前講座活動の主たる使命だと思っています。
これまで発信してきた「“財政が厳しい”ってどういうこと?」という自治体財政全般への理解促進、あるいは対話型自治体経営シミュレーションゲームSIMULATION2035を通じた対話による自治体経営への転換への示唆にとどまらず、財政課が情報発信することの意義、現場、市民、議会と対話関係を築くことがどうしてよりよい予算編成に繋がるのか、などについて、私の経験やその後のいろんな方々との対話、そしてそこから得た考察などを共有することで、自治体財政界隈で“悩める”方々に何かしらの気づきを与えることができたら、お悩みを解決する糸口を一緒に探すことができたら、と思っています。
財政課の内側と外側にある情報の非対称性は、お役所の内側と外側の関係と相似しています。
情報を共有し、互いのおかれた立場に共感し、この共有と共感を基礎とした対話によって課題解決を図るという手法が優れているのは何も財政に関することに限ったことではありません。
自治体の抱える課題を市民とともに乗り越えていくために必要な情報の共有は我々自治体職員の責務ですが、それがわかりにくくとっつきにくいものだからなかなか進まないのでしょうね。
また、自治体の内情を中から暴露するというのは場合によっては非常に大きなリスクを伴いますので、自治体職員がなかなか踏み出すことができない領域でもあるわけです。
私も気がつけばこの「自治体財政よもやま話」をこの2年あまりで200本も投稿していました。
同じような話を何度も繰り返し書いていることもありますが、まだまだ皆さんの知らないよもやま話のネタはたくさんありますし、皆さんにも自治体のこんなことを知りたい、ここがわからないというテーマはたくさんあるでしょう。
2024年は財政のこともですがこういった自治体周りのいろんなテーマについて、このnoteなどのSNS、あるいは出前講座やオンラインでの対話の場ででも、ご興味、ご関心をお持ちの皆さんとの意見交換、ご助言、ご支援が必要な方へのアドバイスなどを続けていきたいと思っています。
ご用命の方は気軽にお声がけくださいませ。
★2018年12月『自治体の“台所”事情“財政が厳しい”ってどういうこと?』という本を書きました。
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9885
★2021年6月『「対話」で変える公務員の仕事~自治体職員の「対話力」が未来を拓く』という本を書きました。
https://www.koshokuken.co.jp/publication/practical/20210330-567/
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