長持ちの秘訣
昨日ご紹介したオフサイトミーティング「明日晴れるかな」ですが、通常はあらかじめ話すテーマを決めたりすることはありません。
これは、いつでもどなたでも参加できるようにという視点からのグラウンドルールでもありますが、実はもう一つの視点があります。
それは運営が楽だからです(笑)
皆さん、よく「自主研究グループ」ってやってますよね。
役所や企業組織内で、あるいは任意の個人が集まって月イチとか隔週とかで「勉強会」や「研修会」を開催し、参加者相互に自己研鑽に努めるというアレです。
そんな場は全国に星の数ほどありますが、悲しいかな、その盛衰もまた星のように生まれては消える儚いものが多いように思います。
私もたくさんの勉強会、研修会の栄枯盛衰を見てきました。
始まりは意気揚々と熱気にあふれ、趣旨に賛同して参加した者の期待に応える企画が次々に実施され、さらに参加が拡大していく黎明期から成長期にかけて、自主研究グループには喜びと高揚感があふれています。
しかし多くの場合、二つの悲劇のどちらかがこの活動に襲い掛かるのです。
一つ目の悲劇は突如訪れます。
主催者の中核メンバーが人事異動や業務繁忙で手が離せなくなる、結婚や出産などのプライベートイベントで多忙になる、という「人手不足」。
仕事ではないオフサイトの活動である以上、自分自身が多忙になっても誰かが変わってくれるわけではありません。
また、オフサイト活動を仕事や家庭よりも優先してよいという人もあまりいないでしょう。
中核メンバーの多忙は、自主研究グループの死を意味します。
もう一つの悲劇は、緩やかに、しかし確実に訪れます。
それは企画を次々に準備することができなくなる「ネタ切れ」です。
ネタ切れには二つあって、参加者の期待に応えようと的を絞って狙い続けていくうちにネタが枯渇してしまうパターンと、同じ中核メンバーのやりたいことをやり続けているうちにテーマがマンネリ化して広がりがなくなり、自分たちが飽きてしまうパターン。
いずれにせよ、より参加者に喜んでもらえるもの、自分たちが楽しめるものを企画することが難しくなり、活動がフェードアウトしてしまう。
皆さんはそんな経験、ありませんか?
「明日晴れるかな」は、基本的に会の内容を企画しません。
それは、誰でも参加でき、話したいことを話すことができるという場の趣旨から当然なのですが、このことが先ほど挙げた二つの悲劇から我々を守ってくれたのだと思っています。
このオフサイトミーティングが始まった当時、私は福岡市の財政調整課長でした。
5月に始まったオフサイトミーティングですが、11月からは財政課にとって最大の繁忙期、予算編成が始まり、自分が参加できなくなることは明らかでした。
また、最初からあまりこの場を開設することに労力をかけられなかったうえに、何かあらかじめ企画しなくても、参加者は集まるし、集まった者同士で「対話を楽しむ」という趣旨は十分味わい楽しめるのですから、特に何かを企画することで開催の手間をかけることを避けました。
市職員の自主研究グループとしてあらかじめ会議室だけ確保してもらい、その開催スケジュールを職員専用の掲示板でお知らせし、参加できそうな誰かに鍵を開けてもらう。
言い出しっぺの自分も参加できないときは無理して参加しない。
この超省エネ開催が、二つの悲劇を回避し長続きすることができた秘訣だったと思っています。
そうはいっても実は、時々気が向いたときに「企画もの」をやることがあります。
誰かの話が聞きたい、特定のテーマで話したいという声が参加者の中から上がったとき、あるいは誰かが福岡に来ることがわかり、その日に合わせてオフサイトミーティングを開催できそうなときなど、特に企画段階からしっかり練り上げていくようなことをしないでも実施が可能なアイデアが発案されたときには、その言い出しっぺを中心に日程や会場を決め、開催してします。
次回、7月17日(金)開催予定の「明日晴れるかな」では、福岡市から始まった自治体改革の先駆的取り組みである「DNA運動」が始まって20周年という節目であることから、DNA運動をテーマに語り合おう、という企画を実施します。
DNA運動のDNAを探そう!(「明日晴れるかな」福岡市のこれからを語るオフサイトミーティング)
2020年7月17日(金)19~21時 天神ツインビル402研修室にて
https://www.facebook.com/events/639958386621554/
時々こういう企画で刺激を与えることで、いつもはテーマフリーのゆるーい対話の場に新鮮味をもたらし、また通常モードに回帰することでテーマフリーの良さも確認し享受する、そんないいローテーションができているように思います。
皆さんもよかったら、こんなゆるーい対話の場、実践してみませんか?
まずは一度「明日晴れるかな」に遊びに来てもらってもいいかもしれません。
★「自治体の“台所”事情“財政が厳しい”ってどういうこと?」について
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9885
★日々の雑事はこちらに投稿していますので,ご興味のある方はどうぞ。
https://www.facebook.com/hiroshi.imamura.50
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